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ルリとスラっちが部屋に戻ってしまってから、今度は残った俺たちで、モンスターたちに順に指示を出すことになった。
「じゃあ、まずは受付からかな」
そう独りごちて、ゼロがモニターごしに呼びかけると、シルキーちゃんたちがわらわらとモニター前に集まってくる。
「おはようございま~す!」
「何か御用ですかぁ~?」
うん、今日も可愛い。癒される。
「えっと実は今日、午後から王子様が視察に来ることになってるんだ。お付きの兵士さんたちも5~6人は来そう」
ゼロの報告に、モニターの向こうでは一斉に歓声が上がる。
「きゃーっ!」
「すご~い! 王子様ですって」
「どうしよう、緊張しちゃう」
おお、ここでもやっぱり王子様って人気なんだなぁ。完全に舞い上がっているシルキーたちの周りから、ピンク色のキラキラオーラが溢れている。
声が収まるのを待って、ゼロは思いのほか冷静に指示を出していった。
なんせ彼女たちには王子様ご一行をしっかりと出迎えてもらわねばならない。第一印象は重要だもんな。
ゼロの指示を受けて、モニターからは「いらっしゃいませ!」と声を揃えて挨拶を練習する声が響きはじめる。うん、既に息もぴったりだし、この調子なら彼女たちは心配無いだろう。
続いてダンジョンのモンスターの配置を確認し、ドワーフたちには店の準備を頼んだ。
ご褒美ルームのエルフたちには、俺たちが行くまで昨日の練習を続けて貰っているけれど、意外なことにエルフ達は王子様の来訪にさほど興味がなさそうだ。
シルキーちゃんたちやルリを見ていたから、エルフたちももっと喜ぶかと思ったのに、ミズキやヤイバ、コノハといった女性陣が互いに顔を見合わせて囁きあっただけで、あっさりと練習に戻ってしまった。
ルリの方がよっぽどミーハーな反応だ。ちょっと肩すかしをくったような気分だけれど、もしかしたら今は、ゼロに認めて貰うほうがよっぽど重要なのかも知れない。
一生懸命に訓練に励むエルフたちに、出来るだけ早く行くと告げ、俺たちはいったんモニターから離れた。
ここからはもう、いつもの流れだ。俺からダンジョンコアを受け取ったゼロは、まず新着情報から確認していく。
『ルリが新たなスキルを入手しました』
『ゼロ、スラっちのレベルが上がりました』
『ゼロが、新たな称号を入手しました』
『条件を満たしたため、新たなモンスターが召喚可能となりました』
『分裂によりスライムが2匹増えました』
次々と流れていくアナウンス。しかもどんどん増えるな、スライム一族。だが、それでもダンジョンに配置出来るモンスターの数は、まだまだ少な過ぎる。
今の頭数は、スライム9体、ピクシー6体、ポイズンスライム6体、ゴブリン6体、オーク6体、コボルト6体……これで全部だ。
駆け出し用ダンジョンのモンスターは、召喚出来るモンスターが増えてから追加しようと思っていたし、今こそ検討の時だろう。俺たちは、新たに召喚出来るようになったモンスターのラインナップをじっくり見る。
「あっ、すごい」
「ああ、めっちゃ増えてるな」
なんと新たに30種類くらいが召喚出来るようになっていた。これなら選び放題だ。
「おっ、これなんかいいんじゃないか? キラービーとか巨大アリとか集団で出るとやっかいだし、繁殖力も強い」
「僕、虫キライ……絶対ムリ」
あ、そう。
「じゃ、ゴーストとか」
ダメか。無言で青くなってるし。
そうだった。
ちょっと忘れかけてたが、そういやこいつはヘタレだったんだよ。その実力が今、如何なく発揮されていた。
ゼロのダメフィルター『怖い、キライ、気持ち悪い』にひっかかったモンスターを排除すると、召喚出来そうなのはわずか10種類程に絞られてしまった。
戦闘向きなモンスターはかなり少ない。ダメフィルターにことごとくひっかかるからだ。
結果、俺たちが召喚出来るモンスターのラインナップは以下の通りとなった。
・マドハンド
・ロングイヤー
・プチこうもり
・ツル薔薇
・おばけきのこ
・プチドラゴン
・ホーンフィッシュ
・ホブゴブリン
まぁ、ここまでは戦闘向きだ。あとの2種は召喚するならスタッフだろう。
・ホビット:身長100cm前後の小人。大工仕事や農作業が得意。
・ブラウニー:浅黒い肌のイタズラ好きな少年。仕事を手伝ってくれる事も。
説明からして戦闘向きな気がしない。ただ、レア度2の妖族をコンプリートするなら必要だから、迷うところだ。
俺とゼロは話し合いの上、ホーンフィッシュを除く、戦闘向きの7種のモンスターを各6体、召喚することに決めた。
ホーンフィッシュはまだ水場を戦闘区画にしてないから使いどころが無い。
そして妖族2種は王子様が帰ってから召喚だ。ブラウニーをヘタに召喚して、王子様に笑えないイタズラでもされたらシャレにならない。