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《私はエメラ・スカーレット。双子の兄と両親のせいで双子の弟と偽り、男装して学園生活を送っていた。最近になって私の男装は学園中にバレた。学園長は一応そのまま男装してくれれば、退学はなしにすると言ってくれた。これは私が幸せになるまでの物語…》〜サバナクロー寮 レオナの部屋〜
プルル、プルル…(レオナの電話が鳴った)
レオナ(電話に出た)「どうした?あー、もうその時期か。はいはい、分かった。は?見合いもだと?ハァ…なら、2つ条件を出す。大会の出場枠を1チーム分用意とある人を連れて来る。あ?理由なんかどうでもいいだろう。つべこべ言わず準備しておけ」(電話を切った)
ピッ(電話を切った音)
レオナ「さて、準備するか。メンバーとあいつを…」
ー昼休みー
〜廊下〜
クロウリー「エメラ・スカーレットさん、見つけましたよ!」
エメラ「え、学園長?どうなさいましたか?」
クロウリー「貴女へお手紙を渡しに来ました。私、優しいので!」(手紙をエメラに渡した)
エメラ(受け取った)「ありがとうございます」
クロウリー「では、失礼します」(行った)
エメラ「…」
エース「どうした?エメラ」
デュース「何かあったのか?」
エメラ「…ううん、大丈夫よ」(嫌な予感…)
ー放課後ー
〜サバナクロー寮 談話室〜
レオナはジャックにヴィルとリリアを集めさせて、タマーシュナ・ムイナで行われるキャッチ・ザ・テイルの事を全部説明し、全員参加する事が決まった
エメラ「あの〜、私は一体何に呼ばれたのでしょうか?」(訪ねてきた)
ジャック「え、エメラ?どうしてここに?」
エメラ「レオナ先輩に呼ばれたの。話の内容を聞く限り、場違いとは思うけど…」
ヴィル「レオナ、エメラはなんで呼ばれたわけ?」
レオナ「エメラにはキャッチ・ザ・テイルとは別件で頼みたい事がある。俺の里帰りと共に来てもらう事を話す為に呼んだ」
リリア「ふむ。それで、別件とはなんじゃ?」
レオナ「…今は言えねぇ。けど、エメラにしか頼めない事だ。頼めるか?エメラ」
エメラ(私しか頼めない事…?)「…分かりました。出来る限りの事を尽くします」
レオナ「助かる。ありがとな、エメラ」
エメラ「はい」
その後、解散したが、ジャックはエメラに声をかけた
〜サバナクロー寮 寮外観〜
ジャック「エメラ!」
エメラ「ん?ジャックくん、どうしたの?」
ジャック「いいのか?内容を聞かなくて」
エメラ「う〜ん、聞きたいけど、レオナ先輩が言いづらいならいいかな。それに嬉しいの」
ジャック「嬉しい?」
エメラ「うん。レオナ先輩って大体そつなくこなすでしょ?私はレオナ先輩に恩があるけど、まだ何も返してない…。あの時、聞いて嬉しかったの。私しか頼めないって言ってくれて。だから、大丈夫だよ」
ジャック「…そうか。別件だとしても出来る限り力を貸すからな」
エメラ「ありがとう。心強いよ」
ー夜ー
〜サバナクロー寮 レオナの部屋〜
コンコン(扉をノックした音)
レオナ「誰だ?」
ジャック「俺です。ジャックです」
レオナ「…入れ」
ジャック「失礼します」(入った)
レオナ「こんな夜にどうした?ジャック。まさか、」
ジャック「いや、キャッチ・ザ・テイルには出ます!ただ、聞きたい事があって」
レオナ「聞きたい事?なんだ?」
ジャック「エメラの事です。エメラは何の為に呼ばれたんですか?本当の事を俺は聞きたい。友人の為にも」
レオナ「…お熱い友情だな。お前には話してやるよ、ジャック。ただし、聞いたらその内容を誰にも言うな。エメラにもな」
ジャック「⁈…分かりました」
レオナ「俺の里帰りはタマーシュナ・ムイナだけではなく、見合いの事で呼び出されたんだ」
ジャック「見合い?てことは、レオナ先輩、誰かと婚約するんですか?」
レオナ「そのままだとな。俺はどこぞの馬の骨と婚約したくねぇよ。だから、こっちから婚約者候補を出す。それがエメラだ」
ジャック「なるほど、事情は分かりました。でも、エメラの気持ちを聞かないと、」
レオナ「俺は!ッ…エメラを手放したくねぇ。だから、こうして外堀を埋めてるんだ」
ジャック「でも、」
レオナ「あいつは俺を想ってくれてる。だが、同時に遠慮もしてる。だから、囲い込んで俺の気持ちを分からせる。…答えになったか?ジャック」
ジャック「!…はい。レオナ先輩はレオナ先輩なりにエメラを想っていたんですね」
レオナ「…初めてだったんだ」
ジャック「え?」
レオナ「俺が本気で好きになったのはあいつが初めてだったんだ。だからこそ、側におきたいんだ…」
ジャック「…分かりました。エメラ達には内緒にします」
レオナ「ああ。頼む、ジャック」
ー同時刻ー
〜ハーツラビュル寮 談話室〜
エース「ケイト先輩。エメラ、今日どうしたんすか?」
