勉強会当日になった。待ち合わせは、近くの図書館。
先輩と二人きりなんて……!なんだか、できそうな気がする!
「こんに、ちは」
まだ、こうなってしまう。だけど、先輩は、優しい!
「こんにちは!今日、勉強頑張ろうね!」
やっぱり!優しい!!嬉しい!頑張れる!
だけど、そんな簡単にはいかなかった。数学……歴史……地理……
難しいのがたくさんある。どうすればできるんだろ。
「そろそろ、定期テストだね。緊張する〜!」
恥ずかしくて、勉強会なのに、わからないところを教えてもらう気分ではないな、。
でも、そしたら、……
定期テストできないじゃないか。思い切って……!教えてもらおう!
「こ、ここ、わかんない、んだけど……」
「教えてくれませんか?」
言えた。反応はどうかな、?
「あぁ〜!わかる〜!わたしもわかんなくてつまずいたところだ!」
「いいかな?」
よかった。
「もちろん、です。よろしく、お願いします。 」
こんな変な言葉遣いだけど、普通に接してくれる優しい先輩……!
優しく、丁寧に、教えてくれた。そのおかげで、わかるようになった。
先輩は、大学受験、するのかな、?聞いてはだめだと思うけど、気になってしまう。
「教えて、くれて、ありがとう、ございます。わかり、やすかった、です。」
言ってみよう。反応はまだわからないけど。
「あの……」
先輩の返事を深呼吸しながら待つ。
「どうしたの?」
よかった。でも、これからだ。
「あの、えっと、聞い、ては、だめだ、と思うけど、」
緊張する。反応がまだ分からないから。
でも、先輩は、頷いて聞いてくれる。
「先輩は、大学受験、するんですか、?」
言えたけど……
「え?わたしのことなんで言った?」
あれ?
「先輩、って」
なんだろ……?
あ!わかった!“先輩”って言ったからだ。
多分だけど。
「わ〜!うれし!先輩って言ってくれたの!ありがとう!」
「え、ちょ、少し、声が大きい、です、よ!」
「ごめんなさい……」
赤くなりながら謝る先輩。そんなにうれしかったのかな。
でも、やっぱり!先輩は“先輩”のことが気になってたみたいだ。
「だめ、ですか?」
「全然いいよ!むしろうれしい!」
知らないうちにこう呼んでいた。
「えっと、何の話だっけ?」
元いた話から脱線していた。
「先輩は、大学受験、やるん、ですかって」
少し緊張するけど先輩なら。大丈夫、だよね、?
「あぁ!それね!」
緊張しながら先輩の返事を待つ。
「するよ」
急に元気がなくなった先輩。将来に関することだからかな。
「ごめんなさい!」
「え?なんでよ?」
「え、しょ、将来に、関すること、だから。言わない方が、よかったかな、って思っちゃって。」
「いいよ!一緒に勉強がんばろ!」
そうやって勉強会は終わった。案外楽しかったかも。