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「なぁーじゅうーお弁当食べよ!」
「じゅうー!今日も一緒に帰ろな!」
「じゅうは今日もかっこええなぁ! ほんま”好き”やわぁ!」
俺の片思いしている舜太は、距離が近い。
そして、普通のように”好き”と言う。
舜太は幼稚園からの幼なじみで仲がいいからかもしれないが。 その言葉に、いちいち期待してしまう自分が嫌だった。
「……はいはい、ありがと」
いつものように軽く返せば、舜太は「なんやそれ〜」と頬を膨らませながら俺の腕を揺らす。
近い。舜太は本当に距離が近い。
こんな距離で笑いかけられて、勘違いせん方が無理でしょ…
「じゅう、今日購買行く?」
今日もにこにこで話しかけてくる。
「…行かないかなぁ。お弁当持ってきてるし」
「えー、付き合ってやぁ!じゅうと一緒に行きたいんよ! 」
ほら、また。
まるで俺が特別みたいな言い方をする。
でも舜太は、多分深い意味なんてなくて。
誰にでも優しくて、誰にでも愛嬌を振り撒ける奴だから。
…わかってる。俺だけじゃない。
そう言い聞かせているのに、
「じゅう、はよ!」
少し離れたところで振り返った舜太が、当たり前みたいに俺を待って笑うから。
「もー、仕方ないなぁ」
「ほんまに!ありがとう!」
舜太は俺の手を握り、引っ張っていく。
「ちょ、引っ張んなって」
「ごめんってぇ笑」
それでも手はつながれたまま。
「手、離さないの? 」
「俺が繋ぎたいの!」
期待するなって方が、無理だった。