テラーノベル
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太宰「此処か…」
僕の目の前には大きな建ったばかりの新しい建物がある
此処は今回の任務の場所だ
今回の任務は殲滅
部下と僕で組織を殲滅する
太宰「僕の援護をしてね」
部下「はい」
僕は堂々と正面口から組織の拠点へ入った
中に入るとすぐに敵がいた
敵が僕の存在に気づき銃を向ける
僕も敵に銃を向ける
相手より早く撃つのは僕にとっては容易だった
しかし構えても指先が動かなかった
バンッ
後ろから銃弾が飛んできた
如何やら部下が撃ってくれたらしい
部下「大丈夫ですか!」
太宰「うん大丈夫」
何故撃てなかったのか理解が追いつかなかったが時間も無い為先に進む事にした
其の後も沢山の敵が来たが僕は一度も銃を撃つ事が出来なかった
部下の数も減ってきた
そろそろ僕も役に立たないと殺される
…嫌、一層の事此のまま死ねたら好都合か
でも痛いだろうなぁ、苦しいだろうなぁ
僕は痛いのも苦しいのも嫌いだ
あれ、僕先程も苦しいって思わなかったっけ?
先程ってどれくらい前だっけ?
僕、何か忘れてる?
太宰「ッ、」
頭痛がする
頭が割れるように痛い
早く敵を殲滅しなきゃいけないのに
痛すぎて立てない
眩暈がする
ボス「お疲れな様ですね、太宰幹部」
太宰「ッ、ッ、」
ボス「…聞こえていませんか」
ボス「此方としては好都合だ」
ボス「死んで下さい」
すると背後から銃声がなる
其の銃弾は敵の心臓を貫いた
ボス「かはッ」
僕の目の前が血の海になった
何が起こったんだ
部下はやられている筈なのに何で
僕の体が浮遊感で包まれる
眩暈がひどくて何が起こっているのか判らなかった
きみはだれ?
太宰に付けていたGPSを辿る
此の前、盗聴器と一緒にGPSを付けて良かったと我ながら思う
探偵社との話し合いの末、一度太宰を捕獲する事になった
俺は今、其の捕獲に向かっている途中だ
こんな森の中に居なさそうだがGPSが此処を指している以上行かない訳にはいかなかった
暫く進むと森の中にある大きな建物が見えた
GPSは其の建物の中を指していた
近づくにつれ銃声がしたので任務なのだと理解した
中に入ると入り口から死体の山が出来ていた
廊下を進んでもあちこちに死体が転がっていた
最上階に近づくにつれ死体の数が増えているのでボスが上にいる事を把握した
きっと太宰はボスの処に居る筈だ
最上階に着くと太宰が座り込んでいた
目の前にはボスらしき人物がいる
其の人物が太宰に銃を向けていたので咄嗟に俺は敵に向かって銃を撃った
俺の銃弾は敵の心臓を貫いた
急いで太宰に近づくと太宰は顔色を悪くして下を向いていた
大きな怪我はしてなさそうだったので太宰をおぶって探偵社へ向かった
探偵社に入るとみんな驚いた顔をして俺を見た
敦「もう捕まえたんですか、?」
国木田「流石ポートマフィア幹部」
与謝野「早いねぇ」
与謝野「太宰をこっちに連れて来な」
俺は女医に着いて行き太宰をソファで眠らせた
与謝野「酷い顔色だね」
与謝野「何か変わった様子は?」
中也「俺が見つけた時には頭を抑えて蹲ってた」
与謝野「頭が痛かったのかねぇ」
乱歩「太宰との接し方は気を付けろ」
乱歩「場合によっては取り返しが付かなくなる」
中也「判った」
俺は静かに返事をした
太宰が探偵社に来て一時間が経った頃
太宰が目を覚ました
太宰「…何処」
中也「目が覚めたか」
太宰「君あの時の、」
中也「俺の名前は中原中也だ」
太宰「…僕は太宰治」
中也「なぁ太宰」
太宰「何?」
中也「本当に記憶がねぇのか」
太宰「…記憶?」
中也「手前が首領にされた事も覚えてねぇのか」
太宰「…僕が森さんに?」
中也「ッ」
中也「お願いだ、思い出してくれ」
中也「俺にもう一度だけチャンスをくれ」
中也「今度は絶対に助けるからッ」
太宰「助ける?僕を?」
太宰「何で?」
太宰「如何して君は僕の事を知ってるの?」
太宰「僕、何か忘れてるの?」
太宰「…あ、そうだ」
太宰「ねぇ?」
中也「何だ」
太宰「僕ってさ昨日まで何してたか知ってる?」
太宰「全然思い出せないんだ」
太宰「苦しくてつらいって思ってた気がする」
太宰「逃げたいって助けて欲しいって願ってた気がするんだ」