デュース「なんか今日は手紙をもらった後、暗かったんです。ダイヤモンド先輩、何か知りませんか?」
ケイト「あ〜、あれね…。詳しく言えないけど、恐らく家族の事だよ」
トレイ「家族?てことは、身内に何かあったのか?」
ケイト「いや、ある意味違うと思う。…まぁ、間違いない事は家の諸事情はエメラちゃんにとって辛い事だと思うよ」
〜ハーツラビュル寮 エメラの部屋〜
エメラ(手紙を開けた)「ッ!…」(読んだ)
“エメラへ、貴女の婚約が決まったわ。とても立派な次期侯爵様よ。一週間後にお見合いをするから学園を退学して帰って来なさい エメラの母より”
エメラ「ッ…(手紙をくしゃっとした)…嫌だよ…。そんなの、無茶苦茶すぎる…」
ー次の日 昼ー
〜教室〜
エース、デュース「た、退学〜⁈」
エメラ「シー!🤫」
エース、デュース(咄嗟に口を塞いだ)
グリム「なんでそうなったんだゾ?」
エメラ「…家からの呼び出しって所かな。色々あって…。レオナ先輩の用事が終わったら、もう皆に会えないかな…」
ユウ「そんな…」
デュース「なんとかならないのか?」
エメラ「…したいけど、出来ないよ。私が家から絶縁されない限り無理よ」
エース「マジか〜。エメラの家ってなんか複雑なんだな」
エメラ「まぁね」
ラギー「…」(教室の扉の前辺りで聞き耳を立ててその場を去った)
〜廊下〜
レオナ「…ラギーか。どうした?」
ラギー「レオナさんの読み通りッス。あの子、レオナさんの用事終わったら自主退学&実家に帰るそうッス」
レオナ「そうか」(尚更、手を打たないとな…)
ラギー「レオナさん」
レオナ「なんだ?」
ラギー「なんでそんなにあの子に気を使うんスか?」
レオナ「…それは俺の為だからだ」
ラギー「?」
レオナ「分からなくて当たり前だ。まぁ、気にすんな。引き続き頼むぞ、ラギー」
ラギー「了解ッス」
レオナ(さて、どう外堀を埋めようか…)
ータマーシュナ・ムイナ 当日ー
〜鏡の間〜
皆が集まり鏡を通して夕焼けの草原に移動した
〜夕焼けの草原 暁光の都〜
エメラ「ここが夕焼けの草原…」(レオナ先輩の生まれ故郷…)
レオナ「ここは夕焼けの草原、暁光の都だ。どうだ?エメラ。来た感想は」
エメラ「う〜ん、豊かそうには見えるけど…ここだけ見ればそう感じるって所ですかね」
リリア「どういう事じゃ?エメラ」
エメラ「ラギー先輩から聞いたんです。彼もレオナ先輩と同じ国出身ですが、生活と環境が天と地のほどに違う事を。だから、正直豊かと断言は出来ないという事です」
レオナ「!…は!上出来な感想だ」
エメラ「え?あ、ありがとう、ございます?」
数分後にジャックが倒れた
エメラ「ジャックくん、大丈夫⁈多分熱中症だ。早く日陰と水分補給、体を少し冷やさないと…」(応急処置し始めた)
???「良い判断と行動ですね、お嬢さん」
エメラ「え、わ⁈」(え、誰⁈)
レオナ「⁈テメェは…」
エメラ「え…?」(レオナ先輩の知り合い…?)
???がジャックを日陰に運び、応急処置を完璧にした
???「貴女様のおかげで応急処置を素早く出来ました。感謝します」
エメラ「い、いえ」
ヴィル「…レオナ、この方は誰なの?知り合いみたいだけど」
レオナ「はぁ…コイツはこの国の王族に仕える侍従長だ」
キファジ「キファジと申します。レオナ様のご学友の皆様、お見知りおきを」
ヴィル「初めまして、アタシはヴィル・シェーンハイトと申します」
キファジ「もちろん存じ上げております。高名なモデルの貴方に御来訪いただき光栄です」
リリア「わしはリリアじゃ。茨の谷から参った。世話になるぞ」
グリム「オレ様はグリムだ!」
ユウ「初めまして、ユウです」
キファジ「ほほう。なかなかに礼儀正しい。こちらこそよろしくお願いします。そして、お嬢さんは、」
エメラ(スカートの先を少し持って、お姫様みたいなお辞儀した)「お初目にかかります、キファジ様。私はエメラ・スカーレットと申します。以後お見知りおきを」
ヴィル、リリア、グリム、ユウ「⁈」(エメラのお辞儀に驚いてる)
キファジ「⁈(すぐ冷静になった)…ほほう。貴女様はとても利口な方ですね。その様子を見る限り育ちも貴族の方でしょうか?」
エメラ「はい。私はスカーレット一族というしがない貴族です。聞いた事ないのは当たり前です。貴族でもそんな功績を残していませんので…」
キファジ「いえ、一族がたとえそうでも、貴女様のご友人の対処、私に向けたとても丁寧な挨拶、とても素晴らしかったですよ」
エメラ「!…お褒めの言葉、ありがとうございます」
キファジ「!まさか、レオナ様。この方が、」
レオナ「ああ(エメラの肩を抱き寄せた)コイツが俺の婚約者候補だ」
ヴィル、リリア、グリム、ユウ「え、え〜⁈」
グリム「そ、そうなのか⁈エメラ」
エメラ「う、うん」(絶対これレオナ先輩に合わせないとダメなやつ〜!)
