「では次の行動命令です。左の壁をご覧ください」機械音声が部屋に響き渡る。「壁?何かあるのかしら」亜希さんが呟くと俺は壁に近寄る。するとそこには小さなボタンがあった。「なんだこれ?」俺が呟くと、他の者も駆け寄る。全員がボタンを見つめる中亜希さんが口を開いた。「押してみますか?」「そうだな」俺はボタンを押すと壁からガシャンという音がして壁が開いた。そこにはまた小さな部屋があった。
「これは……」亜希さんは驚きの声を上げる。「入ってみるか」俺は呟いた。そして部屋に入るとそこには1枚の紙が置かれていた。その紙にはこう書かれている『ルール説明』
・参加者にはゲーム開始前に薬を投与し、身体能力を活性化させる。
・ゲーム開始後、参加者にはそれぞれミッションが与えられる。
・ミッションの内容は様々で、クリアすれば生存のチャンスがある。
・但しミッションの内容次第では死亡もありうる。
「なるほどな」俺は呟く。「なるほどね……」亜希さんは納得したように呟いた。そして次の紙を見る『ルール説明2』そこにはこう書かれていた。『このゲームは1時間以内に3つのミッションをクリアしないと死ぬ』と書かれていた。「……マジかよ……」俺は思わず声を漏らした。「とにかく、やるしかないわ」亜希さんは覚悟を決めたような表情で言う。「……そうだな……」俺も覚悟を決めるしか無かった。
「次は右の壁をご覧ください」機械音声が部屋に響き渡ると壁に新しいボタンが現れた。そこにはまた小さな部屋があった。
「今度はなんだ?」井崎はそう言いながら近づくとボタンを押す。すると壁からガシャンという音がして壁が開くとそこには1つの箱が置かれていた。その箱にはこう書かれていた『ミッション』
・参加者は今から1時間以内に3つのミッションをクリアしなければならない。
・それぞれのミッションの難易度はランダムであり、クリアすれば生存確率が上がる。
「なるほどな」俺は呟く。そして箱を開けるとそこには様々なミッションの内容が書かれていた『内容』
・1つ目のミッション:柊 伊吹が選ぶ人間を1人殺すこと
・2つ目のミッション:部屋にいる者を1人殺すこと
・3つ目のミッション:2つの死体で料理を作る事
「……なんだこれ?」井崎は困惑しながら言う。「つまり、柊君に選ばれたら殺されるってことね……」亜希さんは冷静に分析する。俺も考えながら呟く。「……なるほどな……これはなかなか厳しいぞ……」俺がそう言うと井崎が口を開いた。「ふざけるな!なんで俺が殺されなきゃならないんだよ!!」「落ち着いてください」俺は思わず怒鳴るように言う。すると機械音声が再び響く『ミッションの失敗は死を意味する』と。それを聞いた途端、井崎は静かになった。「とりあえず、この部屋を調べましょうか」そう言って俺たちは部屋の中を調べた。そして1つの小さな袋を見つけた。その中身は、ナイフとロープだった。「これは……?」俺が呟くと亜希さんが答えた。「多分だけど……このミッションのために必要な物じゃないかしら?」
「……確かにな」俺は納得しながら答える。「柊…」井崎が俺に声をかける。「なんだよ?」俺は不機嫌そうに聞き返す。すると井崎はこちらに歩み寄って来る。「なんだよ、井崎?」俺は井崎の手元を見る。その手にはナイフが握られていた。「柊……お前を殺す」井崎が俺に向かってナイフを振り下ろしてくる。「なっ!?」俺は咄嵯に避けると、亜希さんが叫んだ。「何してるの!?やめなさい!」しかし井崎は聞く耳を持たない。「うるせぇ!」井崎は再び俺に向かってくる。「くそっ!」俺は必死に避けようとするが、間に合わない。その時だった。波七さんが俺と井崎の間に飛び込んで来た。「波七さん!?」俺は思わず声を上げる。「ぐっ!」波七さんは井崎に刺された。「波七さん!?」俺は叫ぶ。「私にかまわないで!早く逃げて!私はもう助からない!だから早く逃げて!」波七さんは必死に叫ぶ。「波七さん……」俺は思わず涙ぐむ。「早く行って!!」波七さんが叫ぶ。しかし俺はナイフを手に取って井崎に駆け寄る。そして井崎を押し倒して馬乗りになって井崎を何度も何度も刺した。井崎は動かなくなると、俺はその場に倒れた。「はぁ……はぁ……」俺は息切れしていた。「柊君!?」亜希さんが駆け寄ってくる。「はぁ……はぁ……」俺は息を整える。すると、俺の体に異変が起きた。「ぐっ!」体が熱くなり始める。そして、体の中から何かが溢れ出てくるような感覚に襲われた。「うっ……うああぁぁ!!」俺は思わず叫んだ。
「……っ!……っ!」俺は必死に声を出そうとするが声にならない。そして次の瞬間、俺は意識を失った。「……ん」俺は目を覚ました。「柊君!大丈夫!?」亜希さんが心配そうに声をかけてくる。「あぁ……なんとかな……」俺はまだ少しボーッとする頭で答える。「良かった……」亜希さんは安心した様子だった。俺は起き上がり、周りを見る。するとそこには井崎の死体と波七さんの遺体があった。「……そうか、俺……」俺は呟くとその場に座り込んだ。「……これからどうするんだ?」俺が聞くと亜希さんは口を開いた。「とにかく、今は生き残ることを考えるしかないわ」「そうだな……」俺は立ち上がり、再び歩き出す。
「……柊君?」亜希さんが俺を呼び止める。「なんだ?」俺が振り向くと亜希さんの顔がすぐそこにあった。「え?」俺は思わず固まる。そして、亜希さんの唇が俺の唇に重なった。「……っ!?」俺は驚きのあまり言葉が出ない。すると亜希さんはゆっくりと顔を離した。「ごめんなさい……でも……少しは元気出たかしら?」亜希さんは恥ずかしそうに言う。「あぁ……ありがとう」俺は素直に礼を言うと再び歩き出す。そして数分後、俺たちは小さな部屋に出た。「……ここは……」亜希さんが呟く。すると機械音声が部屋に響いた。『この部屋は武器庫だ』「武器……?」俺が呟くと亜希さんが口を開いた。「とりあえず入ってみましょう」そう言って中に入るとそこには様々な武器が置かれていた。「……これは……」俺は1つの剣を手に取った。その剣は刃の部分だけが黒く染まっており、柄の部分は赤色だった。「……これを使ってみるか」俺は呟いた。すると亜希さんが話しかけてきた。「そうね、それがいいかもしれないわね」そう言って微笑むと俺の手から剣を取った。「これは私が借りるね」そう言って亜希さんは部屋から出ていった…
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