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(注意点)

100%妄想です

怪我などの痛々しい表現があります

言葉遣いなど解釈違いでしたらすみません

長文で申し訳ないです

大丈夫な方はこのままお進みください







今日は穏やかな気候に加え、4人とも任務もない最高の休日だった。

そうなる予定だった。

朝イチに本部から呼び出しがかかったのだ。

こういう時は大抵ろくなことじゃない。

落胆しながらまだ眠い体で本部へ嫌々集合した。


上部の人間からの指示は予想外だった。

改めて4人の個々の能力を測り、再確認したい。

個別に任務を振る時の参考にする。

1対1で本気で戦って欲しい。

医療班は万全の状態で待機させている。

とのことだった。


やり方はそちらに任せると言われたが、突然そんな事を言われても、と困惑しながら、とりあえず広い稽古場へ向かった。



伊波「あーあ、マジで萎える!マナとカラオケ行く予定だったのに!」

叢雲「どゆこと?やばい話あんま聞いとらんかった。」

星導「俺らで1対1のガチバトルしろってことみたいですよ。」

叢雲「は?!なんでや!」

小柳「力の再確認とか言ってたけど、結局上のやつらの暇つぶしだろ、こんなん。」

伊波「うわ、だる!適当にやったら怒られるかな?」

星導「いいですねそれ。1発KOされたフリして寝てていいですか?」

小柳「バレて面倒な事になってもしらねぇぞ。」


長い廊下を足取り重く歩いてゆく。


叢雲「誰と誰って決まっとるん?」

星導「組み合わせはこっちで決めていいらしいですよ。」

伊波「グッパーで分ける?指名制?」

星導「カゲツ速すぎて目で追えないし、小柳くんには触手全部切られて即終わりそう。」

伊波「つまり俺ご指名ってことね。まぁ確かに、ロウとカゲツで組んだ方が良い勝負になりそうだよね。」


そうこう言ってる間に稽古場にたどり着いた。

いつもの何もないがらんとした空間ではなく、屋外を想定して木々や電柱を模した建築物が設置されていた。

4人は初めて見る光景に目を丸くしている。


伊波「待ってマジでガチのやつじゃん。めっちゃ人いるし。」

高い安全な位置から見下ろせる場所に、お偉いさん達や研究者達、さらにはヒーローの卵さん達が勉強のために見学に来ていた。

いよいよ適当に終わらせる事はできない雰囲気だ。

そんな空気の中で星導はまるでアイドルのように笑顔でみんなに両手を振っている。


叢雲「どっちが先やる?僕はどっちでもええけど。」

星導「じゃあカゲツたち先でもいいですか?俺たち絶対色々壊しちゃうと思うんで。」

伊波「あー、それは確かに。」

叢雲「おし、狼!あの真ん中の広いとこ行くぞ!」

小柳「見せ物みたいですげぇ嫌だわ。帰りてぇ。」

星導「みたいっていうか、見せ物ですけどね。完全に。」

伊波「ディティカ背負ってんだからあんまダセェ戦い見せんなよ!」


伊波は小柳と叢雲の背中をバシッと叩き、気合いを注いてあげた。

ゆるゆると歩き真ん中のスタート位置に着く。お互い変身すると場の空気がピリッと変わった。


伊波たちは少し離れた安全な場所で、医療班と一緒に観戦することにした。

審判「どちらかが戦闘不能、または降参したら終了とする。では始め!」


2人は出方を伺ってジリジリと動く。

みんなは固唾を飲んで見守った。


先に間合いを詰めてきたのは小柳。

一瞬で切先が叢雲の眼前に迫った。


刀が顔を掠めるよりも早く、叢雲は体勢を低くし小柳の背後へ回り込んだ。

クナイを後頭部へ投げると、小柳は振り向きざまにそれを弾き飛ばす。

そのままの勢いで叢雲の肩を斬りつけた。


しかし叢雲はニヤリと笑っている。


叢雲「僕には僕のやり方がある。着いて来れるならやってみ。」

そう言うと、体はボワンと煙と共に消え、傷付いた丸太がボトリと落ちた。


辺りを見渡すが気配が無い。