キファジ「なんと⁈レオナ様、いつの間に」
レオナ「コイツは事情があってうちの学園に通っていたんだ。まぁ、その経緯もあって俺とエメラは恋人同士だ。だから見合いは無しにしてもらう」
キファジ「…分かりました。しかし、後でファレナ様に連絡とエメラ様にはファレナ様とその奥方様にあってもらいます」
エメラ「ッ…はい、分かりました」
その後、ジャックが目覚め、サンセット・ヴィラホテルに移動した
〜夕焼けの草原 サンセット・ヴィラ〜
カリムと合流し、百獣の装束に皆着替えた
エメラ(これがレオナ先輩の故郷の衣装…。流石にライオンのお面みたいなのは付けないか。でも、久しぶりに髪を下ろせて、髪を結ぶリボンまで用意してくれてありがたい)
レオナ「どうだ?エメラ。着心地は」
エメラ「この生地、意外にも涼しく着心地いいです。私の故郷にはあまりない感じが新鮮です」
レオナ「そうか」
エメラ「レオナ先、コホン。レオナさんの衣装もとても素敵です」
レオナ「ありがとな」
エメラ「あの、あとで話す時間ありますか?」(小声)
レオナ「ああ。今は出来ないが夜に話せる。大体は予想がつくからな」(小声)
エメラ「では、その時、お願いします」(小声)
その後、皆で観光し始めた
〜夕焼けの草原 マーケット〜
レオナ「エメラはどうする?」
エメラ「では、皆さんと同じミックスジュースで」
キファジ「では、ミックスジュースを7つですね」
キファジは注文し、ミックスジュースを持って来た
キファジ「お待たせいたしました、皆さま」
カリム「なあなあ、皆で乾杯しようぜ!」
リリア「うむ、そうじゃな♪ついでに集合写真も撮らんか?」
ヴィル「アタシの写真は安くないわ…と言いたい所だけど、ちょうどルークに写真を送ってと言われていたの。いいわよ。それじゃあ…」
皆「乾杯!!!」
パシャ(写真を撮ったカメラの音)
レオナが先に飲んだ
ヴィル「アンタって、本当情緒のない男ね」
エメラ「あははは💧」
キファジ「エメラ様」
エメラ「はい」
キファジ「少しこちらへ」(少しだけレオナ達から離れた)
エメラ「?はい」(同じように離れた)
キファジ「レオナ様に何かされたのではないですか?」
エメラ「え?なんの事でしょうか?」
キファジ「レオナ様の事です。きっと弱音を握られたとか、」
エメラ「ッ!違います!!」
キファジ「⁈」
エメラ「あの人はそんな理由で私をここに連れて来たんじゃないんです!確かに婚約者候補として連れてかれたのは驚きましたが、彼はきっと本当に愛する人がいるからこそ一時的に私を仮の婚約者にして連れてきたと思います」
キファジ「ただ見合いが嫌だからという考えはあったのでは?」
エメラ「そうかもしれません。でも、私は構いません。これがきっとレオナ先輩への最後の恩返しかもしれません。だから、キファジ様はお気になさらず」
キファジ「…」(エメラの言葉に驚いて言葉を失っている)
レオナ「エメラ」
エメラ「あ、はい」(レオナに近寄った)
レオナ「急に離れんな」
エメラ「すみません」
レオナ「キファジに何を言われたか知らないが、気にするな。一旦お前はヴィル達といろ」
エメラ「はい」
レオナとエメラは入れ替わるかのようにキファジの近くにレオナが行った
レオナ「キファジ。エメラに何を言った?」
キファジ「いえ、単なる世間話を」
レオナ「そうか。だけど、今あいつを外堀に埋めてる最中なんだ。恋する王子の邪魔はするなよ?」
キファジ「!」
エメラ「レオナさん?」
レオナ「分かった。今行く」(エメラの所に戻った)
キファジ「…」(まさかレオナ様に恋とは…)
皆はお土産の屋台の前に着いた
エメラ「これってレオナさん達が付けてるお面ですか?」
レオナ「ああ」
エメラ「…」(仮面を眺めた)
レオナ「欲しいのか?」
エメラ「いえ!あ、こっちのガラス玉のアクセサリーとか綺麗…」(話を逸らした)
レオナ「…」
ー数分後ー
キファジ「そろそろお時間ですね。あちらにチャーターバスが用意しています。行きましょう」
〜夕焼けの草原 暁光の都〜
レオナ「…エメラ」