中也「ッ」
俺は思わず太宰を抱きしめた
中也「御免なッ御免なッ」
太宰「何で君が謝るの…?」
太宰「ッ」
急に俺の腕の中で太宰が苦しみ始めた
太宰「ぃたぃッ」
中也「太宰!」
騒ぎを聞きつけて女医が部屋に入って来た
与謝野「如何したんだい!」
中也「太宰が!」
太宰「ぃたッいたいッ」
与謝野「大丈夫だから体の力を抜きな」
与謝野「力が入り過ぎだよ」
与謝野「深呼吸して」
太宰「ふ~、ふ~、」
与謝野「如何してこうなったんだい」
中也「俺が謝ったら急に苦しみ始めて、」
乱歩「あまり無理をして思い出させない方が良いかもな」
中也「でもッ」
乱歩「きっとまた混乱する」
太宰「…だれ?」
乱歩「僕の名前は江戸川乱歩」
与謝野「妾は与謝野晶子だよ」
太宰「…何で僕此処に居るの?」
乱歩「太宰を救う為に連れて来た」
太宰「僕を救う…?」
乱歩「あぁ、君を救う為に」
四人で会話をしていると探偵社の入り口から大きな音がした
バンッ
敦「大変ですッ!」
人虎の慌てた声を聞いて名探偵と女医が入口へ向かった
社長「何故此処に居る、森鴎外殿」
森「太宰君を迎えに来ました」
社長「太宰を酷い事をしておきながら何を言っている」
森「契約した筈です」
森「太宰君の移籍を」
森「今、彼の首領は私です」
森「太宰君を返して頂きたい」
社長「断る」
森「…太宰君、居るよね!」
森「出ておいで」
入口の方から首領の声が聞こえる
何故此処にいるッ
太宰「森さんだ」
太宰「僕行くね」
中也「待てッ」
森「太宰君、迎えに来たよ」
太宰「判った」
中也「太宰ッ」
俺は太宰の腕を掴む
森「君も此処に居たのだね、中也君」
中也「太宰は渡しませんッ」
森「…太宰君おいで」
森「来ないと…判るよね?」
太宰「ッ」
太宰「戻りますから、」
乱歩「…みんな行くよ!」
其の掛け声と同時に探偵社員が森に襲いかかる
乱歩「素敵帽子君、行って!」
俺は太宰の手を引っ張って外へ連れ出した
太宰「何するのさ!」
中也「良いから黙って着いて来い」
俺は太宰を思い出の場所へ連れてった
太宰「此れ誰のお墓?」
中也「手前の友達のだ」
太宰「友達…?」
中也「名は織田作之助と言ってお前の唯一の友達だ」
太宰「…死んじゃったの?」
中也「あぁ」
中也「こいつは死ぬ間際、お前に光の世界に行けと言った。光の世界に行って人を救えと遺言を残した」
中也「そしてお前は光の世界に行って探偵社に入り人を救う仕事を始めた」
中也「だがある任務で探偵社員1人の移籍を条件とした駆け引きでお前は又ポートマフィアに戻って来た」
中也「しかしお前は人を殺せなくなっていた」
中也「だから首領がお前に調教をしてお前の記憶を消した」
中也「だから今のお前には記憶がねぇ」
太宰「…織田作之助」
太宰「中原中也」
太宰「森鴎外」
太宰「探偵社」
太宰「ッ」
太宰が頭を抑えて苦しみ出した
太宰「痛いッ」
太宰「痛いッ」
中也「頑張れッ太宰」
中也「頑張れッ頑張れッ」
頭が割れる様に痛い
苦しい
つらい
僕は矢張り忘れていたんだ
大切な事を
大切な記憶を
思い出さなきゃ
思い出したい
思い出せ
◯◯「太宰」
太宰「…?」
◯◯「頑張れ」
◯◯「お前なら出来る」
太宰「僕に出来るかな」
◯◯「お前なら出来る」
太宰「何で判るの?」
◯◯「誰よりも判るさ」
◯◯「だってお前は俺の友達だからな」
太宰「…織田作、?」
だ、 だざ、!だ、い!
太宰!
太宰「!」
中也「大丈夫か!?」
太宰「…中也」
中也「お前ッ!」
太宰「ッ中也!」
太宰が俺に抱き付く
太宰「苦しかったッ」
太宰「つらかったッ」
太宰「逃げたかったッ」
太宰「あの地獄から救って欲しかったッ」
中也「ッ御免な、太宰ッ」
太宰「馬鹿蛞蝓!チビ!阿呆!泣」
太宰「…助けて、中也」
中也「おう、絶対に助けてやる」
もう手放したりしない
今度こそ絶対に助ける
どうでしたか?
二日続けての投稿は珍しいですよね
夏休みなのでたくさん書きます!
私、この前バイト受かりました!
部活にバイトに勉強に大変ですけど
投稿も頑張ります!
次回は❤️1000で投稿します!
ではまたね!
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