神経を鋭くして叢雲を探す。


何かが風を切る音がした気がして振り返ると、手裏剣が頬を掠めた。

手裏剣が来た方へ走るが、そこには誰もいない。

急に足が痛み、見ると別の手裏剣が刺さっていた。


嫌な予感がして後ろに飛び退くと、自分の立っていた位置にクナイが2本刺さった。


止まっていたら的だ。

そう感じて小柳はクナイが来た方とは逆に走り続けた。

なるべく身を隠せるよう建物の裏や木の後ろなどを通って走るが、お見通しと言わんばかりに死角から武器が飛んでくる。


ギリギリの所で避けたり刀で防いだが、全て死角から来るので防ぎ切れなかった。

何ヶ所からは出血している。


小柳「あのクソ忍者、、!」

小さく舌打ちをし苛立ちが見えた。

疲労と痛みで動きが鈍くなってくる。


息を少し整えようと立ち止まった。


ふぅ と息を吐き出したと思ったらすぐにグッと止め、体を大きく捻って刀を真後ろへ振った。


ガキン!という金属音と共に短刀が弾き飛ばされ、叢雲は背から地面へ転んだ。


小柳はわざと隙を見せ、死角からの攻撃を誘ったのだ。


そして「逃すか」と呟くと、叢雲の右足に刀を突き刺した。

叢雲は「いっ、!」と小さく声を漏らすと、即座に手で印を組み、口から大きな炎を吹き出した。

小柳はすぐに刀を抜いて後方へ離れ、叢雲も大きく飛び退いて距離を取った。


あまりに2人が近い位置で火遁の術を使ったので、両者の髪が少し焦げていた。

腕に少し炎を浴びた小柳は、火傷の痛みを誤魔化そうと何度も刀を持ち直した。


叢雲は痛む足を引き摺りさらに距離を取ると、また身を隠すべく煙玉を地面に叩きつけた。

辺り一面が煙に覆われ、叢雲の姿は視界から消える。

煙が収まる頃には気配も消えていた。



小柳はニヤリと笑った。

ある一本の木に向かって一気に駆け出す。

そして高い枝へ斬撃を与えると、斬られた枝と叢雲が落ちてきた。

その顔は驚いているように見えた。


叢雲が体勢を整えるよりも先に、次は左足を狙って刀を構えると、その左足は小柳の顎を蹴り上げてきた。


脳がグワンと揺れ、なんとか踏ん張り持ち堪えたが、目の前には誰もいなくなっていた。

刀には血が少し付いていたので、蹴られた時に左足をカウンターできたのだろう。

小柳はまたある場所へ走り出した。



その頃の叢雲はいよいよ両足が痛み、満足に動けなくなってきていた。

ビルの裏の壁に手をつきながら、気配も音もなく歩く。

高い場所を探して見上げていると、叢雲の首にヒヤリと冷たさを感じた。


一瞬遅れて背後を取られた事に気付いた。


後ろに立つ小柳は、刀を叢雲の首に当てている。


小柳「、で?どうする?」

叢雲「、、、あーもう最悪や、参りましたぁ〜!」


叢雲が両手をへにゃりと掲げると、みんなからの拍手と2人を讃える声で溢れた。

小柳が叢雲に肩を貸しながら救護班の所へ2人で歩く。


叢雲「なぁ、なんで後半、僕の場所バレてたん?ずっと気配を消しとったやんか。」

小柳「血と焦げた匂いでバレバレなんだよ。白狼の嗅覚なめんな。」

叢雲「なんやこのチートが!ずるいわ!」

小柳「常に気配ゼロのがチートだろ。はぁー疲れた。」

叢雲「でもちょっと楽しんどったやん?僕もやけど。」

小柳「まぁな。お互い良いとこ見せれたんじゃねぇの?次の試合は多分、エグいぞ。」


小柳が最後の言葉を言い切るか切らないかのところで、伊波が「おつかれー!ナイスファイト!」と声をかけてきた。


星導「お疲れ様でした。俺たちも良いステージにして見せますよ。」

伊波「ライブじゃないんだから。ま、俺のハンマーちょうど昨日強化したところだから、楽しませてよね。」

星導「え、なにそれずるい!俺もなんかやりたい!」

小柳「お前はだめ。」

星導「それ、フリですか?」


薄ら微笑む星導の頭を小柳がベシッと叩いた。

「ほんと仲良いなコイツら」と伊波は笑いながら、星導の腕を掴む。


伊波「ほら俺たちも行くよ!最高のステージ見せてやるんだろ!」

