コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
成人おめでとうございます👏🏻🥳(昨日)
自分の年齢は内緒です🤫((聞いてない))
高校一年生の秋。
ちょうど2学期が始まったばかりでじめじめとした暑さが残っていた。
そんな時に転校してきたやつがいた。
pn「ぺいんとです。ゲームが好きです!よろしくお願いします」
片目にかかった黄色い髪の隙間から見える黄色い瞳に目を奪われた。
第一印象は少し陰気な感じだけど、話が合いそうだった。
偶然か必然か、ぺいんとは俺の前の席になった。
rd「ぺいんとくん」
pn「ん?何?」
rd「俺、らっだぁ。俺もゲーム好きだよ」
pn「え、そうなの!?どんなゲームしてる?」
rd「マイクラとかよくやってる。でも色々やってるよ」
pn「俺もマイクラやってる!えー、一緒にやりたい!」
rd「ね!今度遊ばん?」
pn「いいよ!めっちゃ楽しみ!」
ゲームの話で盛り上がりすぎて先生に怒られた。
その日はあっという間で、一気にぺいんとと仲良くなった。
まるで、出会ったばかりとは思えないほどに。
pn「らっだぁって勉強できるんだね?w」
rd「はぁ〜?なんかバカにしてるでしょw」
pn「なわけないっすよぉw」
rd「いやバカにしてるだろw」
pn「いやいやいや………あ、ごめん俺こっち!じゃあな!」
rd「え、うん………また明日な!」
ぺいんとの行く先には綺麗な満月が浮かんでいた。
それから俺たちはたくさん遊んだ。
こんなに仲の良い友達は初めてだった。
秘密なんてないんじゃないかと思うほどに互いを知り、信頼し合っていた。
でもある時、ぺいんとが不思議なことを言った。
pn「もし俺が違う星から来た人だったらどうする?」
いつも突発的におかしなことを言うとは思っていたけど、妙に真剣に聞こえた。
rd「どうって…………別に気にしないけど?」
pn「そっかー。ありがとな!」
何でそんなことを言ったのか。
そう聞こうと口を開いた瞬間、ぺいんとがいつものように話し出して結局聞けなかった。
日々の授業、運動会、修学旅行。
毎日を過ごす度にアイツとの思い出がどんどん増えた。
忘れられないほど色鮮やかな思い出。
2度と忘れない高校生活だった。
2年後。
俺たちは高校3年生になっていた。
その頃も秋でじめじめとした暑さに包まれる日々が続いていた。
いつものように俺達は2人で帰った。
突然、ぺいんとがまたおかしなことを言った。
pn「俺ね、月から来たの」
rd「……………は?月?何言ってんの?」
驚いた俺の顔を見てアイツは笑った。
pn「そう、月」
rd「え、嘘でしょ?w」
pn「…………………ううん、嘘じゃない」
rd「え……………何で俺に話したの?」
俺が理由を尋ねると、ぺいんとは少し口ごもった。
pn「…………………俺、帰んなきゃダメなんだ」
rd「帰るって………月に?何で?」
pn「んー………そういう決まり?18になる月……俺なら10月の満月の日に帰るっていう」
rd「………そうなんだ」
pn「だから今日で最後なの。言ったのは、らっだぁには忘れてほしくなかったから」
rd「何それ………」
pn「…………信じられないよな、うん」
「でもごめん、行かなきゃ。またな!」
ぺいんとの太陽みたいな眩しい笑顔を見たら涙が止まらなかった。
俺も笑顔でいなくちゃダメなのに。
泣きたいのはアイツだったはずなのに。
「またね」って笑顔で送り出さなきゃダメなのに。
rd「お前なんか………ぺいんとなんか嫌いだ…………!!」
心にもないことを小さく叫んでいた。
ぺいんとは泣きそうな表情を浮かべていた。
pn「満月の日は思い出してね」
そう言うとすぐに俺に背を向けて走り出した。
その日もぺいんとの行く先には満月が浮かんでいた。
空に浮かんでいるのは綺麗な満月のはずなのに、なんだか虚しく見えた。
rd「(ぺいんと、どうしてんのかな)」
翌日、学校に行ってもぺいんとは来なかった。
言い過ぎたとは思ったけどそんなんでムキになるようなやつではない。
先生に聞いても転校したとは言わなかったし、そもそもぺいんとを忘れているようだった。
それからずっと、アイツが来るのを待っていた。
大学受験当日にだって、ぺいんとが来てるんじゃないかと思い、受験を終えてから学校に行った。
それなのに、いつまで経ってもぺいんとは来なかった。
rd「もう卒業だよ………」
高校最後の春。
卒業式の日にもぺいんとは来なかった。
ぺいんとと会わなくなって気付いたことがあった。
きっと俺はアイツが好き。
日に日に「会いたい」とか「寂しい」という思いばかりが募っていく。
気がつけば、ぺいんとのことを考えている。
もう一度会えるなら、嫌いと言ったことを謝り、好きと言って告白したい。
rd「はぁ………また残業か……………」
8年後。
俺は仕事に追われるばかりの社会人になった。
大学も卒業して彼女だっている。
けれど、最近は息抜きもあまりできていないし、好きだったゲームを触ることすら叶わない。
ぺいんとのことだって、とっくに忘れかけていた。
ようやく仕事を終えて家に着いた頃には0時を回っていた。
早く寝ようと体に鞭を打ってシャワーを浴びた。
rd「めんどくせ…………」
面倒臭くて最近はろくにご飯も食べてない。
うとうとしかけていた時、インターホンが鳴った。
rd「誰だよ、こんな時間に…………」
