テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
七夕題材小説書くぜ
オリジナル
______
「うわっ…」
私は海に来ていた。少し時期が早い気もするが
せっかくの七夕なのでまぁいいだろう
ここの浅瀬にはよくクラゲがよく浮いている
私はクラゲが苦手だ
見た目は好きだ。感情が無いとか、ちょっとロマンチックな生体も好きだ。
だけど、どこか不気味で生きてると思えない姿が苦手だ
小さい頃に浜辺に打ち上げられたクラゲを見た事がある。体は四葉のマークを残して透明で
下に貝殻がある事が1目で分かった
小さい頃は好奇心が恐怖に勝つのだ
お母さんに注意されない様に、周りの目を探りながらクラゲに近づいて傍にしゃがんだ
人差し指で触った
その時の感覚が忘れられない
ちょっと固めなゼリーみたいで、ちょっとネバネバしてる感覚
なんだか凄く
触っちゃいけない物に触った感覚がした
ドクドクと心拍数は早くなり、目の前がちょっとだけぐにゃってなる
いつの間にか目から涙が零れ落ちていた
「そんな事もあったなぁ…笑」
だけど私はクラゲが好きだ
見た目も感情がない所も、プカプカとただ浮いているだけの所も
私って案外彦星に似てるかも
ダメだって分かってたのに行動した所も
行動した事で後悔することになった所とかも
「あ、クラゲ」
私はクラゲになりたい
あのドクドクとした恐怖心も無くなれる
ただ泳いで、ただ食って、終わる時は水に溶ける
水に溶けたら次は天の川の一部にでもなってみたい。下から星空を見上げるんじゃなくて
上から海を見つめてみたい
「…」
またクラゲが浜辺に打ち上げられていた
見るからに死んでいた
きっとこのクラゲは、今。空に輝いている
星になった
私は人差し指でクラゲを触った
ずっと触っていたら、指がピリピリとしてきた
こんなに可愛いのに、ちょっとだけ毒がある
それなのにあんまり強くない
可哀想な生き物
でもこの子はそんな感情すらない
だからこそ輝けるんだ
純粋無垢どころか無なこの子は
自然体が1番輝いているから
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!