テラーノベル
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纏める荷物なんてない
俺はカバン一つを持ち、王宮から出た
見送りがつけられて車に揺られ、空港へ向かう
部屋にイブさんは居なかった
最後の挨拶も出来ず、俺はこの国を離れる
「小柳様、お気をつけて」
「ありがとうございました」
「それとこれ、お土産にどうぞ」
「えっ‥‥ありがとう」
手渡された紙袋
俺はそれを手にタラップを登る
飛行機は小さく、中に入ると2、3人が座っていた
小さいとはいえ、30人程は座れるだろう
それなのに中に入ると4、5人しか座っていない
どこかの空港でまた乗ってくるんだろう
そう思いながらチケットを見た
あれ?
このチケット‥‥番号が無い?
俺は顔を上げて後ろにいたCAに番号を確かめに行こうとした
振り向き様に何かにぶつかり、俺は後ろに跳ね返る
その体を誰かに掴まれた
「危ないだろ⁈急に振り向いたら」
「うわっ!‥‥って‥‥イブさん⁈」
「どこに行くつもり?」
「チケットに番号なくて‥‥」
イブさんが俺の腕を取り、近くの座席に座らせた
勝手に座っちゃったけど、ここのシートっていい席なのでは‥‥
「番号とか無いよこの飛行機は」
「え、なんで‥‥」
「特別に用意した飛行機だから」
「えぇっ⁈わざわざそんな事しなくても」
「ロウが乗るんだから当たり前だろ?」
「そんな‥‥イブさんもわざわざここまでお別れ言いに来てくれたんですか⁈」
「早くシートベルト締めな」
「あ、はい‥‥え?イブさん?」
「なんだよ」
俺はイブさんを見た
だって俺の隣に座るから‥‥
「なにしてるんですか?」
「俺もシートベルトしてるけど」
「だからなんで‥‥」
「離着陸の時は必ず締めるのが‥‥」
「そうじゃなくて」
その時飛行機が動き出した
「えっ⁈イブさん‥‥動いてますけど⁈」
「そりゃそうだろ。時間なんだから」
「話が見えないんですけど‥‥イブさんもどこかに行く予定なんですか?」
「そうだよ。ロウのところまで行くつもり」
「‥‥俺、途中で降りるんですか?」
「日本まで帰るんだろ?」
「日本に来るんですか⁈」
「俺別に王位継ぐ訳じゃないし。それにロウだって俺の事好きでしょ?」
「‥‥‥‥‥‥」
身を乗り出してイブさんに問いただしていた俺の口が塞がらない
「あれ?‥‥昨日あんなに俺の事いっぱい欲しいとか言ってたのに‥‥」
「わぁぁっ‼︎何急に言い出すんですか⁈」
「俺の事好きだと思ってついて来たのに」
「だからってここで言わないでくださいよっ!」
「大丈夫だよ。ここは俺達しかいないのに」
そんな‥‥
他にも人は乗ってるのに
俺が後ろを見るとそこに乗っていたのは見知った侍従達だった
「言ったろ?これは特別に用意した俺専用の飛行機だって」
「せ、専用機⁈」
「ロウの答え次第では到着地が変わるんだけど、どうする?」
シートベルト着用のランプが消える
イブさんがシートベルトを外して俺の前でかがみ込んで顔を見た
答えなんて決まってる
俺は目の前のイブさんの首に手を回すとキスをした
「日本着いたらイブさんの警護でもさせるつもりですか?」
「そんな訳ないだろ。もうハーレムも作らないよ」
「俺だけって事ですか?」
「そう。俺専属のハビービ」
ハビービ?
また聞きなれない言葉
不思議そうな俺の顔を見てイブさんが笑う
「ロウ‥‥俺の愛しい人」
END.
コメント
8件
終始とても良かったです! ありがとうございます!
ブクマ失礼しますm(_ _)m