テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
26

31
70
20××年の6月6日。
世界で一人の悪友が亡くなった”とされた”。
彼が失踪し、長い年月が経ったからだ。
もちろんニュースでは、
“ 亡くなった “と報道された。
社会は。世間は嘘ばかりだ。
無論。この世界は嘘でできている。
誰かを傷つける嘘があるように、
誰かを守る優しい嘘もある。
それでも、” 嘘つき “と世間は呼ぶのだろう?
” 亡くなったとされた “僕の悪友。
彼は少し変わっていた。
” ボクは、人間が嫌いなんだ “
この言葉と反対にいつも君は笑っていた。
きっと、君が僕に名乗った名前すらも
“嘘” なのだろう。
もう一度、君に出逢いたい。
君が”亡くなったとされた”日から、数年。
高校生だった僕は、もう大学生である。
ふらっと、カレンダーを見てみる。
今日は君が消えた日だ。
祝日で学校もなかったため、
彼と出会った”交差点”へ向かうことにした。
なんとなく君に会える気がしたんだ。
小さな希望を片手に、僕は歩き出した。
“ 行ってきます “
そう言って誰もいない家を後にした。
祝日なだけあって、道は混んでいた。
人の波に潰されそうになりながらも、
なんとか、例の交差点に辿り着いた。
周りを見渡してみる。
やはり君は居なかった。
が、あきらめずもう一度周りを見渡してみた。
” そこに居た “
既視感のある後ろ姿。
ふわふわと揺れる白色に、
少し黒色のメッシュが入った髪。
透けそうなほど真っ白な肌。
僕の熱い視線に気づいたのか、
少年は振り返った。
” やっぱり来てくれた “
透き通った赤色の瞳と共に、
そんな視線を僕に向けているような気がした。
” 見つけた “
これを運命と呼ばずになんと呼ぶのだろうか。
僕の目に張り続けている透明な膜は
音もなく、微かに割れ目ができていた。
しかし、とまることを知らないヒビは
徐々に割れていった。
そして リミッターは外れ、
民衆の前だと分かっていても泣き叫んだ。
君の口癖は、” ボクは人間が嫌いなんだ “
それと同時に、もうひとつ言っていたね。
確か、
” ???????????????? “
何故か分からない。
けれど、その言葉には
何度も何度も。救われたんだっけね。
いつの間にか僕の人生には、
必ず君が居た。
そして、君の人生にも僕が居た。
” 共依存 “
そんな言葉は悪友以上に
僕らにお似合いなのかもしれない。
そんな中、何故君は僕に何も言わずに
失踪したんだ?
仕方が無かったことなのか?
それとも僕と離れろと誰かに強制されたのか?
なぁ、教えてよ。
僕を洗脳したのは君なのだから。
最後まで責任とってくれよ。
けれど、聞いたところで
またはぐらかされるんだろ?
なら待つよ。ずっと待つ。
君が僕を大事にしてくれるなら、
僕も君に応えよう。
コメント
1件
うわ、これ……すごく引き込まれた。冒頭から「嘘」と「真実」の境界が曖昧で、読んでるこっちまであの交差点に立ってる気分になったよ。特に「見つけた」の一言で涙が止まらなくなる主人公の描写、感情のリミッターが外れる感じが生々しくて胸が締め付けられた。あの「僕を洗脳したのは君なんだから」って台詞、依存と愛情の境目が溶けてて、すごく好き。続きが気になる。