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陽太の体調が良くなり退院出来た。自宅で2人ゆっくり休んでいた。
「ひな。おいで?」
「うん!」
「ふふ、」
「大好き。世界一愛してる。」
「俺もだよ。愛してる」
「ねぇ、」
陽太が俺の手を持ち……自分の腹に当ててさする
「赤ちゃん欲しいね。落ち着いてきたし……?」
「そーだね。」
いま言わないと後悔する気がした。口から早く吐き出して楽になりたかった。陽太を苦しめてでも俺は口から、体から溢れるような感覚を覚えた。
「……こっち来て座ってくれる?」
「え?うん。いいよ」
「大事な話があるんだ。落ち着いて聞いてね。」
「うん……」
「今、陽太のお腹には子宮がないんだ。手術して取ったんだよ、黙っててごめん、なさい。」
心からの、謝罪では無い。せめてもの、装飾品に過ぎない。、
「え、?え?、うそはやめてよ」
「でもさ、ヒートは来てるし」
「ヒートは変わらず来るんだって」
「笑えないよ?今日なんなそーゆー日だっけ?竜太朗くんってそんなこと言うタイプだっけ?……」
陽太は少し戸惑いつつも笑って俺に聞いてきたんだ。
「俺が笑えない冗談言ったこと…ある?」
涙が止まらない。こんなに苦しめたかった訳じゃない。俺だって苦しい。悲しいのに…
「ごめんなぁ」
口から出た精一杯の言葉。
「赤ちゃんできない?」
「…うん、」
「……」
陽太は泣き出した。俺の大好きなその瞳から大粒の涙が溢れ出てくる。
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」
やめてくれ、やめてよ、俺だって我慢してるのに
「ぼ゙ぐの゙ぜい゙で゙あ゙がぢゃ゙ん゙ゔめ゙な゙ぐでご゙め゙ん゙な゙ざい゙」
言われちゃった。言わせちゃった。ここで「俺のことは気にしないで、赤ちゃんが居なくてもお前が居れば十分だ」とか言えたらいいのに。いえなかった。最低だ。
「ゔわ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!゙」
陽太は叫ぶ。
「い゙や゙だ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙」
「泣かないでよ。養子を引き取るとかさ、子供はたくさん居るんだから…ね?」
「 僕゙だぢだ゙げの゙、゙僕゙だぢの゙血゙が゙繋゙が゙っ゙だ赤゙ぢゃ゙ん゙が゙い゙い゙の゙!゙!゙」
「だよな、」
よかった…そう言ってくれて。オレだって知らない人の子供は育てたくない。愛をあげられないしきっと辛くなるだけだと分かってる。俺も陽太も子供も。
その後もずっと陽太は泣いていた。泣き止まない。
「グスッ…」
「赤ちゃん…いない。できない、」
「そうだね。」
「ゔわ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ」
五月蝿い。
「あ゙がぢゃ゙ん゙!゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」
「い゙や゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ゔあ゙あ゙あ゙あ」
やめろ、叫ぶな。五月蝿い。俺だって…
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」
「五月蝿い!!やめろよ!叫ぶなよ!叫んだって泣いたって赤ちゃんは出来ないどうしようもないだろ?!お前だけ泣いてるんじゃねぇ!俺だってつらいよ?それでもがんばって耐えてるんだぞ!泣かないように!お前が不安にならないようにさぁ…!おれのきもちも考えてよ…」
言いすぎた。後悔先に立たずってこれのことかな。頼まれてもないのに勝手に俺が泣かないようにしてるだけなのに…八つ当たりもいいところだ。