エメラ「はい?」
レオナは咄嗟にエメラルドの宝石のネックレスをエメラにつけてあげ、ライオンの仮面を渡した
エメラ「え、え?」
カリム「どうした?エメラ」
ヴィル「乗るわよ」
エメラ「あ、はい!💦」
レオナ「エメラ、手を」(手を出し、エスコートした)
エメラ「あ、ありがとうございます…///」(手をとり、バスに乗った)
キファジ「…」
皆がバスに乗った後、しばらくしてバスがパンクした
エメラ「きゃっ⁈な、何⁈」
レオナ「大丈夫か?エメラ」(エメラを支えてた)
エメラ「は、はい。ありがとうございます、レオナさん」
レオナ「ああ」
その後、カリムがバスを買い、皆一旦降りた
レオナ「お前ら、少しばかり歩いてもらうぞ。目的地は王宮だ」
エメラ「王宮…」(レオナ先輩の家…)
皆で王宮まで歩いた
〜夕焼けの草原 王宮〜
エメラ(ここがレオナ先輩の住んでる家。石造りは環境もあるけど、しっかり城壁としてされてるんだ)
???「レオナおじたーん!」
レオナ「げっ…」
皆(エメラ以外)「おじたん…?」
エメラ「あ!チェカくん!久しぶりだね。マジフト以来かな?」
チェカ「あ、おねえたんもいたんだ!久しぶり!」
ヴィル「エメラ、この子を知ってるの?」
エメラ「はい。少し前に会った事あるんです」(ある意味それで男装バレちゃったけど…💧)
キファジ「こちらのお方は、第一王子 ファレナ様のご子息、チェカ様です」
ヴィル「お兄さんのお子さん?つまりこの子はアンタの…」
レオナ「甥だ」
数分後、チェカは近衛兵に連れられた。その後、レオナが車を運転する事に決まった。
エメラ(てことは、まだ定員オーバーだから私がここに残らないと…)
エメラは少しその場を離れた
カリム「あれ?エメラはどこ行った?」
ヴィル「確かにいないわ」
リリア「まさかはぐれたのか⁈」
レオナ「いや、それはない。ただ…遠慮したのかもな」
グリム「ふな?どういう事なんだゾ?」
レオナ「恐らく、これで定員オーバーだと判断したからエメラは王宮のどっかに行ったんだろう」
ユウ「そんな…」
レオナ「安心しろ。エメラにはあいつが付いてるからな。俺も後で連絡する。とりあえずエレファントレガシーに行くぞ」
レオナ達はエレファントレガシーに行った。一方エメラは…
〜王宮 廊下〜
エメラ「へー。中はこんな感じなんだ…」(やっぱり中が涼しいのは石造りの効果ね。凄い…)
キファジ「エメラ様」
エメラ「きゃっ⁈…なんだ、キファジさんか」
キファジ「すみません、驚かすつもりはなかったのですが、」
エメラ「分かってます。大丈夫です。こちらこそ、勝手に中に入ってすいません」
キファジ「いえ、正直好都合です」
エメラ「え?」
キファジ「レオナ様には申し訳ありませんが、エメラ様には先にファレナ様と奥方様に会っていただきます」
エメラ「え、え〜⁈会うのは分かっていましたが、レオナさん無しで⁈それっていいのですか⁈」
キファジ「本来はよろしくありませんが、エメラ様がレオナ様に何か吹き込まれて会わせるよりまだマシです。全く、どうしてあんな風に育ったのか…」
エメラ(私の信用は無し、か…。まぁ、普通そうか。この人はレオナ先輩の内心を知らないからそう言えるんだ)
キファジ「それにレオナ様はお人が悪い。このような清らかな女性を野放しにして」
エメラ「それは違います」
キファジ「え?」
エメラ「彼はそんな事しません。彼は私が定員オーバーだと知って、貴方を私の付き人として一時的にさせた。貴方を信頼してるからこそ、レオナさんは頼んだんです。なので、そのお言葉を撤回してください!」
キファジ「!」
エメラ「それにレオナさんは私の事、ほとんどお見通しなんです。今日のエスコートや気遣いだけではなく、学園でも私が体調が悪く無理してるのを見抜いて介抱してくれたり、彼は本当に親切な方です」
キファジ「…何かあるとは考えなかったのですか?」
エメラ「考えました。でも、やるからには最後までやり通します。それに私がレオナ先輩に恩返し出来るのは最後ですから」
キファジ「…」(恩返し…?)