星導「いや、ライブじゃないんですから。」

伊波「テメェの言葉だろ!」


笑ってる星導を引き摺るようにスタート位置へ連れて行った。

ゆるい会話の中、試合開始の合図が響いた。

2人は変身したが、小柳たちとは打って変わって、なんとも締まらない雰囲気が流れる。


星導「じゃ、失礼しまーす。」

伊波「どっからでもこーい!」


星導は8本の触手を不規則に動かして、伊波を捉えようとバラバラに伸ばした。

伊波は迫り来る攻撃をハンマーで防ぎながら星導に少しずつ近付く。

接近戦が苦手な星導はなるべく離れていようと後退しながら戦った。


捕まえようとする触手や叩き飛ばそうとする触手など、様々な角度からトリッキーな動きの8本に伊波は押され気味になる。

ほぼ8対1の状態で、本体に近付きたくても一向に距離が縮まらない。


焦りは禁物。伊波はもどかしさにイライラしながらも、頭は冷静を保ち一つ一つの攻撃を防いだ。

捕まったら即ゲームオーバー。

縛り上げられて降参一択。

真剣な表情の伊波に対して、星導はいつものぼんやりとした表情でこちらを見ている。


伊波「余裕かましやがってムカつく!どうせ俺になら勝てると思って指名しただろ!後悔させてやるから!」

星導「そんなまさか、消去法ですよ。俺か弱いタコですから。きゃーライくんつよ〜い。」

伊波「嘘つけテメェ!ぶりっ子すんな可愛くねぇよ!」

星導「ぴょんぴょん跳んでるライ、ウサギみたいで可愛いですよ。」

伊波「クッソ!ぜってぇ煽り返してやる!」


言葉の小突き合いをしている間も、触手とハンマーはぶつかり続けている。


頭に来た伊波は少し後退すると、ハンマーの持ち手部分にあるスイッチをカチカチと押した。

するとハンマーから車のエンジン音に似た重低音が響き始める。

伊波がそれを構えると、ブシューと蒸気のようなものが噴き出た。


伊波「強化したハンマーの最大火力、見せてやるよ!」


こちらに勢いよく振り下ろされる触手を跳んで避け、それをハンマーで地面に叩き潰した。

ズンという鈍い音と地響き。

1本の触手は地面にめり込んで押し潰されていた。


星導「いったーい!!なにそのバケモノハンマー?!」

伊波「へへーん!刀じゃなくても無力化できるんだよねー!はい次ぃ!」


触手に向かってダッシュし、次の1本に目掛けてハンマーを振り下ろした。

またも地面に叩き潰されグチャリと先端が飛ぶ。

あまりにグロテスクな光景だった。


星導「痛い痛い!そんなのずるいって!」

伊波「ほらほらどんどんやっちゃうよ!モグラ叩きならぬタコ叩きってね!」

そう言うとまた1本にヒットさせた。


武器として使っていた触手が狙われるとは思ってもみなかった。

戦うためには触手を伸ばさなければならないが、伸ばした触手は次々と潰し飛ばされてしまう。

再生には時間が必要だ。

こんな早さで失っててはすぐに全本やられ丸腰状態になってしまう。


さっきとは立場が逆転し、焦りと苛立ちを見せる星導と、楽しそうに目をギラつかせる伊波。


フルパワーモードのハンマーは長くはもたないので、なるべく早く全部潰す必要があった。

付け加えるなら、自分を見下していた相手を追い詰めていく快感に、攻撃の手が捗った。


伊波「あれあれ〜どうしたんだい?か弱い星導くん?さっきまでの余裕はどこいっちゃったのかな?」

星導「せっかちですね。これからですよ。」


最後の2本で伊波を捉えようと、速さを上げて挟み撃ちを狙う。

伊波の背面には壁があり、気付けば退路が断たれていた。


そんな状況でも慌てることなくニヤリと笑った。

ハンマーの持ち手のスイッチをガチッと鳴らすと、バチバチと武器が帯電していく。


触手が伊波を捉えるよりも早く、地面にハンマーが叩きつけられた。

打ち付けられた場所から周囲に強い電流が走り、2本の触手はバチバチと感電した。

それどころか電流は星導本体と再生途中の6本の触手にまで伝い流れる。


