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※ fwhr
※ 喧嘩( ハピエン )
『 は 、はッ … っ゙ 、ぐ … ぅ 、 』
涙が止まらない 、でも暖かい 、不思議な感覚 。
『 ふわさ … ッ゙、すき 、 』
┈
「 ちょっ 、晴 ?! 」
『 もう不破さんなんか嫌い !! 知らないから !! 』
「 … そっか 」
『 ッ゙… !! 』
何が原因だったのかすらもわからない 、それでも最後に見た不破さんの悲しいような 、寂しそうな顔が頭から離れなかった 。
勢いで家出てきちゃった 。帰るところはそこしかないのに 、何してんだろ 、僕 。自分が惨めに見えて仕方なかった 。嫌いなんて思ってないのに 、好きなのに 、少しの事で怒る自分がダサくて 、それに比べて冷静に話そうとしてくれた不破さんはかっこよかったなあ 、なんて考えていた 。
あ 、雨 。
『 ほんっと最悪じゃん … 』
不破さんだったら「 何してんの晴 、 」って心配した顔して傘を差し出してくれるんだろうな 、「 風邪ひくぞ馬鹿 。 」って軽く愛のある毒を吐いて髪を乾かしてくれるんだろうなあ 、なんて 、今更なんだけどね 。水溜まりにうつる自分の顔が 、雨のおかげか 、それとも他の何かのおかげなのか 、ぼやけて見えなかった 。ねえ 、不破さん 。なんで追いかけて来てくれなかったの 。なんでもっと求めてくれないの 。貴方に求めてもらえなきゃ 、僕の存在を認められた気がしないの 。お願い 、もっと僕を好きになって 、
〈 か 、甲斐田さん … ? 〉
雨に濡れて足を止めていた僕に話し掛けてくれたのは愛している恋人ではなかった 。でも良かった 、不破さんに今の僕は見せたくない 。
『 へ 、あ 、社長 … 』
ぼやけた視界を必死でクリアにし 、その人を認識する 。そこには心底驚いたように目を見開いて傘を差し出す加賀美ハヤトが居た 。〈 何してるんですか 、 〉溜息混じりに言われたその言葉 。なんも変哲もない言葉なのに 、今の僕には大きな安心の種だった 。呆然として 、涙を流したまま何も言わない僕にいつものとは違う異変を感じたのか 、社長は半ば強引に手首を掴み 、いつの間にか呼んでいたタクシーに僕を乗せた 。もしかして家に戻されるんじゃ 、なんて不安を声に出そうとすると 、予感は外れ 、社長が発したのは社長の住所だった 。こういう時に空気を読んでくれるところ 、やっぱカッコイイ大人なんだと言われたように感じた 。流石僕が一生ついてくって言った先輩 。後輩の個人的な関係の崩れすらも察知してくれるんだ 。
タクシーに揺らされている間 、先程まで流していた涙は止まっていた 。横を見れば恋人ではない先輩が窓の外を眺めている 。いつも陽の雰囲気で周りを明るく照らしている人が 、陰の雰囲気をまとう夜の街に溶け込んでいるようで 、はじめての顔を見た 。
あ 、着いた 。相変わらずデカいとこに住んでるよなあ 、この人 。慣れた手つきでエレベーターのボタンを押す 。ここまでもずっと無言で僕の手首を掴んでいる 。いつもの馬鹿力じゃない 、いつでも逃げられるような強さで 。この手が僕に逃げるか否かの選択を表しているのだろうか 、多分振りほどいて走れば追いかけては来ないだろう 。そんなこんなで社長の部屋に着く 。鍵を取りだしドアを開ければそこからは思いもよらぬ声が聞こえてきた 。
《 あ 、おかえりなさいハヤトさん … って 、甲斐田くん ?! 》
「 は 、甲斐田 … ? 」
なんでこんな時に居るんだよ此奴ら !! まだもちさんはわかるとしても不破さんまで … タイミング終わってるって 。心の中で突っ込んでも頭はショート寸前だった 。
〈 … 御免なさい 、たまたま買いに行く時に甲斐田さんが居て … 雨に濡れていたようだったので連れてきました 。 〉
〈 それにしても不破さんまで … ?? 〉
《 えっと … 急にふわっちが連絡してきたから 、緊急事態かなあ 、って 。実際緊急事態だし 。 》
《 ね 、アニコブのお2人 。 》
もちさん怒りを含んだ笑顔に背筋が凍る 。不破さんももちさんに相談してたんだ 、悩んでくれていたんだ 、少しほっとしながらもやっぱり不破さんと目が合わせられなかった 。
「 … すんませんもちさん 、ここらでお暇します 。ほら 、甲斐田 … いや 、晴 。 」
『 っ … はい 、 』
『 社長 ! ありがとうございました !! 』
最後に潔く御礼をしてその場を離れた 。今度は不破さんに手を繋がれている 。離れないようにぎゅっと 。
『 ね 、ねえ 、ふわさ … 』
家の前まで来たところで耐えられなくなり 、ずっと喋らない恋人に話しかけた 。
「 なぁに 、晴 。 」
返ってきたのはいつもよりずっと低い声だった 。怒ってる ? なんで 、まだ喧嘩したこと許してないの … ? … いや 、それもそっか 。あんな家の出方しちゃったもんね 、許せるわけないか 。
家のドアを開け 、先に僕を入れる 。その後立ち止まってる僕を鍵をかけたドアに押さえつけた 。
「 … 嫌いになった ? 」
『 な 、ちがっ 、嫌いになんてなってない !! 』
『 違うの 、違うんです … 好き 、ずっと好き 、今日のは勢いで出てっちゃっただけで … !! 』
『 だから … 嫌わないで 、 』
泣きながら弁解して訴える僕に貴方はどんな顔を向けてるの 、失望した ? 嫌いになった ? 彼の質問をそのまま心の中で返した 。
「 ずっと好きやで 、晴 。やから俺から離れんといて … 」
そして冒頭に戻る 。
ぎゅうっと抱き締められて 、情けなく泣いている僕の頭を撫でるあなたの手が酷く暖かかった 。ずっと好き 、僕からなんて離れないし 、離してやんないから 。
「 … ちゅーしてい ? 」
『 へ 、ぅ … いいですよ 、 』
急な誘う言葉に頬を赤く染め 、言葉を詰まらせながらも許可を出す 。
ちゅ 、なんてかわいい音を立てながら触れるだけの口付けを繰り返される 。それがなんだかもどかしくて 、もっと深いのを求めた 。
『 ん 、ふわさ 、もっと … 』
声を小さく漏らせば頭を掴まれがっつくような口付けを受けた 。舌を絡めて 、空気の逃げ場も無くすように 。深くするそれに頭が仕事を放棄しだす 。何も考えられない 、目の前の恋人にもたれかかった 。
「 っは … かわい 、とろけちゃった ? 」
『 ぁ 、う … ふわさ 、すき … 』
「 何その顔 、喰っていい ? 」
『 ん … 味わってくださいね 、 』
最後に大きな煽り文句を残してベッドに沈んでやった 。
『 腰が … い゙ッッ゙ … たぁ 、 』
まあ 、こうなるよね 。
誤字脱字等ありましたら報告お願いします … 😣
大好きな友と喧嘩しちゃって話せなくなっちゃって酷く寂しいので届くようにfwhrで釣ります 。ごめんね 、大好きだよ 。
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リア友?