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#さとみくん
みく
12
璃音
50
はるあ
4,013
「どうかしたの……?」
不思議に思い、声をかける。
すると、「……どうかしたのじゃないだろ」と、彼がようやく口を開いて、
「……なんだよ、それは……」と、眉間にしわを寄せた。
「え、なに、どうしたの? 本当に……」
彼が顔をしかめるような理由が、まるでわからない。
「なんで俺のシャツ、着てんだよ?」
言われて、「えっ? だってこれ着ろって……」確かそう聞いたけどと思う。
「俺は、Tシャツを渡したつもりで……」
「ウソ……じゃあ、着替えてくるから」と、ベッドから急いで起き上がろうとすると、
「……いい」と、引き止められた。
「シャツ、似合いすぎだ……これ以上、俺を……」
いつになく彼が照れているように見えた刹那、ぐいっと腕に引き寄せられて、
「……惚れさせんな」
胸の中にぎゅっと強く抱き込まれた。
「……しかも、おまえノーブラかよ」
抱かれると、互いの胸がぴったりとくっついて、彼が片方の眉をぴくっと吊り上げる。
「だって、途中で気づいたんだけど、つけるのが面倒になって……」
「面倒って、なぁ……」と、ため息が吐かれて、
「惚れさせんなって言ってるそばから、まったく」
彼がギリっと歯噛みをして、苦り切った表情を片手で覆った。
なんだか不穏な空気を感じて、「えっと、あの、やっぱり着替えてきた方が、いいよね?」と、上目遣いにその顔を窺うと、
「だから、そうじゃない」と、憮然とした顔つきで返された。
「男もののシャツ着て、隙間から胸の谷間が覗くとか、どう考えても……やばいだろ」
そう言われて、思わずシャツの併せ目を両手でぎゅっと握り締めると、
「……今さら、遅い」と、シャツから手を引き剥がされた。
「……いい加減おまえを疲れさせたくもないが、俺の理性がもたない……」
言うなり、襟がはだけられて胸元に吸い付かれた。
「……キスしかしないから、俺の気が済むまでキスさせろ」
耳元でそんな殺し文句を吐かれたら、抗うことなんてできるわけがなかった……。
「……ん、やぁ……」
彼の唇の感触が肌に触れる度に、ぞくぞくと身震いが襲う。
肌という肌に赫くキスマークが付けられると、口づけから解かれて、じっと目が合わされた。
真上にある彼の顔を見つめ返して、
「……颯、好き……」
口にしたら、どうしてだかふいに涙がこぼれた。
「……なんで泣くんだよ」
「わかんない……でも、あなたが好きで……涙が出てくるの……」
「そんなこと言うな。おまえが愛おしくて仕方がなくなる」
きつく腕に抱き締められて、泣き顔が胸に押しあてられる。
「……好きなの。大好き……」
止められずにぽろぽろと零れ出る涙に、「……泣くな」と、彼が口にして、
涙の溜まる私の目尻に、ふっと唇を寄せてきた。
「俺も、舞が好きだから」
ただ、好きというだけの言葉に、
こんなにも気持ちが揺り動かされるなんて、今まで思ってもみなかった……。
彼と出会えた幸せで胸がいっぱいになって、溢れるうれし涙を拭うと、
愛しい人の腕の中で、ずっとずっといつまでも、一緒にいさせてと、
心から、願った……。
-End-
※本編は終了しますが、このまま番外編に移ります。全完結は、番外編終了後になります。
コメント
1件
うわあ……もう、この2人、尊すぎて心臓が持たないよ……🥺💔 シャツ問題からの「惚れさせんな」って、颯くんの必死な感じがめっちゃ伝わってくるし、理性と感情の狭間で揺れてるの、すごくリアルでドキドキした……。 それに、「好き」って言ったら涙が出てくる舞ちゃんの気持ち、すごくわかるよ。好きすぎて溢れちゃう感じ、愛おしさが涙になっちゃうんだよね。 番外編に続くってことで、終わってほしくないけど続きが読めるのは嬉しい!このまま2人の幸せな時間をずっと見ていたいです🌙🤍