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柿の木七味
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#百合
シュメール
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#双子
柿の木七味
243
プロローグ
私は寂しかった……。
当時の私は一人ぼっち。皆とどう接していいのか知らないし、わからない。
いつも公園で、誰かに声をかけて遊ぼうとするけど、その声をかける一歩が踏み出せないでいた。 意外と人間は薄情なもので、アニメのように1、2、3と会話すれば友達……そうはならなかった。
その日も結局、夕方の公園で一人ぼっち。空いたブランコに座って、ただ俯いていた。そこへ、私に話しかけてきた人がいた。いつも寂しそうに一人でいることを気にかけてくれた人がいると、その時初めて知った。私は只々嬉しかったし、今思えば、その人に――他の多くの人にはあって、私にはないものを――私は知らず知らずのうちに重ねていたのかもしれない。
とにかく、私にとって、その人こそは求めていた存在そのものだった。 その人は私に一歩踏み出す勇気や知恵を授けてくれた。だから、今日の私がある。
そして、私は私のため……そして、その人のために頑張るのであった。
***
私はイジメられっ子だった。というか、当時の私は標的にされやすかったのだと思う。しかも、私を助けてくれそうな人はすぐに消えてしまうのに、私をイジメるやつは何故かいつもいる。それは中学に入ってからも続きそうだった。
ああ、今日もまた憂鬱な一日の始まりだ。
一限目が始まる前から、クラスのイジメっ子がやってきた。女心なんてものは一欠片も考慮しない、器は小さいくせに身体は大きくて乱暴なやつが、また私をイジメにきた。 いつのように泣かされる時間……
「おい!」
「いい加減にしろ、このヤロー!」
その人が放った拳が、イジメっ子の鼻っ柱をへし折りにきた。しかし、大柄な体を持つそいつは、少々のことでは倒れなかった。それでも、その人は立ち向かった。イジメっ子のパンチを避けて、逆に二発、三発とパンチを食らわせて、イジメっ子を撃退してしまった。イジメっ子は、その日以来周りから逆に舐められる存在になり、私へのイジメもなくなった。
「どいつもこいつもくだらねぇ……お前も、もっと強くなれよ。」
私はその日から、徐々に明るく振る舞えるようになった。私にとっての、「白馬の王子様」とは、その人だと悟った。
第1話につづく
コメント
1件
読んだよ…『プロローグ』、すごく胸にきた。 公園で一人ぼっきりでいる主人公の、あの透明で寂しい感じが痛いほど伝わってきた。 そこに現れた“白馬の王子様”っていう表現、すごくしっくりくる。 助けてくれる人がいるってだけで、こんなに世界が変わるんだなって思った。 続き、すごく気になる。読むのが楽しみです🌙