テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

ACT.4:鏡の中の影


時は、再び現在へと戻る。


モリスケとシュンは、もうイケニシと直接の関わりを持つことはなかった。けれど、完全に切れたわけでもなかった。


インターネットは、切ったはずの縁をずるずると引き戻す。

特に、インスタのような場所では。


シュンは、今もなおイケニシのアカウントを“見られる”状態にあった。フォローはしていない。もちろん、向こうからもされていない。だが、どこかで互いの投稿は届いていた。

それはまるで、薄いカーテン越しに相手の影を覗くような距離感だった。


そして、事件は起こる。


ある日、モリスケとシュンは、イケニシのアイコンを使ってちょっとした“遊び”をしていた。

といっても、それはネット上によくあるいたずらの範疇。

別に本人になりすましたわけでもない。ただ、あのアイコンを使って遊んだ。それだけのこと。


しかも、そのアイコンはフリー素材。

著作権など存在しない。

だから、誰が使っても構わない。少なくとも、建前としては。


だが——イケニシは、気づいた。


どうやら、彼はエゴサーチをしているらしかった。

自分のハンドルネーム、あるいは過去のあだ名。もしかすると、画像検索でアイコンをチェックしていたのかもしれない。


「なんで俺のアイコン使ってんの?」


そんなことを、言いたげな空気がにじんだ。

けれど、直接は何も言ってこなかった。彼らしい、気味の悪い沈黙だった。


モリスケは、呆れた。

シュンも、半笑いだった。


「何が悪いんだよ。フリーアイコンじゃん。」

「むしろ、あいつが使ってたから使いたくなったんだよ。」


どこか、怒りと皮肉を込めた復讐のようなものだった。


壊れた関係。戻らない信頼。

そして、今もネットのどこかで漂う、お互いの“影”。


その影は、もう二度と交わることはない。

けれど、お互いの存在は、鏡のように反射し続けている。

この作品はいかがでしたか?

32

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