「ひゅっ、かふゅ、ぉ゛ぇ…。」
「藤士郎が素直に言うこと聞いてくれてれば、痛い思いしなくてよかったのにね。 」
僕は見知らぬ清潔感のある部屋で目を覚ました。
まだ半分夢の中にいる自分を無理やり叩き起してこの状況になった理由を考える。
「ぇ、ひっ、……。」
動こうとベッドから起き上がり歩こうと思ったら、足が無い。なんで、なんで?、太ももから綺麗さっぱり無くなっている。
「ひゅ、ぇ、っは、」
血は出ていないし、痛みもない。状況が呑み込めない、景くんは?晴くんは?何処にいるの。
「おはよーっ!藤士郎起きたー?」
「おはよ。藤士郎体調とか大丈夫?」
バンッと扉を開けて部屋に入ってきたのは同期の長尾景、こと景くんと甲斐田晴、こと晴くんだった。
「景くん、晴くん、?、僕の脚は…、?」
「 ん?嗚呼、脚なぁ邪魔だから切った! 」
どういう事、?、景くんと晴くんが僕の脚を切ったってこと?、邪魔って、?
「ちょっと!景!藤士郎吃驚しちゃうでしょ?」
「あー、そっかそっか、ごめんな。吃驚しちゃったな、」
そう言い景くんは僕をぎゅうっと抱きしめた。僕より身長は小さいはずなのにガッシリしているのは祓魔師だからか?少し苦しい。
「けいく、くるしぃ…」
「ぁ、やべ、ごめん!」
景くんはまるで怒られた大型犬の様でとても可愛い。だが、和んでいる場合では無い。
「僕の脚って、?それに、邪魔って、?」
「僕が説明するね。僕たちは藤士郎の事が好きでどうしたら藤士郎を僕たちだけのものに出来るかなって考えたら僕たち無しじゃ生きられないようにすれば!だから脚を切ったって感じ」
理解ができない。僕のことを恋愛的に好きってこと?まだ其れは良いのだが、依存させるために脚を切ったの?、怖いよ。
「ひ、…」
景くんと晴くんの目にはドス黒い欲望と恋情を孕んでいた。
「ご飯できたから行こっか」
「っ、…分かった。」
あれからどれ程の月日が経ったのだろう。もう僕は何1つとして1人では出来なくなってしまった。
行こうか、と言われても僕の脚は無いから晴くんか景くんが僕を抱っこして食卓まで運ぶのが恒例になった。
「なぁ、藤士郎ご飯美味しいか?」
「ぇ、ぅ、うんっ!、おいしいよ! 」
此処で美味しくない。と言えば何をされるか分からない。素直に美味しいと言うのが正解だろう。
前の晴くんと景くんには少しだけ恋愛感情を抱いていた。だが、今はどうだろう。恐怖で縛り付けられて、ちっとも好きじゃない。もとの2人に戻ってよ。
「ん、ぇ、けぃく、?、はぅく、?」
少しうたた寝をしていたら。急に持ち上げられた。だが、目隠しなどで目を覆われているのか目の前が真っ暗になった。
「な、なに、?、はるくん、?! けいくん、?!」
こんなにも視界が奪われた状態は怖いのか。持ち上げられ、どこかに連れていかれている。だれ?こわいよ。
「ひゅ、ぅ゛、ぐず っ、ひぐ」
あまりの恐怖に自然と涙が出る。たすけて、晴くん景くん。
「ぇ、」
目隠しが取られた。明るい。目の前には晴くんと景くんが居た。
「ひゅ、はぅく、けぃ、くっ、ぐず、ぅ゛」
「あ〜、ごめんなぁ、怖かったなぁ」
よしよし、と景くんは僕の頭を撫でる。
怖かった。寂しかった。こんな感情がどんどん涙として排出される。
「ぅ゛うっ、…、」
やっぱり、僕には彼等しか居ないのだ。
コメント
1件
同じ性癖の人いてよかった…、そう、これ。良いですよねぇ…四肢欠損…ど闇感情で大体するから、最高すぎる…ありがとうございます😭