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続けたいですけど恐らく続きません。気が向いたら。


文才なんかありません。

案の定駄文。駄文。

cpはどこかに記載してます。

主はにわかです。解釈違いがあると思います。

※ご本人様には関係ありません。

















『おはよー、刀也くん』

「あ、夢追さん、おはようございます!」

聞こえてきた声にパッと振り返れば、ノースリーブの白いパーカーを着た細身の男性。風でさらりと揺れた黒髪と、細められた赤い瞳。見慣れたその姿に自然と頬が緩んでしまう。

『刀也くんもゴミ出しに来たの?偉いねぇ』

「はい、今から学校なので、ついでに」

そうなんだ、と優しげに微笑む夢追さんに、僕も微笑みを返す。

夢追さんは同じアパート、それも僕の部屋の隣に住んでいる人だ。小さい頃はよく遊んでもらったし、今でも僕と夢追さんの二人で出かけるくらいに仲が良い。まるで兄弟みたいだと、僕の両親のお墨付きである。

「…夢追さんは今日も綺麗ですね」

『へ、?』

ふと思ったことをつい口走ってしまった。本心であるため別に気にしてはいないが。

さらさらの濡羽色の髪に、宝石のような赤い瞳。白くて華奢だが、所々に滲み出る男性らしさ。配慮の鬼で、常に気配りを欠かさない性格。話し上手で聞き上手。いつもにこにこと可愛らしい笑顔は、見ているこっちが幸せになってしまう。

そして何より、僕はその声が好きだった。男性にしては高いその声は、唯一無二の響きで僕の鼓膜を揺らす。

音楽が好きな彼の、そんな声で紡がれる歌はこれまた彼ならではで。心の弱い部分を抉るようで、それでも優しく寄り添ってくれるような。そんな歌。

ここまでの要素を兼ね揃えている彼に惚れない人はいるのだろうか。少なくとも、僕はすでに彼の虜だった。

ふっと意識を目の前へと戻すと、当の本人は僕の言葉にあー、とか、うー、とか意味の無い母音を繰り返している。言わずもがな顔は真っ赤である。

「ちなみに本心です」

『ぅぐ、』

待って、というように右の手の平をこちらに向け、左手は落ち着きなく動いている。視線も宙をさまよっていて目が合わない。

そのことへの不満半分、呆れ半分で口を開いた。

「毎回同じようなこと言ってるのにまだ慣れないんですね」

『そりゃあそうじゃない、!?』

そういうこと言うの刀也くんだけだよ、と凛々しい眉を八の字に下げた夢追さんが言う。そのことにふん、と鼻を鳴らした。

「周りの人見る目ないですね」

『いやそんなことないと思うよ?刀也くんが過大評価してるだけじゃ…』

「だからしてませんよ、本心ですって」

してる、してないの押し問答。先に折れたのは夢追さんの方だった。

『わ、分かった分かった。刀也くんが夢追のこと、す…き、なのは分かったから…!!』

好きという言葉に耳まで真っ赤にする夢追さんに、愛おしさが溢れそうになるが、ぐっと堪えて押し込める。余裕を持った表情で取り繕うと、さらに畳み掛けた。

「ふふ、僕が夢追さんを愛してることが分かって貰えたなら何よりです」

『あいし、っ!?そういうのは好きな子とかに言いな…!?』

「僕は夢追さんのこと好きですよ」

『いや、あの、違くて…』

僕の言葉にころころと表情を変えて動揺する夢追さんが可愛くて仕方ない。よく今まで無事だったなこの人。いや無事じゃなかったら怒りでどうにかなってたと思うけど。

『ぅ、からかわれてんなぁ僕…ほら、学校行くんでしょ、早くしないと遅れるよ』

「あ、話逸らした」

『まあそうだけれども!!早く行かなきゃなのは事実でしょ』

ほら、行った行った、と急かしてくる夢追さんに、今度は素直に頷くことにする。

「はぁい、行ってきます」

『ん、行ってらっしゃい』

ぽんっ、と頭を撫でられた。さり気ないその行為に眉を顰める。

「子供扱い」

『僕からしたらいつまでも子供ですー』

当て付けのようによしよし、と言いながらまた頭を撫でられる。その優しい手付きに絆されそうで頭を振れば、夢追さんは満足そうに笑った。

『それじゃ僕はもう行くね。刀也くん、学校ふぁいとだー!』

手を振りながら送り出してくれる夢追さんに、いつもの優しいセリフに、思わず口角が上がってしまう。 もやっとした気持ちもそれだけで霧散するのだから、本当にずるい人だ。

僕も小さく手を振り返して歩き出す。竹刀入れの肩紐をぎゅっと握りしめて、リズム良くローファーの踵を鳴らす。今日は良い日になりそうだ。きっと授業も部活も頑張れる。


だって、世界一大好きな人に、ふぁいとって言ってもらったんだから。





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