「___もしもし」
そういるまくんからの電話が、俺のスマホに入ってきた。
生憎、今は事務所内な為、メンバー、、、こさめくんやなっちゃんも居る。
こさめくんは、この間まではいるまくんのことを「まにき~!」って呼んどったのに、今はそんな素振りもない。
「アイツ」とか呼んどる。
そもそもいるまくんの話題を出さんくなった。
そんな事になっとるから、ここで話すのは難しいと考え、急いで廊下に出た。
「、、もしもし。どうしたん?、、?風の音強くあらへん? 」
「、、みこと、」
そう言った彼は、暗い、どうしようも出来なかったという諦めの声を、俺に聞こえる程度に小さく呟いた。
こんな時ばっか俺の変な勘は鋭く感じ取る。多分やけど、今、いるまくんは、高いビルのような建物から
___飛び降りようとしとる。
「メンバーに伝えといてくれ、ごめんなって」
「っなぁっいるまくんは今どこに居るんッ?っ、返事くらいしてやッッ、、、もう、、
大切な人を2人も無くしたくあらへん、、」
ぴっと電話が切れた。
最後の方にありがとうと聞こえたのは俺の勘違いや。
どっと溢れる冷や汗に気持ち悪くなり、道端でしゃがみこんだ。
すると、すちくんが小走りに俺の前に来て、しゃがんで俺の顔を覗き込んできた。
「みこちゃん?どうしたの?」
「嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や、ッ」
「?!みこちゃんごめんね。」
その瞬間、俺のおでこに激痛が走った。
「、?!痛、」と呟くとすちくんが何があったか聞いてきた。
さっきまでは正気じゃ無かったのかもしれない。
いるまくんとの電話中の出来事、不審なところを全て全て吐き出した。
「、、、いるまちゃんのとこに今すぐ行こう。GPSが付いてるから」
なんでGPSなんか付けてるかが、なんで持ってるか、そんな事が気になったが今はそれのおかげでいるまくんが助けられるかもしれへん。
「ッこさめくんとなっちゃんは?」と疑問に思ったが、あの2人にとってこの出来事を聞いたら、今より、余計、酷くなる自信しかない。
「、、みこちゃん早く行くよ。ここから大体10分くらい。まだ、間に合う」
こくっと俺が頷くと、ひょいっと俺を背負って走って事務所から、ここから飛び出した___
***
「、、ありがとう 」
ボソッと呟いた言葉は、みことの耳には入ってないかもしれない。けど、最後に、、メンバー全員じゃないけど、声が聞けて良かった。
「さぁーて、、綺麗なままで死んで、綺麗なままで、、、らんに会いたい。
別に地獄でもいい。らんに会えるなら。」
ふっと笑って青空の俺の心と真反対の晴れやかな空を見て、下へと視線を傾けた。
「、、、っしゃ、最後にらんの写真を眺めてな、」
「こんな世界から、ばいばい」
その瞬間に、俺はベランダから飛び降りた。
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