星導「いっ、、!!!」

再生どころか痺れて立っているだけで限界となってしまった。

まだパチパチと全身に電気を帯びてフラフラしている。


伊波「ねぇちょっと、こんな一方的で良いわけ?これ星導が言ってた最高のステージ?宇宙って案外浅いんだね!」


星導は一瞬凍るような冷たい真顔を見せた。


その直後、両手で顔を覆った。


その時、小柳がボソッと呟いた。

小柳「あ、ブチ切れたなあいつ。」


星導「えーんえーん。ライがるべちをいじめるー。」

伊波「しょーもない小芝居挟むなよ!潔く降参しろって!」


ハンマーを掲げた伊波が星導に近付く。


星導「いないいない、ばぁー。」


両手を広げて見せてきた星導の顔は、口元以外が全て割れて宇宙が広がっていた。


さらには再生できずにいた触手も一瞬で全再生し、色もドス黒く変化していた。


伊波「ぅわ、その顔なに?、、色やば、、。」


初めて見る姿に体がすくんだ。

いつも以上にヴィランな容姿に気圧された。


星導「宇宙をもう少し多めに取り込んでみました。さぁ、一緒に楽しみましょうか。」


先程よりも動きが早くなった触手を全力でハンマーで叩くが、ガン!と金属音に近い音が響くだけで、びくともしなかった。


鈍器と化した触手はいとも簡単にハンマーを弾き返し、勢い余って伊波の手からもハンマーは離れていった。


急いで武器を拾いに走ったが、ひと足先に触手が拾い上げて、星導の腕の口の中にポイっと放り捨てられた。


丸腰状態になった伊波を、ジリジリと8本の触手が追い詰めていく。

さながらホラー映画のようなワンシーン。

逃げ回っていたがなす術もなく拘束されると、潔く「参りましたぁ」と声を上げた。


小柳たちの試合とは違い、後味の悪い映画を見た後のような、なんとも言えないシンとした静寂が流れた。


気まずさに耐えられなくなった星導が、口をへらりと緩ませて話し出す。


星導「えー、本日のショウもいかがだったでしょうか?、、なんちゃって。」

伊波「、、おまえヤバすぎ。」


静まり返った会場から救護班のもとへ2人で歩いた。

星導が伊波の手を引いて歩く。

伊波「え、俺そんな怪我してないよ?」

星導「この試合、俺の勝ちだけど、実質はライの勝ちなんですよ。」

伊波「え?何で?」

星導「俺、宇宙パワー使い過ぎると回復のために何日か目覚めなくなるんです。」


数歩前を歩いていた星導が、そう伝えるとカクンと脱力し、伊波が咄嗟に抱きかかえた。

硬く閉ざされた瞼と、どれだけ揺さぶっても声をかけても動かない体。


そのまま急いで救護班の元へ運んで行った。


小柳が救護班と一緒にいて、細かい傷を確認してくれた。


小柳「昔、俺も星導のあれ、見たことある。起きるまで時間かかるけど、大丈夫だから。」

伊波「え、あ。そうなんだ、よかった。変な所に当てちゃったかもって心配してたんだ。」


隣を歩く小柳がため息をついた。


小柳「なにがえぐいって、あれで宇宙を”少し”多めに取り込んだだけなんだよな。フルで取り込んだらとか、想像もつかねぇよ。ま、とりあえず、試合に負けたけど勝負に勝ったってことで、おめでとさん。」


小柳は拳を突き出して、互いにゴツンとぶつけ合わせた。


伊波「後味悪すぎるけどね!ありがと!」



あまりにショッキングな試合光景を見せられて、彼とはやり合いたくないなと思った3人だった。









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コメント

4

ユーザー

いないいないばあの破壊力やばかったです!!!うわお!!!!!

ユーザー

知ってますか?人間って好きなものを前にすると脳がチンパンジー以外になるんですって。つまり私の脳は今チンパンジー以下って事になりますね。ありがとうございます(?)

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