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注意
※死ネタです
※本当に書きたいとこだけ
※cp思考なし
※🌟→アヤノ、🎹→カノでパロしてます
※カゲプロ原作の文はそこまでパロしてません
※謎時空
※🎪には出会ってない
※カゲプロ原作読まないとほぼ分からない(「アヤノの幸福理論」を聴けばなんとなくの雰囲気は掴めます)
↓↓↓
「お兄ちゃん、なんで…あんな化け物に、話をしに行くって、お兄ちゃんが危ないよ…!お兄ちゃんがいなくなったら、アタシは…!!アタシも冬弥くんも大丈夫だから…!だから、行かないでよ…!」
夏風が吹き抜ける、午後の公園。
咲希が、涙を零しながら、父さんに取り憑いた化け物に話をしに行く、と言ったオレを止めている。
オレ達に起きていることの全てを、咲希に伝えた。何ヶ月もかけて、見つけ出した真実を。それは、オレも耐えがたいことだった。もう、オレ達の幸せは腐りきってしまったのだろうか、どうしようもないのだろうか、そう思った。だけど、オレにできることがあるなら。咲希や冬弥と笑っている間にも、頭の何処かでは「最善策」を考えていた。
「心配するな、咲希。化け物の1匹や2匹くらい、未来のスターであるオレの輝きの前ではもはや敵ではない!だから、オレがちゃんと話して、説得してやろう!…それに、咲希や冬弥を守ることが、「お兄ちゃん」の役目だと思うんだ。だから…どうか、オレに任せて欲しい。」
「…きっと、オレ達みんなで、幸せになれるから」
「…っ、…すごいな、お兄ちゃんは…お兄ちゃんが言うなら、本当にできちゃいそうだよ」
咲希は不安そうな顔をしながらも、オレのことを信じてくれているようだった。
「…気をつけてね!」
「ああ!」
…ああ。これが、最後の会話になってしまうのだろうか。最初から、どうにかならない事くらい分かっていた。オレ1人が死ぬだけで、咲希や冬弥を守れるなら、幸せな明日を護れるなら…それこそ何をしたっていい。
オレは、とある屋上の端に立っていた。夕日に滲む雲の色が、目に刺さるようだった。
今までのことを思い返す。オレはずっと咲希や冬弥のことばかりと言われてきた。最期も、同じ事になるとはな…
そう思った瞬間、屋上のドアが開いた。咲希が、駆け込んで来ていた。
「…!…なんで…っ!!やめてよ、お兄ちゃん!!!」
「カッコ悪いよな。オレはお兄ちゃんなのに…怖いんだ。」
「そんな…っ!!」
…もう、いかないと。
8月の15日であるうちに、出来るだけ早く。
「まってっ!!お兄ちゃん!!!」
「…すまない、咲希、冬弥」
咲希が駆けてくるより先に、オレは、夏風の吹く空へ飛び込む。
ふわり、と浮く感覚を覚えた。
(これで、終わりなのか)
何も無い空に、ただ、オレと咲希の涙が舞っている。
咲希は、冬弥は、幸せに生きてくれるだろうか。
もっと考えたくても、時間はとっくのとうに無くなっていた。
「…さよなら、大好きだったぞ。」
逆さまになったままのオレの声は、咲希には届かなかった。