陽太は驚いたような顔をして潤んだ瞳で俺を真っ直ぐ見つめた。そして部屋から出て行き、自室に籠った。
1週間経っても部屋から出てこない。毎日置いておくご飯は食べてるし俺が出かけているあいだや風呂に入ったりしている時に排泄、風呂、などを済ませている。いきていると分かっていても不安でしょうがなかった。
陽太と話し合ってから2週間と3日後。陽太が部屋から出てきた。最近は風呂に入れていなかったのか部屋と陽太からキツイ匂いがしてきた。部屋は綺麗に整っているがホコリが積もっていたところもある。
「ひな…」
「竜太朗くん。この間はごめんなさい。」
陽太が頭を下げ、俺に謝罪してきた。そして顔を上げて悲しい笑顔を向けてきた。
「俺のほうこそごめんな。陽太が1番辛いのにね。」
「辛くないよ!僕には竜太朗くんがいるから」
無理してる作り笑い。こんな顔させたくない。まあ、俺のせいでこんなに顔してんだけど。
「うん。ありがとう。一緒にお風呂入ろうか」
「わかった。一緒に入るの久しぶりだね」
着替えを持って一緒に風呂に入った。特に話さず静かな入浴にだった。
「髪の毛拭くよ、おいで」
目をぎゅっと瞑った陽太の髪を丁寧に拭いてあげる。そして諸々終わり話を始めた。
「なんで部屋に行ったの?」
「どこでもいいから1人になりたかった。でもホントのホントに1人は嫌だったから、、」
「そっかぁ、そうだよね。」
「じゃあさ、部屋で何してた?」
「おなかさわって沢山寝てた。でも辛くてすぐ辞めた。そのあとはずっとごめんなさいしてたの、りゅうくんごめんなさいって思ってたよ」
「俺はいいんだよ。いちばん辛いのは陽太なんだから。」
「うん。もう落ち着いたから大丈夫だよ」
「ありがとう。ごめんね」
「いーよ!それより2人で寝よ?」
「うん。」
俺は陽太をお姫様抱っこをしてベッドに連れていった。陽太はくすくすと小鳥のように笑い、幸せそうな顔をしていて俺は少し、少しだけ気が楽になった。
「陽太おやすみ」
「りゅうくんもおやすみ。ぎゅってしてねよぉうよ」
「もちろんいいよ」
俺は陽太を全身を使って抱きしめた。陽太はまた嬉しそうにして眠りについた。
_ふわぁっ…
朝焼けの太陽が空に顔を出した頃、俺の鼻腔をひとつの匂いが通り過ぎて言った。俺は直ぐに目を覚まし、陽太の方を確認する。少し火照った体で俺に縋り付き、体を絡まらせていた。
ヒートが来た、
少し安心した。陽太が1人の部屋でヒートが来てしまっていたらどうなってたことか…
俺のチンコは完勃ちしていた。当たり前と言えば当たり前だが、久しぶりに陽太と会えたのに、翌日の俺がこんなのじゃ最悪だろうなぁ…陽太申し訳ない。
「りゅうたろ、りゅうたろぉ…」
「ひな、起きて…薬飲も?」
「ん…からだあつい、」
「ヒート来てるから…ね?」
「ひぃときちゃったぁ…ちんちんむずむずする」
「起きて…!」
「むぅ…ん…」
やっと起きてくれた。薬を探しにリビングに行ったが…薬がどこにも見当たらない…薬箱に入っているのは空の制御剤の箱と…無くなったから買っておくようにと、書かれたメモ用紙。やらかした。今すぐに買いに行きたいけど昨日の今日だ。ひなたがしんぱいすぎる。どうしよう。一緒に買いに行く?いや陽太に負担がかかりすぎる。通販?そんな時間ないし、誰か頼る?頼れる人もいないし…詰み、かな。
そして…
「りゅうくん、ちんちん嫌なやつ!セックスしよ?」
「久しぶりだね」
「へへぇ…りゅうくんのちんちんも大きくなっちゃってるよ?はやく…はやくっ!」
「わかってるよ。」
俺たちは性欲に負け、朝からお盛んな朝を過ごしていた。事後、陽太に俺の服と精子の着いたティッシュとパンツを渡し(後者二つは陽太が欲しがった)薬を買いに出かけた。
近所の薬局から市販の薬を購入し帰ってきた。陽太に薬を渡したが…
陽太は受け取らなかった。
俺がどんなに強要しても飲まなかった。理由を聞くと
万が一薬の中に毒が入っていたら、?