〜夕焼けの草原 玉座の間〜
エメラ(ここが玉座の間…)
キファジ「ファレナ様、奥方様。お連れしました」
ファレナ「ああ、ありがとう。キファジ」
エメラ(あの人がレオナ先輩のお兄さん…。似てるけど、雰囲気が違う。この人は穏やかそう…)「…お初目にかかります。婚約者候補として参りました。エメラ・スカーレットと申します」(お姫様みたいなお辞儀した)
ファレナ「自己紹介ありがとう。肩の力を抜いていいよ。キファジ。すまないが、席を外してくれ」
キファジ「かしこまりました」(部屋から出た)
エメラ「…」
ファレナ「そんな固くならなくていいよ。私は君に聞きたい事があるんだ」
エメラ(聞きたい事…?)「…なんでしょうか?」
ファレナ「2つ聞きたいんだ。まずは君はこの国はどう思う?素直な意見を聞きたい」
エメラ(なんの意図があるんだろう…)「…そうですね。豊かとは言い切れないです」
ファレナ「…どうして、そう思うんだい?」
エメラ「私はとある2人の方にこの国での暮らしを聞きました。1人はとても有意義な生活でもう1人は食べ物や水を手に入れるのはとても難しい環境。自然を保つ為のこの国の考え、行動はとても素晴らしい。でも、難しいかもしれませんが、それでも命は平等として食べ物に苦しんでる人達を救う為の政策を考えることを私は推薦いたします」
ファレナ「…そうか。では、2つ目の質問。君はレオナをどう思っているの?」
エメラ「え?」
ファレナ「私は思うんだ。心から愛する人を見つけて欲しいと。私もそうして幸せになり、チェカも生まれた。政略結婚は王族での決まりみたいなものだけど、レオナ自身、好きな人いるなら、その人もレオナを思っているのなら、レオナの力に少しでもなりたいんだ…」
エメラ(…そっか。長年、すれ違いながらも、この人はずっとレオナ先輩を思っていたんだ…)「…私は心からレオナさんを慕っています。けど、気持ちを打ち明ける気はございません」
ファレナ「⁈ど、どうしてだい?」
エメラ「私は胸が痛いほど、レオナさんが好きです。だけど、私は貴族の1人として政略結婚をされました。タマーシュナ・ムイナが終わったら、即退学と婚約。それに立場があります。彼はこの国の第二王子。私はしがない貴族、男爵令嬢です。立場によって、レオナさんやファレナ様、皆様を困らせたくない…。だから、」
ファレナ「では、聞こう。君の本当の気持ちは?」
エメラ「え…?」
ファレナ「君が本当に思っているレオナの事を話して欲しい」
エメラ「私は、私は…」
{エメラの回想}
〜植物園〜
レオナ「お前、また自分の気持ちを抑えたな」
エメラ「あははは💧すいません…」
レオナ「…どうしてそうなったんだ?」
エメラ「…私は欲しい物があっても両親は何もしてくれなかった。いつも、いつも兄ばっかり。だからでしょうか。自分の意思を言っても誰も聞いてくれないって…」
レオナ「…」(エメラの頭に手を添えて、自身の胸辺りにエメラを引き寄せた)
エメラ「!…レオナ先輩?」
レオナ「お前の我儘は俺がちゃんと聞く。これからは俺の前では必ず自分の意見を言え。絶対だ」
エメラ「え、え⁈なんでですか!」
レオナ「お前の為だ。…まだ他の奴らの前では自分の意見を言えないんだろ?」
エメラ「はい…」
レオナ「なら、1番お前が素でいられるのは俺のところだろ?素でいられるなら自分の意見を言いやすいだろ?だから、俺で慣れていけばお前にとっていいだろう。んじゃ、さっそく練習だ」
エメラ「え⁈今からですか⁈」
レオナ「ああ、そうだ。ほら、言ってみろ」
エメラ「わ、笑わないでくださいよ?///」(少し照れてる)
レオナ「ああ」
エメラ「で、出来れば、その、レオナ先輩と、お、お昼寝、したい、です…///」(顔を真っ赤にさせて顔を俯かせた)
レオナ「…クッ、クハハハハ!!」
エメラ「あ〜!笑わないでって言ったのに〜!///」
レオナ「ああ、すまないな。どんなお願いかと思ったら予想以上の可愛い素直なお願いで笑っちまった」
エメラ「も〜!///」
レオナ「…ふっ、その願い、叶えてやるよ」
エメラ「え、いいんですか⁈」
レオナ「ほら、隣来い」(もう寝転がってる)
エメラ「あ、はい」
2人でゆっくりお昼寝をした
{回想終了}
エメラ(言わなきゃ、自分の気持ちを言わなきゃ…!)「わ、私は!レオナ先輩ともっと一緒にいたい!もっと彼を支えたい!誰にも取られたくない。独占欲だって分かってる!権利もない事も分かってる!けど、政略結婚したくない。レオナ先輩と離れたくない…グスッ…」(涙が溢れてきた)
