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八尾くんは笠子病院という所から状態が急変し
大都市 鯵総合病院に搬送された
それでも様態が良くなることはなく、危ない状態だと聞き
県をまたぎ東京へ来た
ビー…ビー
「かなり危ない状態です、覚悟をしておいて下さい」
両親は憔悴していた
どんな気持ちでここにいるのか、想像もつかない
「はぁ…はぁ…」
八尾くんの兄も落ち着いていない様子だ
宥めることも今はできない
そして手術室は一段と慌ただしくなった
八尾くんの両親の目がさらに泳いだ、さらには呼吸が荒くなっている
だが
いきなり
手術室は静かになったのだ
八尾くんの両親は目を一点に止め、呼吸も整った
その瞬間、勢いよくドアが開く
医者の顔は今にも泣きそうな顔だった
「八尾くんは….っ…..」
そして泣き出してしまった
後で聞けば数週間前に医者になったばかりだという
八尾くんは担架で別の部屋へ連れてかれた
その部屋に医者の方は案内した、僕はそこにいたまま
その後、僕は病院の外に立たされて、八尾くんの両親を待った
僕はただ、八尾くんが無事なことを祈るだけだ
あの幸せな時間を一緒に過ごした友達
絶対に失いたくない、八尾くんは何も悪くない
絶対に八尾くんは死なない
そう思っていたところに
悲報が伝えられた
八尾くんの両親が長い時間が流れた後、病院から出た
両親の方々が手汗を流している僕へこう言い放った
「八尾は…..永遠に休みを取った」
…
分かっていた、心ではああ思っていても
実は助からないんじゃないかって
「和豊ォ……」
様態が急変したところで、自分にも
両親にも焦りが出ていたんだ
分かっていたんだ、だけど
僕と両親の方々はそこで泣き崩れてしまった
僕はそこで1番親しい仲ということで
警察に話をすることになった
色々聞かれて、正直緊張したが
八尾くんのためと思うと、緊張なんか吹き飛んだ
その日から1週間後
「あら、斗村 どこへ行くの?」
「あぁ、ちょっと体を動かしにね」
「まぁ、珍しい」
「三日坊主にならないでね」
「うん」
その日、僕は山奥へ入った、前のように
夜も近くないし、今日は休みなので、比較的早く外へ出れた
きっと和豊はアジトか住処を築いているはず
そこを探して徹底的に殺す
なぜここまで自信があるのか、それは1週間の間に秘訣があった
1週間前
「斗村、今いいか?」
「父さん、どうしたの?」
「そろそろお前にアレを教えようと思ってな」
「アレ?」
アレってなんだ?確かに前から何かを話したそうな雰囲気はあったけど
僕はよく分からないまま解説を聞くことになった
「お前は太っているだろ?」
「え、そうだけど、痩せろってこと?」
「それも兼ねてだ、体重の乗せ方を伝授する」
確かに、周りからは体重がなんだかとか言われていたけど
それを父さんにも言われるとは
だけど、体重の乗せ方っていうのは少し違う
てか、兼ねてって…
「素早い動き、隙のない攻撃、完璧な準備が俺にとって1番大事だと思っている」
それを1週間で教えてやろう
「1週間?そんなの無理だよ」
「とりあえずやれ、やる前に諦めるやつがいるか」
「わ、わかったよ」
「とりあえずお前には大腿直筋、上腕三頭筋を集中的に鍛えてもらう」
なんでそこの部分なんだ?疑問を持った僕にお父さんは言った
「そこが瞬発力を鍛える主な筋肉だからだ」
「な、なるほど、でそこはどう鍛えれば…?」
「そうだな、サッカーやバトミントンをやれ」
「バトミントン?サッカー?」
「あぁ、ふたつの部分が主に使われるスポーツだ」
「解説はここまででいいな?時間が無い!やれぇい!!」
「え、ちょま」
という感じで、1週間鍛え上げられた
正直自信はある
山奥を行くと また音が鳴った
ガササ
今度は俺から殴り掛かりに行ってやった
「ウラァァッ!!!」
草が揺れただけで、何も起こらなかった
誰もいないのか?
だがその瞬間
ガッ!!!
銃声とともに弾丸が俺の胴体目掛けて飛んできていたのだ
だが
その弾丸は俺を撃ち抜くことはなかった
人影は表情は見えないが少し驚いた様子だった
俺は防弾チョッキを来ていた、ただ
「いっっっってえ….」
完全に痛みが引いたり防御する訳では無いのだ
普通に限度なんてたかが知れてる、警戒しなければ
すると人影が一瞬姿を表した
人影もこちらに気づいたのか
銃を数発撃った
俺は全て避けて、奴の距離をゼロにした
それでもまだやつの顔は見えない、黒い何かを被っているのだろう
その瞬間 やつは物陰から姿を表し
黒い何かを取った
だが、それは和豊ではなかった
「あんた、ここら辺嗅ぎ回って何の用だ」
「てめぇ、和豊となんか関係あんだろうが」
「さぁ、なんのことか」
するとやつは長い竹刀袋から刀を取り出した
「大丈夫だ、お前は若いから首を切り落とすだけにしてやろう」
「じゃあ俺はお前が死ぬまで殴ってやる」
瞬間、音速の速さで刀が薙ぎ払われる
「ぅっぬぅ!!」
だがそれは微かに僕を捉えた
だが僕には防弾チョッキがある!ダメージはゼロ
僕は思いっきり奴をぶん殴った
「うぉっとぉ!あっぶないねー」
だがそれは当たることはなかった
「しぶといなぁ、さっさとくたばってくれないかな」
僕は和豊くんを探さなければいけない
待て!こいつは和豊くんとなにか関連があるかもしれない
僕はそう思うと、残していた力を全て出し切る
「(ん…このクソガキ、まだ力を残していたか)」
そして僕は
スっ…
「おっさん、もう息すんな」
後ろへ足音を殺して潜入し
手首の関節を抜いた
「ウガァァアアァァッ!!!!」
そう声を上げて
奴は前のめりに倒れた
そこで僕は奴の顎を持ち上げて問いた
「和豊と何か関係があるな?全部話せ」
「しらねぇ….わ」
「おい、また折るぞ、弱ぇ癖に意地張んなよ」
その言葉がやつにとってどれだけ屈辱的だったのか
奴の空気が一変したのだ
「お前さん….弱ぇっていったかい…..?」