と言っていた。いつもなら薬を飲むし、毒が入っているとか気にしない奴なのに、
この辺りから陽太はおかしくなってしまった。
数日後
「陽太、おはよ」
「おはよ。今日は昨日より大きくなってるといいよね」
「なにが?」
「え?あかちゃんのことだけど?」
「は?」
「え?だから、僕たちの赤ちゃんだってば」
「なにいってるんだ?」
自分が妊娠していると思い込むようになった。最初の方は可哀想だなと、思いそっとしておいたがそうもいかなくなってきた。
「じゃーん!マタニティマーク買ってきたよ!バッグに付けてバスに乗るとみんな譲ってくれるの。まわりの人みんな赤ちゃんを大切にしてくれてうれしいんだぁ〜!」
「は、?それ外してよ…」
「なんで?もしもの時役立つかもしれないじゃん!」
「違うんだよ…お前おかしいよ?」
「なんでそんなこと言うの?」
「赤ちゃんも悲しがってるよ?ねーあかちゃん?」
ぺたんこの腹を擦りながら俺と何も無い腹に喋りかけている。
「これ買ってきた!母子手帳とまだ早いけど赤ちゃん服!男女兼用だからどっちでもいいの!」
「男の子かなぁ、女の子かなぁ…たのしみだね!りゅうくん!」
「さぁ、どっちでも、もういいよ。」
「ひどいなぁ、2人の赤ちゃんなのに無感心すぎるよ?」
「2人の、な…」
母子手帳は病院でしかもらえない。陽太のスマホを見てみるとフリマアプリがインストールされていた。購入履歴なんて見なくてもこれで買ったんだろう。
「ご飯だぞ〜」
「はぁい…うっ」
「どうした!?」
「最近つわり酷くてさ、こーゆーキツイ匂いのはやめてくれる?なに?赤ちゃんがどうなってもいいの?」
「…だからっ!お前には…」
言わなくちゃ。お前には赤ちゃんは居ないって。なんで言えないんだろ…言葉にできないなら態度で示そう。
ガタッ。
ガチャ、ボスッ、ゴソゴソ。
俺は席をたちマタニティマークをバッグから外した。棚から母子手帳を取って破いて捨てる。
横から陽太が泣きながら止めてくるが俺より力がないから振り解き、構わず俺は破り捨てる。
2階へいきクローゼットを開ける。小さな服が3着入っている全身の力を込め、縦に引き裂く。そして捨てる。陽太は泣きながらゴミ箱から服を取り出し泣き叫ぶ。
「や゙め゙でよ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙」
「五月蝿い」
「なんで?そんなことするの!?赤ちゃんが可哀想じゃん!」
「そのペタンコの腹に何があるって言うんだよ!?なぁ?」
「違うの!こーゆー人もいるんだって!お腹の作り的に!」
「チッ」
俺は陽太を押し倒す。陽太は腹を庇いつつ倒れる。そして俺は陽太の腹を蹴った。
ドスッ、ドすっ、!
「赤ちゃんが死んじゃう!!やめて!!!竜太朗!」
「じん゙じ゙ゃ゙ゔよ゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」
「殺してやるよ!こんなもの!」
存在していない、殺すも何もないけど。
「い゙だい゙!゙や゙め゙でよ゙」
「殺してやる、殺す、潰してやる!」
陽太は泣き叫び、腹を庇おうとするが俺は一心不乱に陽太の腹を蹴り続ける。
俺は気づかず涙を流していた。罪悪感?違うな。なんだろう。なんでないちゃうんだろう。
「竜太朗くん…やめてください……」
そして陽太は気を失った。
目の周りが真っ赤に腫れ、鼻水を垂らし、髪の毛は乱れ服は鼻水と涙で濡れていた。
何が正しかったんだろう。ただ1つ言えるの俺の行動は正しくなかったってこと。陽太をこれ以上悲しませたくないから何も言わなかったのに結局1番悲しませる結末にしてしまったこと。あー難しい。
夜、陽太はベッドで目を覚ました。外は暗く、月の明かりが窓から差し込む。
カーテンを閉めて電気をつけた。
「ん…」
「起きたか…」
「!?あかちゃんは!?ねぇ!死んじゃったの!?」
「ガキなんか最初から居ないんだよ…」
