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君でよかった





第三話








『…え、?』


嬉しかったが、

困惑の2文字が

頭の中にまだ残る、


彼はその時、

申し訳なさそうに眉を下げ、


「ごめん、俺のこと嫌いなのに、」


ボソリ、と呟いた、


『嫌いじゃないっ!

悠のことが大好きで、

でも、ぼくがフォークだって

知って、離れていくのが怖くてっ、』



悠と話していると

自然の目から涙が溢れてくる、


「そうだったんだね、

…じゃあさ、

俺のこと、食べてくれない? 」

一瞬、頭がそれを

受け付けなかった、

言ってる意味がわからない、


「あのさ、俺、

雨音のことが大好き

でも、これを言えば

引かれるとか、思って、

でさ、俺、雨音に

食われるのなら本望だよ、」

『でもっ、悠のことなんて、

食えるわけないよっ…』


「…俺さ、言ってなかったけど

もうちょっとで命日なんだわ、」


『え、?命日って、

余命宣告を受けて…?』


「ガキの頃からの持病が

また再発しちゃってさ、

だから、どうせ死ぬなら

雨音と一緒になりたい」













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