非常識なやつだと思いつつ、玄関の扉を開いた。
rd「何すか?迷惑なんですけ、ど…………」
pn「ごめん。久しぶり」
rd「な、何でぺいんとが」
pn「えっと、色々あって………。とりあえず上がっても良い?」
rd「あ、うん………散らかってるかもだけど」
pn「大丈夫。お邪魔しまーす」
ぺいんとを中に上げてお茶を出した。
お互い気まずくて黙っていた。
あのさ、と話し出すとぺいんとと被った。
pn「いいよ、先」
rd「いやいいよ。ぺいんとから話して?」
pn「うん………。あのさ、部屋汚くない?」
rd「は、はぁ!?何話すかと思ったらお前………!」
pn「いやごめんごめんw」
「なんか気になってさ。掃除とかしてないの?」
rd「うん。最近忙しくてまともに家事もできてない」
pn「そっか………大変だね」
rd「ほんとだよ。………え、それだけ?」
pn「いや、そうじゃないけど………。とりあえずお前喋ってよ」
rd「じゃあ…………高3の時、嫌いって言ってごめん」
ぺいんとに向き直して言うと、アイツは笑った。
pn「めっちゃ前の話するじゃんw」
「いいよいいよ。帰る当日に話した俺も悪いし」
それっきり話すこともなくなって、また沈黙が訪れた。
rd「俺は終わったから、ぺいんと話してよ」
pn「………………俺、家出してきた」
rd「は?家出?何で?」
pn「高3の時、月から来たって言ったでしょ?」
rd「うん、めっちゃびっくりした」
pn「あはは、ごめんね。それで、俺はそろそろ結婚しなきゃダメなの」
rd「それも月の国の決まり?」
pn「うん。だからお見合いして、婚約までしたの」
rd「で、それが嫌になったってこと?」
pn「そう。……………それと、会いたい人がいて」
ぺいんとの会いたい人なんて想像がつかなかった。
rd「そっか。……………会いたい人って誰なの?」
pn「最後に言ってもいい?」
rd「え?うん、いいけど…………」
そこまで隠すこともないのにと思った。
pn「ありがと。帰りたくなるまでここにいていい?」
rd「あー……うん、いいよ」
pn「…………彼女できた?」
rd「うん」
pn「そっかぁ〜………どう?彼女」
rd「どうって……………最近は仕事ばっかで特に何も」
pn「いいなぁ、彼女」
rd「お前の家ってお偉いさんなの?月の国の中で」
pn「うーん、一応そんな感じ。実際はそうでもないけどね」
rd「ふーん。………あ、そういえば明日、俺の彼女来るわ」
pn「え、帰った方がいいよね?それ」
rd「んー…………」
ぺいんとの存在と一緒に、思い出したことがある。
俺はぺいんとが好きだった。
思い出した今だって未練がないわけじゃない。
彼女との時間よりもぺいんととの時間の方がずっと大事だった。
ぺいんととまだ一緒にいたかった。
rd「明日はいいや。まだいてよ」
pn「え、大丈夫なの?彼女さんに迷惑じゃない?」
rd「大丈夫じゃない?久しぶりに会ったんだし、もっと話したいわw」
pn「………………ありがと、俺も」
rd「かわい、」
pn「え?らっだぁなんか言った?」
rd「んーん、なんも。それよりお前の会いたい人って誰?」
pn「えー、今言う?」
rd「え、言わんの?」
pn「そこまで言うならいいけど……………」
rd「じゃあやっぱなしでw」
pn「はあ!?お前やばすぎw」
また話が途切れそうになって、気になっていたことを自然に聞き出そうと決めた。
rd「言いたがりなぺいんとのために聞いてやるかー」
pn「言ってることやばいw」
「俺の会いたい人はらっだぁだよ」
rd「…………………え、俺?」
pn「そ、お前」
意外すぎる答えに俺の思考はよくない方向に持っていかれた。
rd「なんで?あ、もしかして口封じとか?」
pn「違うわw」
「俺、婚約破棄したいの」
rd「え、まさか婚約破棄の証人やらされんの?」
pn「まあ、ある意味そうかもだけどw」
pn「……………………らっだぁさん」
pn「俺と結婚してくれませんか?」
rd「……………それはありなの?俺たち一応同性だよね?」
pn「それは大丈夫。そういうのには結構寛容だから」
rd「じゃあ……………俺でいいんですか?」
pn「お前でっていうか……………らっだぁがいいな、みたいな?」
rd「…………………………俺から言わせてもらってもいいですか?」
pn「え、はい…………」
rd「ぺいんと。俺と結婚してください」
pn「よろしくお願いします…………?」
rd「なんで疑問形?w」
pn「なんか信じられんくてw」
ぺいんとの柔らかく微笑む姿を見て、俺も口元が緩んだ。
rd「ぺいんとっていつから俺のこと好きだった?」
pn「それ熟年夫婦がする会話な?w」
「出会った時からだと思うよ?自覚したのは別れてからだけど」
rd「熟年夫婦ww」
「俺もだよ。一生離してやらんわ」
pn「一生離れてやらないわ!離したりしたらどっか行くからな」
rd「可愛いね、ぺいんと」
pn「うるせぇって………………」
rd「愛してるよ」
pn「…………俺も愛してる」
まだじめじめとした暑さが残る秋。
遥か遠くまで続く空には満月が浮かんでいた。
かぐや姫をモチーフにして作りましたが設定ほぼ消し飛んでますね‼️😡
今日投稿したのには大きな理由があるんです(一応)
結構わかりやすいですが考えてもらえると嬉しいです😘
終わり方が気に食わないので練り直してから更新します((((