この作品はいかがでしたか?
410
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にょた百合にハマってしまいました。
今後にょた百合作品多くなるかもですが是非そこのあなたも沼りやがれください😊
最近桃赤ばっかなので百合じゃない方の水赤とかも近々出します…
nmmn 桃︎︎(︎︎♀)×赤︎︎(︎︎♀) 百合GL
***
ある休日の朝。
温かい味噌汁のいい匂いがして、目を覚ます。
リビングから可愛らしい声のハミングが聞こえる。あたしが大好きな彼女の声だ。
二度寝しがちなあたしも、その歌声に引き寄せられるようにベッドから降りた。
あたしたちは二人組アイドルユニット。最近デビュー四周年を迎え、昨日行われた四周年記念ライブも大盛況で終わった。
そしてファンのみんなには言ってないけど、あたしたちは同棲している。
…え?付き合ってるのかって? さあ、どうだろうね。
それはあたしとりうらだけの秘密。
*
あたしの足音に気が付いたりうらが顔をぱぁっと明るくして走り寄ってくる。
「おはよ、ないちゃん!」
「おはよう、りうら。なんだか元気だね?」
「だって昨日のライブが〜」
まだ余韻ひったひたな様子のりうらが興奮気味に昨日の話をしだす。
昨日のライブは最高に楽しかったし、一生の思い出だ。余韻が抜けないのはあたしも一緒。
しかしちらりとキッチンに目をやると、ヒューと甲高い音を出しながら湯気を出しているやかんが映る。
「待ってりうら、お湯大丈夫?」
「あ゙っ」
りうらは慌ててキッチンに走って行ったが、時すでに遅し。
溢れたお湯がジュッという音を立ててコンロに直撃し、ピーッ、ピーッと火が消えた合図が鳴る。
「うぅ…またやっちゃった…」
「まぁまぁ、よくあることだよ!」
あたしはそう励ましながらもう一度ガスを付ける。
「…ありがと、」
「ううん、気にしないで!なにか手伝うよ」
「うん…」と小さく頷いたりうらの耳がほんのり赤く染まっていて、思わず口元が緩んでしまう。
ウチの子、ドジなんです。可愛いでしょ。
溢れる可愛さを噛み締めて、食器を食卓へ運んだ。
「いただきま〜す♪」
二人で手を合わせて、お決まりの挨拶を交わす。
りうらはスマホで朝食の写真を撮っているようだった。直ぐにあたしのスマホが通知音を鳴らす。あたしにはりうらの投稿にどのファンよりも早く反応する義務があるのだ。
SNSを起動して先程のりうらの投稿に最初のいいねを付け、「おはりうらです!」と最初のリプを送る。
画面を更新して確認するが、今日も無事に一番乗りで反応できたようだ。内心ガッツポーズをしながら、ふとりうらの方を見る。
「あちっ…!!」
りうらの箸からつるんと味噌汁の具材が滑り落ちて、汁へダイブ。
飛び散った汁も熱々だったようで、りうらがまた小さく声を上げる。
「あぁもう、りうらのばか」
「なっ…!ちょ、ちょっと手が滑っただけだし!」
口を尖らしてそう言うりうらに、あたしの分の味噌汁をちょっと掬って、ふーっと息をふきかけて冷ましてから、彼女の口元に持っていく。
「はい、あーん」
「!……あ、」
一瞬恥ずかしそうに目を逸らしたあと、徐に口を開くりうら。小さな口でぱくっとあたしの箸に口をつけた。
関節キスだね。なんて女々しい台詞は言わないけれど、もぐもぐと咀嚼しているりうらを見て口端を上げた。
「……美味しい」
照れくさそうにぽそりとそう零したりうらに、あたしは口角をさらにつり上げたのだった。
***
午後、なんとなくソファに身を落ち着かせたあたしたちはエゴサをしていた。
昨日のライブレポだとか、周年イラストだとか。あとまあ、りうらにバレないようにあたしたちの二次創作探したり。勿論左はあたしね。
「…ねぇ、ないちゃん。これどういうこと?」
あたしはさっとpixivのページを閉じて、懐にしまう。「どれ?」とりうらのスマホを覗いて___固まる。
『ないりう尊すぎた!!』
『は?りうないだろ』
『いやいやないりうでしょ』
繰り広げられていたのはオタクによるオタクのための受け攻め論争。
「……」
「ないちゃん…?」
こんのばっっっかなヲタクめ。お前らのせいでウチの純粋なりうらが戸惑ってるんですけど。
nmmnは隠語使うって、義務教育で習わなかったの?だいたい、そんなつまらない論争しなくたって『ないりう』に決まってるでしょ。
「ないりうってりうらたちのこと?りうないと何が違うの?」
「それはね、りうら…」
あぁ、面倒くさいことになった。
ここは遠回しな言い方して誤魔化そう。りうらなら分からないはず。
「あたしが上か、りうらが上かってこと」
りうらの顎を持ち上げてそう言う。
「…それって、立場がってこと?」
「うーん…まぁ、そういうこと」
必ずしも立場が上の人が攻めになるってわけではない。世の中、年下攻めって言葉があるからね。
でも、これでこの話が終わるならそれでいい。そう思っていたのだけれど___。
「じゃあ、りうらが上じゃない?」
ぴしゃりと空気が凍る。
「???…あたし、一応年上だけど??」
「でも、仕事できるのはりうらじゃない?」
「ヴッ」
確かに、りうらはしごできだ。だからってあたしが仕事できないってことじゃないからね?りうらが手際よすぎてあたしの分も勝手にやるからいつもあたしは何もできていないだけ。
「っでも、それはりうらがあたしの分も勝手にやるからで…」
「本当にできる人は他の人に仕事なんてさせませーん」
「上か下かってのはそういうのじゃ…!!」
あ、まずい。
「…じゃあ、どういうのなの?」
りうらがずいっと近付いてくる。
「えっ、と……」
ヤバい、どうしよう。なんて答えたらいい?
純粋なりうらにnmmnの世界を教えてはダメだ。りうらのことだから、変にあたしとの距離を意識し始めるかもしれない。今後の活動に影響が出てしまえば___
「りうらが上」?…そんなの、本人の口から聞いてしまったら精神ズタボロだよ。だってあたし、地雷なんだもん。りうないは。
「っ!?な、ないちゃ…っ!」
いつの間にかりうらを押し倒していた。
「…あたしが上か、りうらが上か。」
顔を近づけていくと、りうらの顔がみるみるうちに赤くなっていく。
「あたしが攻めて、りうらが受けるか…」
耳元で囁くと、りうらの肩がびくっと跳ねた。…結構感度いいんじゃん。
「それとも……逆?」
ぐるんと体制を反転させて、りうらに押し倒されているような体位になる。
りうらの首に腕を回して、わざとらしく笑ってみせる。すっかり顔を真っ赤にしたりうらは故障した機械のようにフリーズしている。
ほらそういうところ。だからりうらは下なの。
「天才のりうらなら、それくらい分かるでしょ?」
「…り、りうらが…」
徐に口を開くりうら。
「りうらが…上…」
興奮した様子でそう呟くりうら。あたしは大きなため息をついた。
「……あんた……」
人の地雷を踏むプロなわけ??
あたしが上だって分からせようとしただけなのに、新しい扉を開かせてしまったようだ。
二人の受け攻め論争は、まだまだ続く___。
☆この後ちゃんとりうらに分からせた
※擽っただけです
コメント
2件
百合初めて見た👀💕 なんか新しい扉開きそう🫣🫣 桃ちゃんの冷静な感じと赤さんの表情豊かな感じ大好き🫶🏻💗💗