「いたもん!僕のお腹の中でちゃんといたもん!」
「なんでわかるの?」
「だって病院にも行って紙もらったよ?」
「どうせ偽物だろ?目を覚ませよ」
「違うよ。あっちに置いてあるよ。取ってくる」
陽太はなんて可哀想な奴なんだ。そして、あんなに蹴った俺のことは一切怒らず、居ないあかちゃんのことを気にする。
「ほら!」
「は…?」
陽太が持ってきた紙…陽太のヒートが酷い時や辛そうな時によく行く産婦人科の名前がプリントされている。そこには
「あなたは、妊娠しています…、?」
思わず書いてあった文字を復唱してしまった。嘘だ。子宮は手術で取ったはずだ。医者にそう言われた。
「陽太には子宮がないはずだろ?」
「僕も不思議だったの、だからお腹の写真撮ったらね子宮があったんだよ!小さいけどちゃんと。先生に聞いたらごく稀に手術で少し残った跡から再生するんだって!すごいよね。きっと僕の気持ちが伝わったんだよ!」
「嘘だっ…、、」
俺はなんてことをしてしまったんだ、勝手な思い込みで自分の子を殺めてしまうなんて、あぁ、、なんて馬鹿なんだろう…、でもまだ死んだと確定したわけじゃない…
「ほんとだ、よっ…うぅ」
「どーした!?」
「お腹が痛い…」
「大丈夫か?トイレ行こう?」
「うん…」
嫌な予感がしていた。きっとこのあとまた陽太を泣かすんだろうな、。
ひなたがトイレから出てきた。
「どうだった?何ともなかった?」
「なんか、うんちじゃなくて赤い塊みたいなのがでてきた、、、なんなのあれ」
「あぁ、そっか、俺もわかんないや、明日産婦人科に行ってみよう、」
「うん!」
「もうねよう」
「わかった。おやすみりゅうくん」
「おやすみ」
死んだ。俺の子供が今流れた。明日産婦人科行くの嫌だなぁ…
翌日
「起きて!りゅうくん!病院いくよぉ」
「そうだった、行こっか」
「陽太、病院で大きな声出したらダメだよ?」
「わかった」
「何がってもダメだよ?」
「わかったって」
俺たちは支度を終えて車に乗った。陽太は俺が破いた母子手帳どうしようと心配していた。そして結局保険証だけ持って行くことにした。
「ほんとはねーちゃんと伝えたかったけどよく分からなくて嬉しくて、りゅうくんに伝わってたか分からないけどあかちゃん出来たんだよって…」
「うん」
車で移動中陽太はあかちゃんの話題を話している
「あかちゃんの服とか買ったりしてさ」
「お店で男が赤ちゃん服買ってるの少し恥ずかしかったけどねーあかちゃんの為ならへいきなの」
「あかちゃんってすごいよね僕の気持ち変えてくれる」
「すごいな」
話しているうちに病院に着いた。
「たちばなひなたです。」
「はい。たちばなさんですね〜、今日は定期検診の日ではありませんがどうしたんですか?」
「昨日お腹痛くなっちゃって心配だから来ました」
「わかりましたーおかけになってお待ちください。」
慣れているのだろうか。陽太がスラスラと受付を終わらせている。
そして数分後
「たちばなさーん!お越くださーい」
「呼ばれた!行こ!あかちゃん平気かなぁ」
「…」
ドアを開け中にはいる。何やらたくさんの医療関係機器があり、病院特有の匂いが流れている。
陽太はベッドに寝かされ少し雑談を交え診察してくれた。
「あれっ?立花さんの旦那さん?」
「そーです!りゅうくんです。」
「はじめまして、陽太の夫の立花竜太朗です。よろしくお願いします」
「はい、よろしくね〜」
「今日は昨日腹痛がしたとかで…」
「はい、昨日陽太が腹痛を訴えトイレに行ったら赤い塊が出たらしく…」
「あらぁ、ん〜なんとも言えないけどまだ初期だったからねぇ…みてみよっか」
「お腹痛くなる前はなにしていましたか?」
「んーとねー覚えてない!」
「こ、転んで体を軽く打ってしまい、気を失っていました。、」
「そうなんですねぇ、、分かりました」
「じゃ、エコーで見て見ますね」
先生が陽太のお腹にジェルを塗り機械で見ている。
そして……