奥方「あらあら」(エメラに近寄り、ハンカチを渡し、慰めてあげた)
ファレナ「…では、どうすれば、君はレオナと一緒にいられる?」
エメラ「…完全に家族と絶縁しないとダメです…」
奥方「そんな!」
ファレナ「君はそれで良いのかい?」
エメラ「…愛する人と共に未来を歩けるなら、絶縁も承知の上です!」
ファレナ「!…そうか。君に会えて、そして話せて良かった。ありがとう」
エメラ「い、いえ💦」
ファレナ(時計を見た)「もうそろそろレオナ達がホテルに帰るだろう。キファジに送って貰いなさい」
エメラ「は、はい!」
その後、エメラはキファジにより、サンセット・ヴィラホテルに送って貰った
〜夕焼けの草原 サンセット・ヴィラ〜
エメラ「わざわざありがとうございます。キファジさん」
キファジ「いえ、これも務めです。では、私は王宮に戻るので失礼します」(行った)
エメラ「ふぅ…」
レオナ「戻ったか、エメラ」
エメラ「はい、レオナ先輩。ただいま戻りました」
レオナ「ああ。今、あいつらはバーベキュー会場で飯を食ってる。エメラも行くぞ」
エメラ「はい」
レオナ「ん」(手を差し伸べた)
エメラ「え?」
レオナ「エスコート」
エメラ「あ、はい」(レオナの手を取り、バーベキュー会場へ向かった)
〜サンセット・ヴィラ バーベキュー会場〜
カリム「お!エメラ、おかえり!」
リリア「おかえり、エメラ」
ヴィル「おかえりなさい、エメラ」
グリム「おかえりなんだゾ!」
ユウ「おかえり」
エメラ「ただいまです。皆さん。ん〜、良い匂い」
リリア「ほれほれ、座って一緒に食べようぞ」
エメラ「はい」
皆でバーベキューをして食べた
エメラ「美味しかった」
レオナ「楽しめたか?エメラ」
エメラ「はい!とても楽しめました」
レオナ「それは良かった」
エメラ「…レオナ先輩、夜…」
レオナ「ああ、分かってる。一回部屋でゆっくり休め。後で俺の泊まってる部屋に来い」
エメラ「はい」(部屋に行った)
ヴィル「…エメラに変な事しないでよ」
レオナ「するわけねぇだろ、たく」
ー夜ー
〜夕焼けの草原 サンセット・ヴィラ〜
コンコン(部屋の扉をノックした音)
エメラ「レオナ先輩。来ました」
レオナ「ああ、鍵は開いてる。入れ」
エメラ(扉を開け、入った)「失礼します」(扉を閉めた)
レオナ「大体は予想は出来るが、話してみろ」
エメラ「…どうして私を婚約者候補にしたんですか?」
レオナ「…お前を手に入れる為と言ったら、お前は俺を信じてくれるか?それとも侮辱か?」
エメラ「え…?嘘…」
レオナ「嘘じゃねぇ。俺はお前に惚れてるんだよ。お前も俺に惚れてんだろ?」
エメラ「…あは、よくそんな自惚れますね」
レオナ「お前を見てたら分かる」
エメラ「え?」
レオナ「お前は見かけたらいつも俺を目で追うだろ?無意識だったら悪いな。でも、一緒なんだ。俺もお前を目で追いかけていた」
エメラ「!」(そう言えば、よく目が合うって思った…。じゃあ、本当に?本当に私の事を…?)
レオナ「信じてくれるか?」
エメラ「…はい。でも、私…」
レオナ「知ってる。お前には婚約者がいる」
エメラ「⁈ど、どうしてそれを、」
レオナ「俺の情報網を舐めるなよ?しかも、まさか退学まで余儀なくされていたとはなぁ」
エメラ「ッ…」
レオナ「…お前はどうしたい?」
エメラ「え…?」
レオナ「俺を選ばなければ、お前は学園を退学、好きじゃない奴と婚約する。んで、俺を選べば、お前は婚約者として窮屈で命を狙われるかもしれねぇ。けど、俺が守ってやる。さぁ、お前はどうしたい?」
エメラ「え…(私は、私は…)…レオナ先輩と一緒にいたい、支えたい、貴方を独り占めしたい…。ずっと側に、貴方の側に、いたい、です…。うっ、う…」(気持ちが溢れて床にぺたんと腰を抜かすかのように座り、泣き始めた)
レオナ「…」(しゃがみエメラを抱きしめた)
エメラ「!…レオナ、先輩?」
レオナ「やっと、気持ちを聞けた。…好きだ、エメラ。お前が俺の理解者としていてくれた日からずっと好きだ。…愛してる」
エメラ「!…私も好きです。レオナ先輩の事が。私もその日からずっと貴方を思っていました。本当にありがとう、ございます…」
レオナ「ははっ、どういたしまして」(エメラの頭を撫でた)
エメラ「…でも、私、絶縁しないとレオナ先輩とは、」
レオナ「それは兄貴に任せろ。今着々とお前と俺の婚約式の為にやってる」
