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knt:Dom
hbr:Dom
【雲雀】
なんだか今日は珍しく、朝から調子が悪い。
頭はぼうっとして、身体がだるい。今日は奏斗と二人でラーメンでも食べに行こうと話していたが、この状態では無理だろう。「ごめん、風邪気味っぽいから今日無理」とだけLINEを打ち、ベッドに半ば倒れ込むようにして眠った。
意識がゆっくりと浮上したのは、玄関のオートロックキーを開ける音がしたからだった。上半身を起こし、ぼんやりとした視界の中で、見覚えのある金髪にオレンジの毛束で、部屋に入ってきた人間が奏斗だと認識した。
奏斗「起きた?体調大丈夫?」
雲雀『まあ熱はないんだけどな。頭ぼーっとするっていうか、なんというか。』
奏斗はふうん、と鼻を鳴らしてすとんと雲雀のいるベッドの足元に腰かけた。そのまま、どこか観察するように雲雀の顔と体を視線で這わせる。
「お前、Domだよな?」
『え?うん。』
「じゃあ、俺の目見て。…look」
空気がすっと甘い重さを帯び、嫌でも圧倒させられる。本来ならDomな雲雀に、そんな初歩的かつ基本的なコマンドは効かないはずだった。しかしグレアとコマンドが落ちた瞬間、雲雀の目は縫いつけられたように奏斗の目から動かなくなっていた。
『え、効くわけな…い……』
自分ですら何が起こっているかわからない、未知の感覚。うっすらと、奏斗が笑みを口端に浮かべたような気がした。
「へえ。できんじゃん。」
奏斗から褒められたという事実、そしてその言葉が脳内を甘く溶かしていく。いつの間にか、目には薄く涙の膜が張っていた。
『え……??何、これ……』
困惑する雲雀の髪を、奏斗が手を伸ばして軽く弄ぶ。そのまま奏斗もベッドをに乗り上げ、スプリングが軋んだ音を立てた。雲雀の耳朶を親指で軽く擦ると、ぴくりと肩を震わせて顔を薄く赤らめる。
「雲雀、本当はSubでしょ。」
『は……?そんなわけ…』
「じゃあ、もう1個試す?……Come」
甘く痺れていた脳に動揺の雫が垂れた後でも、コマンドに対して身体は正直だった。雲雀の震える指先が奏斗の肩を掴み、肩に額をつけて身を寄せる。
「Good boy」
ご褒美とばかりに耳に流し込まれた声で、また身体を熱が駆ける。すっかり息は浅くなり、唇は半開きになっていた。
「…ね?欲求不満ってやつでしょ、Subの。」
『…欲求不満。俺が、Sub……?』
「雲雀、辛いでしょそれ。……俺なら、なんとかしてあげるけど。」
『奏斗…?なに、するつもり。』
問う声は、甘く掠れていた。
「んー?楽にしてあげる。」
考えるより先に、身体は結論を出していた。ただ、それを正直に言うことが恥ずかしかっただけで。
『………お願い。』
コメント
1件
うわ、すごくドキドキする回でした……! 「Domのはずなのに効く」っていう衝撃が最初から最後までクるし、奏斗の余裕ある感じと雲雀の戸惑いの対比がすごく丁寧で、その場の空気がひしひし伝わってきました。 特に「Good boy」で耳元に溶けるような声がした瞬間、こちらまで息が止まりそうに。身体が先に「お願い」しちゃう雲雀がもう完全に奏斗に飲まれてて、読んでて切なくて甘くてたまらないです。 続き、めちゃくちゃ気になります…!