「んー、あかちゃん見当たりませんね…多分昨日のその赤い塊があかちゃんだったのかな、、流れちゃったと思います。」
「そうですか…」
「え?、先生それって僕のあかちゃん死んじゃったってこと?」
「そうなりますね、、まあ、元から子宮が不完全だったので余計流れやすかったのかなと思います。」
「嘘だ!!!」
「ひな、大きな声出さないって約束してたよね」
「っ…」
「帰ろう」
「ありがとうございました。」
「…」
「こんな事言うのもあれですけど、子宮はまだ残ってますのであかちゃん出来ないわけじゃないですよ。ただまた流れる可能性は高いです。」
「分かりました。失礼します」
陽太は下を向き鼻をすすりながら歩いていた。手続きを終わらせ車に戻ると陽太は大声で泣き出した
「あかちゃんいたのに、いなくなっちゃったぁあ」
「そーだな」
「僕が転んだからだ!僕のせいで…死んじゃった」
「誰も悪くないよ、責めないで」
「うわああああああああん」
「…」
家に帰ってくると陽太は花を買ってくると出かけて行った。俺に出来る罪滅ぼしは決まっている。
ペンと紙を出し、文字を書く。そして4つ折りにし表に「遺書」と書き記した。
引き出しから睡眠薬を取り出し一気に飲みこむ。数十分経つと意識が朦朧としてくる。
薬を飲んで1時間後、俺は
死んだ。
ぼくが家に帰るとおかえりがなくって不思議だった。
すぐに、ベッドで横になってるりゅうくんに触ると冷たくなっていた。同時におれも寒気がしてくる。怖い。呼吸していない、心音もしないりゅうくんを見て泣き崩れる。そして直ぐ救急車を呼んだ。
そのあいだずっとりゅうくんのことを抱きしめていた。暖かくなれば死なない?あかちゃんみたいにまた思いが伝わればいい?そんなファンタスティックなこと考えてしまった。
救急車が来て家の中に救急隊員の人が入ってきた。そして直ぐに言った
「こりゃだめっぽいなぁ」
僕は怒った
「そんな事いうな!!たすけろ!たすけろ!ダメじゃない!やらないとわかんない!世の中不思議なんだぞ!無いものが少しあるだけで変わるんだ!だからまだ大丈夫かも…知れないでしょ…」
「あー、ソウデスネ。不適切な発言をしていマイモウシワケアリマセンデシタ〜」
「とりあえず病院送りますね〜」
僕もりゅうくんと一緒に救急車に乗って病院に着いた。そして、病室に案内されてすぐ言われた、
「3時52分。立花竜太朗、死去されました」
「もう自宅にいる時から既に…」
「嘘だ嘘だ嘘だ」
「さっきまで一緒に歩いてたんだぞ!喋って、いたし、、」
_病院で大きな声出さないって約束してたよね?_
りゅうくんの声が俺の頭の中に聞こえてくる。そうだった。大きな声ダメなんだ。
僕は紙とか書いて家に帰った。そしてりゅうくんいたベッドに座った。ひとつの紙を見つけた。
「遺書…」
りゅうくんが書いたものだ。近くに睡眠薬が置いてあった。これで自殺したのかな…
紙を開いて読み始める
_陽太へ。
ごめん。あかちゃんが死んじゃっておれも死んじゃってごめんね。1人にするの不安だけど、それよりも自分がこの世にいる方が嫌になってしまいました。最後まで自分勝手でごめんね。
本当は陽太が転んであかちゃん流れた訳ではないんです。俺の勘違いで陽太を蹴ったからなんです。だから陽太は自分を責めないでください。そして竜太朗は、悪いヤツで死んでよかったと思ってください。
陽太は可愛くて、優しくて、でも人のために怒ったり出来る人です。俺なんかよりいい人がいると思います。そしたら俺じゃない人とあかちゃんを作ってください。幸せになってください。陽太がいっぱい幸せになってくれないと俺は悲しいです。
最後に俺と番に、なって結婚してくれてありがとう。あかちゃんと先にあっちへ行っています。陽太が一生一緒に居たいと思った人と来てね。
竜太朗_
それでも僕は君を愛し続ける。きっとあの世にはひとりで行くことになるだろうけど、りゅうくんなら許してくれるよね。
待っててね。ちょっと寄り道して遠回りしてから行くね。
【完】