エメラ「え、え⁈行動早くないですか⁈」
レオナ「お前、俺がいない間、キファジに連れられ、兄貴と義姉に会っただろ」
エメラ「あ、はい。…え、なんでその事を、」
レオナ「兄貴本人から電話で聞いた。兄貴も義姉もお前の事を気に入ったって。だから、どんな手を使ってもお前を捕まえる気だ。俺もそうだ」
エメラ「わお、ある意味逃げ道がない…」
レオナ「まぁ、そう言うな(立った)立てるか?少し外に出る」(手を差し伸べた)
エメラ「はい。(手をとって立った)え、外ですか?」
レオナ「ああ(そのままエメラをテラスに連れて来た)空を見ろ」
エメラ「あ、はい(空を見た)わ〜、綺麗〜」
レオナ「この国はよく星が見えるからな。…少しは落ち着いたか?」
エメラ「はい。…レオナ先輩」
レオナ「ん?」
エメラ「私、貴方にずっと付いていきます。たとえ、貴方の周りが敵になっても、貴方がこの国を出て行くことになっても、貴方と共に未来を歩けるなら、絶縁だってへっちゃらです!」
レオナ「!…クハ!大したプロポーズだな」
エメラ「え?あ!私、そんなつもりじゃ。今の決意表明というか、なんというか💦」
レオナ(エメラの頬にキスした)「ありがとな、エメラ」
エメラ「ッ〜、ず、ずるい!///」
ー翌日 キャッチ・ザ・テイル当日ー
エメラ「ジャックくん、体は大丈夫?」
ジャック「ああ、大丈夫だ。エメラも平気か?」
エメラ「うん、大丈夫だよ」
レオナ「エメラ、お前は俺の車の隣に乗れ。ジャックもだ」
ジャック「え、いいんすか⁈」
レオナ「あぁ?なんかあんのか?」
ジャック「い、いえ」
エメラ「分かりました」
エメラとジャックはレオナの車に乗って発車した
ジャック「本当に良かったんですか?」
レオナ「何がだ?ジャック」
ジャック「だって、俺は先輩とエメラの邪魔かと思って…」
エメラ「え⁈ジャックくん、知ってたの⁈」
ジャック「ああ」
レオナ「理由を聞かせろとしつこかったが、ジャックには話しておいた。ジャック、お前を乗せたのは平等にしたんだ」
ジャック「平等?」
レオナ「あいつらは俺の車に乗ったからな。エメラは定員オーバーで乗せられなかった。確かにジャックの考え通りにすれば、俺とエメラは2人きりなのは間違いない。でも、一回も乗ってないジャックを乗せないのは不公平だろ?」
ジャック「!さ、流石です!レオナ先輩」
エメラ「風が気持ちいい〜。動物達もたくさん」
レオナ「もうすぐ着くぞ」
〜夕焼けの草原 闘技場〜
エメラ「ここが闘技場、キャッチ・ザ・テイルをする場所なんですね」
レオナ「ああ」
レオナ「エメラは俺について来い」
エメラ「あ、はい…?」
エメラはレオナに連れられた。場所は1番大きな席の隣の席
エメラ「え?なんか、皆さんの席より大きいような…」
レオナ「そりゃ俺の婚約者様の席だからな。俺と同じくらいの席じゃねぇとな」
エメラ「う、嘘〜⁈」
レオナ(手を差し伸べた)「ほら、お手をどうぞ。お姫様」
エメラ「う〜!…はい、レオナさん」(手をとり、椅子に座った。その後にレオナは1番大きな席に座った)
観客A「え、レオナ様の隣にいるの誰?」
観客B「まさかレオナ様の婚約者様⁈」
観客C「嘘⁈人間なの⁈血筋はどうなるのかしら…」
エメラの事でコソコソし始めた
エメラ(う〜、いたたまれない…。そりゃ、分かるよ。私はレオナ先輩から見たら子供だもん。それに私は人間。そんなの覚悟しているんだから…)
レオナ「…」(エメラの手をそっと握った)
エメラ「!」(レオナの方を見た)
レオナ「安心しろ、前を向け。俺が守るって言ったろ」
エメラ「!…はい」(レオナに優しい微笑みしてから前を向いた)
数分後、ナイトレイブンチームの第一試合が終わった。その後、レオナはチームの元へ行った
エメラ「あの、キファジ様。すいませんながら、私もレオナさんとご同行します」(行った)
キファジ「あ、エメラ様!…行ってしまわれたか」
エメラ「皆さん、お疲れ様です!」
ジャック「あ、エメラ!いいのか?席にいなくて」
エメラ「皆の事が心配だもん。あ、そう言えば皆さん。飲み物たくさん持って来たので、どうぞ。ほら、ジャックくん、グリムくん、監督生さんも」
グリム「ふな!ありがとうなんだゾ!」
監督生「ありがとう」
エメラ「どういたしまして」
レオナ「エメラ、戻るぞ」
エメラ「あ、はい。では、皆さん。決勝戦で」
エメラはレオナと共に席に戻った
ジャック「…」(エメラはレオナ先輩と上手くいったのかな…?)
