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愛したのは、

1 - 第一話 あなたとわたしのはじまり

♥

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2024年06月29日

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attention

ここのサイトのルールを一応調べましたが、分からないことばかりなので、なにか粗相がありましたら申し訳ございません。

・男主(男の夢主)

・癖の強い男主(ネームド)

・男主×むかいさん

・異能雪男設定

・バッドエンド

新曲を見てから心が落ち着かず、衝動的に書いてしまいました。どの方の地雷にも配慮しておりません。自分にしか刺さらない設定、ストーリーですので、攻撃的なコメントはお控えください。


さわりだけで短いです。








この世界には異能というものが存在する。それは、人智を超えた神の力。異能を手にした選ばれし者は、異能者と呼ばれ恐れられていた。

異能者たちは自らを迫害する者たちから身を守り、日々を暮らしている。そうして幾つも出来上がったのは、異能者集団。




九人の異能者を有す『雪男』も、その一つだ。



陽動で行ってこいと上の人間に蹴飛ばされ、どうにもならない状況で乗り込んだ敵対組織、雪男のアジトで、俺は氷と炎の猛撃から何とか耐えていた。



一人は筋骨隆々の炎の戦士。本名は岩本照。炎の異能を操る異能者で、近接戦、肉弾戦を得意とするようだ。

俺に対して炎の広範囲攻撃が効かないとわかった瞬間、即座に近接戦に切り替えていた。単純な強さ、判断力共に並大抵の者では数瞬の後にやられてしまうだろうなと容易に想像できた。

今も超高温の炎を纏った鋭い拳が俺の耳を掠めていった。間一髪で避けたものの、まともに食らったら顔ごと吹き飛ぶだろう。


首の皮一枚で繋がれるような攻防を繰り広げていた俺は、背後からの気配に思わず全力の回避行動を取る。



キィン、と空気が冷たく震える音と共に、俺のたっていた場所に氷の柱が突き刺さっていた。思わず背後を振り返ると、頬に文様を宿した男がこちらを射抜いている。

氷の正体はこの男、宮舘涼太だった。俺がアジトへと侵入した瞬間、真っ直ぐに俺の首を狙ってきた異能者。

近距離攻撃はその一撃だけで、他は俺と岩本照の戦いを眺めながら、その首を落とさんと氷の妨害を寄越してくる。俺が宮舘涼太から意識を逸らした瞬間、氷漬けにされる。俺はそう感じとっていた。

といっても。


二対一とはいえ、俺はなかなかに善戦している方ではないだろうか。膠着こうちゃく状態には恐らく持ち込めているはずで、しかも彼らの属性は正反対。ここで下手に能力を解放すれば、拮抗した力により彼ら自身も被害を免れないだろう。

というか腕試しにと遊び半分でアジトに侵入したのが大分間違いだったのだ。彼らは全員死ぬほど強い。痛み分けで済まないくらいだ。


粒子パーティクルを操る男、佐久間大介。そして、重力操作の異能を持つ向井康二。 この二人が来てしまえば、一気に俺は不利になる。そんなにやる気のない陽動を終えてトンズラする前に普通に死んでしまう。




桃白の粒子が視界の端に映った瞬間、全力の異能を発動させ、炎に耐えていた異能の全てを心臓の保護に注いだ。

「うっあ、いってぇええ!!」

炎のから飛び去り、目の前に溢れた桃華を振り払う。それでも肋骨を超えて心臓がぎしりと痛んだ。

「これも防ぐの?」

粒子が一つの固まりとなり、桃の長髪の男となって顕現した。何とか防いだ俺へ、驚愕の視線を向けている。

しかし俺にはその視線に構っている余裕はなかった。ひたすら痛い。心臓に針を突き刺されているような激しい痛み。戦っていたことも一旦放っておいて、ゴロゴロと床を転がった。



「いってぇ!!ボスに根性焼き五百回された時より痛い!」

「…ブラックすぎひん?」

頭上から呆れたような訛り混じりのハスキーボイスが降ってきた。痛みに悶えていた俺はだいぶ涙目になりながら目を開けた。

頭上には影になるほど大きな岩石が浮遊していて、死ぬかもと走馬灯が過ぎったがそんなものは一瞬でどこかへ飛び去ってしまった。


焦げ茶の柔らかな髪、細めた瞳には蜂蜜のように美しい瞳が宿っていた。どこか異国を感じさせる顔立ちからして、南方の血が混じっているのだろうか。



そこまでじっくり見上げた瞬間先程までの心臓の鋭い痛みとは異なる、じんわり重い痛みが広がった。

「お兄さん、かわいい」

「…は」



ぼーっと顔を眺めていると、ぽつりと言葉が漏れてしまった。その言葉を口にすると、俺はまたさらに心臓が高鳴るのを感じた。



後から思えばこの出会いは必然だったのだ。きっと、どうしようも無い人生を送っていた俺を運命の三女神が呆れながら寄越した出会い。

俺の人生を大きく変えた、かけがえのない存在との出会いだった。






つやつやとした唇が開いて、ちょっと間抜けなぽかんとした顔もひたすらに可愛く見えてもうダメだった。

「やばいかも、俺めっちゃ貴方のこと大好きかもしれない」

「は、いや何言って、」

「もうやめたやめた。どうせ組織貴方の仲間にやられて無くなってるし、貴方に一目惚れしちゃったし」

「はぁああ!?」

後方の方で驚きを込めた叫びが聞こえたが、そんなのはどうでも良い。

飛び跳ねながら起きて、目つきの悪い顔を限界まで柔らかくして笑みを作った。目を白黒させている彼の手を柔らかく握って、言葉を紡ぐ。

「名前は?俺は玲」

「え、あ、向井康二です」

「康二くん!ねぇ俺と結婚してくれない?」

「へっ!?!?」

「絶対幸せにするよ。お金あるし、康二くんがやりたいこと全部叶えてあげれる自信あるし」

「いや俺ぇ…」



ドギマギと目を白黒させている姿も可愛くて、声が限界まで蕩けている自信がある。

蜂蜜のようなブラウンベージュが視線をさ迷わせた後、俺を見あげた。少しだけ潤んだ瞳にどうしようもなく庇護欲が唆られて、頭がおかしくなりそうだ。

何秒か、何分か見つめあっていると首元にいつの間にか炎の刃が当てられていた。

「…おい」

「あ、やべ」

熱いのに冷たい気配を感じて振り返ると、絶対零度の目をした岩本照がやばいオーラを出しながら睨みつけていた。

俺の手の中の康二くんはどこかに行ってしまって、この空間からは居ないことが分かる。

「あぁ!康二くん居なくなっちゃった」

「随分舐めてるな、お前。あの組織の別働隊だろ」

鋭い目をしたまま、岩本照はそう言った。だからさっきも言ったのになあと思いながらも続きを話す。

「んー、あの組織から逃げ出せなくていただけだからなぁ。それに、あなた達にはアイツら勝てないだろうし」

「…」

「ね?壊滅したならそれでいいの。それよりも俺は康二くんと居たいかも!」

きっと、笑ったらとても可愛いのだろう。太陽のように、花のように、明るく、美しい。彼の色んな姿を見てみたい。


その一心で俺は岩本照に全身全霊の土下座をかました。


「拷問でも尋問でもなんでも受けるので、康二くんのそばにいさせて下さい!お願いします!」







第一話  あなたとわたしのはじまり

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