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ドレスの女さんからはパーカーと
濡れタオルをもらった
なんでだろう 気遣われてるのが
恥ずかしい
たぶん彼女は誤解したまま帰って
いった
『オレ 寝る』
もっと 説教してやらないと
気が済まないのに
怪異語になった彼はゴロンと床に
寝そべって眠り始める
『怒られたくない子供かよ!?』
人語で言っても無反応を決め込む
ので諦めてシーツを替えて眠りに
ついた
明日しっかり言って聞かせないと
この クソがきは レインコートの
彼女 に乱暴しかねない!
変な使命感に燃えながら眠りに
ついた
ーーーーーー
ツギハギくんの叫び声が聞こえた
『逃げろ!!!』
そして 大きな音がした
目を覚ましたそのときには
ギリギリギリギリ…ギきき
身体にシーツが 巻き付いていた
身体をすまきにされて締め上げられ
息が吸い込めない 身体中の骨が
ミシミシと 悲鳴を上げる
目の前に でっかいてるてる坊主が
揺れている
ツギハギくんに助けを求めようにも
声がでない
目をやると壁に叩きつけられた 様子
のツギハギくんが倒れていた
てるてる坊主がしゃべった
『あなた とった わたしのモノ』
そうか…オレがシーツ持って
きちゃったから
知らなかったと謝りたくても
声が出せない 意識が遠のくなか
ツギハギくんが立ち上がるのが
見えた
『はなせ それ オレのモノ』
てるてる坊主に掴みかかり 噛みつき
引き裂いた
キー!!甲高い悲鳴とともに
オレの身体は床に投げ出されたが
オレに巻き付いていた布が今度は
ツギハギくんに巻き付いた
『ぐがぁ!』
ミシミシミシっ!ボキュ!
骨が折れる音がした
『やめろ! やめろ!』
『かれ ではない!』
必死に止めようとするが
オレの力ではビクともしない
てるてる坊主の意識は全然こちらに
向かない ツギハギくんにトドメを
刺そうとしている
『助けて!!』『だれか!!』
大声を出して 助けを呼ぶ
ことしかできなかった
ガガっ! ギャン!
斧が布を断ち切り 床にめり込む
フードさんが来てくれた!!
オレは安心感に膝から崩れ落ちた
『なにが あった?』
フードさんが 冷静にたずねた
『ごめんなさい!!』
『わたし 理解ではない
あなたのモノ』
『かえす あなたのモノ』
てるてる坊主の怒りはおさまらない
『いらない!汚れた!!』
………ですよね!
フードさんになにか対価になる
ものはないかと聞かれた
ポケットをまさぐってもハンカチ
しか出て来なかった
でも てるてる坊主は目を輝かせ
『欲しい それ!』と言った
なんだか 物々交換が成り立った
ようで 無事てるてる坊主は帰って
いった
折れて変な形になった腕を引っ張り
修復しているツギハギくんに
フードさんが斧を向けた
『血 飲んだ』
『やめるべき 言った』
フードさんと目を合わさず
『ごめんなさい』
シュンとしたツギハギくんは言った
フードさんは オレにも
『血 わたす べきでない』
と告げ 帰って行った
『かっけぇーーー!!!
いや、憧れるわ 男として!』
ケタケタ
『だよな おっさん かっけーんだよ
ズルいよな あの武器』
『オレもああいうデカイの
欲しかった 持ち上がんないけど 』
ケタケタ
『オレに最初に言葉教えてくれたの
フードさんなんだよねー』
元気になったツギハギくんに言った
『そういえば……人語しゃべって
んじゃん』
一瞬 ヤベッ て顔をしたのが
見えて 吹き出す
『絶対あんなことしたら
フラれるぞ!』
『好きなら ちゃんと思いを
伝えて優しくしないと…』
言い終わる前に今度はツギハギくん
が 吹き出した
『まだ 言ってんの?!』
『わかった わかった!』
『もう 彼女には手ぇ出さないよ』
ギャハハハハハハハ
『そのかわり アンタが教えて』
『………優しい 抱き方』
わざわざ耳元に寄ってきて囁く
ツギハギくんに 思いっきりドン引き
の顔をしていた と思う
それがまた 彼のツボに入った
ようで 大爆笑
ギャハハハハハハハハ
コイツの笑いのツボがわからない!!