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*第三話* . 放って置かないで _ 。
不意に俺の口から出た言葉に 、 天城は何も表情を変えなかった 。
ただ 、 笑ってもいない 。
お前は … 何を考えているんだ …… ?
すると突然 、 俺の手を握って …
「征四郎 、 全部僕にお話をして 。 何も嘘をつかないで 。 偽りなく全てを言って 。 」
真剣な眼差しで俺を見つめる 。
だけど俺は分かってる
お前に俺のことを話したら … 、
またお前は不安になりパニックになる … 。
俺は … 、 言いたくても言えねぇんだ … 。
………
もう … 放って置いてくれ …… 。
俺は何も言えずにいた
嘘はつけないから 。
ただ 、 本当のことも話せない 。
たとえ兄であるお前にも …… 。
俺は自分の部屋へ逃げた
鍵を閉めて 、 窓を開けて 、 煙草を取って …
薬を手に持つ 。
嫌なことは … 、 紛らわせればいいんだ … 。
ぜんぶ … 、 ぜんぶ …… !
また … 、 適量以上を飲んだのか … ?
なに … してんだ …… 。 おれ …
でもいい … 、 あいつ ( 天城先生 ) が不安になって苦しむくらいなら ……
俺が苦しむのがいい …… 。
煙草に火をつけ 、 吸う 。
薬を取り出し 、 飲む 。
いつしか俺は 、 それが当たり前になった 。
部屋のゴミ箱には山ほどの煙草と薬の入れ物が捨ててある
だが … 、 朝起きるとそれはなかった …… 。
……… 、 俺また怒られるな … 。 (苦笑
部屋を出て 、 階段を降りると 、 リビングの机の前に 、 俺の山のようなゴミと 、天城がいた 。
いつの間に俺の部屋へ入ったんだ 。
……… 、
「征四郎 、 そこへ座って ? 」
天城は笑って俺に声をかけた
笑っている方が怖さが増すだろ … 。
でも俺 、 今日手術あんだよ 。
どうせ怒るなら帰ってから怒ってくれ 。
俺は座らなかった 。
怒られるのが面倒なのでもなく 、 手術があるからでもなく 。
俺が適量以上の薬を飲んだ現実から逃げたかった 。
そうじゃないって 、 言い聞かせてるから 。
冷蔵庫から水を取り出して
クローゼットから白衣を取り出して
リビングの扉を開けようとした時 …
「征四郎 ! ! ! 」
天城が声を上げた 。
そんなに俺に現実を見せたいのか … ?
ぃゃ 、 俺が現実から逃げていることを知らないからか 。
……… 、 もう 、 放って置けよ …… 。
俺はリビングの椅子へ座った 。
天城の顔から笑顔は消えていた
俺を怒るのか … 。
「征四郎が僕に話したくないのも分かった 。
…… 、 僕が征四郎の行動を止められないのも分かった 。
征四郎 、 僕のことを思って言えないの … 」
俺は天城の言葉を聞き終える前に言った
「お前のことを思って言えねぇんだよ ! ! !
……… 、 もう … 放って置いてくれ …… 。
これ以上 … お前のことを …… 。 」
本心じゃない
偽りだ
お前のことを思っているのは本当
でも … 、 放って置かれるのは … 嫌だ … 。
…… 。
言ってしまったものは言ってしまった
これでいいんだ …
これで …… 。
俺は家を出た