ー数時間後ー
決勝はナイトレイブンチームvs夕焼けチームになった
エメラ「レオナさん。作戦の指示を出す事に何も言わないですが、何故私を皆さんの所へ連れて来たのですか?」
レオナ「あそこで1人にするより、俺と一緒の方がいいだろ?」
エメラ「あ、はい」(それなんか、ずるい!///)
数分後、先鋒戦と中堅戦が終わり、いよいよ大将戦
エメラ「やっぱり…」
カリム「え?エメラも分かっていたのか?」
エメラ「はい。ですが、プライドのお高いヴィル先輩です。無鉄砲な事は言えませんでした…」
レオナ「安心しろ、エメラ」
エメラ「え?」
レオナ「負ける気はないからな」
エメラ「?…!まさか⁈」
レオナ「ああ、そのまさかだ」
皆(レオナ、エメラ以外)「?」
しばらくして、大将戦が開始された
エメラ「本当にやっちゃったよ〜、あの人…」
リリア「お主は分かっていたのか?」
エメラ「だって負ける気ないと言った時、なんか悪い考えが働いた顔だったんですよ。本っ当にずる賢いお方です」(でも、レオナ先輩の戦う姿を見れるのは正直嬉しい…)
ジャック「でも、良かったじゃないか。エメラ」
エメラ「え?」
ジャック「良いもの見れて良かったな」
エメラ「!うん!」
数分後、ナイトレイブンチームが優勝した
〜闘技場 バックヤード〜
エメラ「お疲れ様です、レオナさん」
レオナ「ああ」
エメラ「とても素晴らしい戦いでした。かっこよかったです」
レオナ「!…お前はそういう所だぞ…」(何故か顔を隠した)
エメラ「ん?」
ヴィル「無自覚のようね。あ、あとアンタ達2人がいない事で貴賓席が騒ぎになってるわよ?」
大会スタッフ「レオナ様がいないぞ⁈婚約者様もいない。どこに行かれたのだ?探せ!!」
大会スタッフが探し始めた
エメラ「嘘⁈私まで⁈」
すぐに反対からチェカが走って来た
チェカ「おじたん〜!優勝おめでとう〜!!」
レオナ「ゲッ、チェカ⁈」
エメラ「嘘⁈チェカくんまで⁈」
レオナ「チッ、仕方ねぇ」(エメラをお姫様抱っこして車の方へ逃げた)
エメラ「ちょっ、え、え〜⁈」
レオナ「しっかり掴まってろ。このまま車でバックレるぞ」
エメラ「は、はい〜!」(急にこれは怖いって〜!!)
レオナはエメラを車の隣の席に座らせた。その後すぐにカリム、ヴィル、リリアが乗って来た
エメラ「わ⁈先輩方!」
カリム「あははは!ついて来た!」
ヴィル「主役無しのパレードじゃ、ねぇ?」
リリア「レオナ抜きじゃ、優勝パレードになるまい」
エメラ「…ぷっあははは!確かに」
レオナ「お前らなぁ。舌を噛む前に口を閉じておけ」
車で逃げ始めた
エメラ「あ、晴れた」
レオナ(仮面を取り、投げようとした)
エメラ「!待って!投げないで!」
レオナ「あぁ?」
エメラ「いらないなら、ください」
レオナ「…分かった。ほらよ」(エメラに自分の仮面を渡した)
エメラ(受け取った)「ありがとうございます」
カリム「よかったな、エメラ」
エメラ「はい!」
レオナはカリム達をサンセット・ヴィラホテルに下ろして、エメラのみを連れて王宮へ車で向かった
エメラ「あの、レオナ先輩。何を、」
レオナ「兄貴と義姉がお前を連れて来いだとよ。だから、あいつらだけ下ろした。…着いたぞ」
〜夕焼けの草原 王宮〜
レオナとエメラは車から降りた
奥方「エメラちゃん!」(エメラに駆け寄った)
エメラ「奥方様!」
レオナ「義姉さん、兄貴は?」
奥方「なんか急な仕事が入ったらしいわよ。あ、それよりこれ!」(エメラに手紙を渡した)
エメラ(受け取った)「あ、はい。ありがとうございます」
奥方「開けてみて」
エメラ「え?あ、はい(封筒を開けて中身を見た)ッ!」
レオナ「どうした?エメラ」
エメラ「絶縁状…。私、スカーレット家から勘当された。しかも、正式に」
レオナ「⁈」
奥方「手紙もあるから見てみてね」(行った)
エメラ「…(手紙の方も見た)!これは…」
“エメラさんへ
突然の手紙をお許しください。
君の意見やレオナに対しての熱い思いを私は君を信じようと思いました。
君が話していた時に君の瞳の奥から強い思いの炎を感じました。
君ならこの国をより良い方へレオナと共に支えてくれる事とレオナを最後まで愛し、側にずっといてくれると信じます。
強引なやり方だけど、レオナにもエメラさんにも幸せになって欲しいから君には家族と完全絶縁させました。
いきなりで不安かもしれないけど、これからは私達が君の家族だ。寂しい思いをさせないつもりだ。学園もそのまま通って良い。
どうか、レオナを頼みます
ファレナより”
エメラ「うっ、う…」(嬉しくて涙が止まらない)
レオナ「…(エメラを抱きしめた)これで一緒になれるな」
エメラ「…はい。あ、返品交換出来ませんからね」
レオナ「は!こちとら逃がす気はねぇよ、お姫様」
《この後、私とレオナ先輩は輝く優しい夕日の光に照らされながら、口付けをし、私は好きな人と結ばれ、幸せになりました》
〜the end〜