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年越しそばがいいなぁと思っていたしまわりの人もお蕎麦食べてる人が多いような気はしたけど、結局天ぷらうどんにした。メニューの写真がすごく美味しそうだったから。
「蕎麦じゃないんだ?」
「そっちこそ」
なんだかんだでお互いに注文したのはうどん。ごめんよ、蕎麦。私はうどんで年を越すわ。
「今日はどんな設定ですか?」
「何が?」
「この前はクリスマスデートの設定だったけど」
「ああ〜。じゃあ今日は年越しデートっぽく」
「年越しデートって何? 全然わからないんですけど。そもそも年越しそば食べてない時点で間違えてません?」
「そう? 長峰は毎年大晦日は何してるの?」
「仕事か家で紅白見ながらゴロゴロですかね」
「私は家で紅白見ながら彼氏と年越し」
「ああ、だから年越しデート?」
「そういうこと」
まあ、それがデートかと言われるとちょっと微妙だけど。だけどどこかに行かなくても家でまったりするのもデートのうちよね。
そんな話をしていると、ホカホカの湯気が立ち上る天ぷらうどんが目の前に置かれた。えび天とかき揚げがドンとのっている。最高か。
長峰のは鍋焼きうどん。グツグツと音が聞こえる。食欲を刺激する音。うーん、お腹すいた。
いただきますをして箸をつける。
うんうん、想像通り美味しい。
「その理論で行くと」
「ん? 何の理論?」
「結子さんの年越しデートプランとしては、俺はこのあと結子さんちで年越しすることになる」
「げほっ!」
店員さんが振り向くほどむせた。危うく喉につまるところ。窒息したらどうしてくれるんだ。
やっぱり冷しうどんにすればよかったかしら。