テラーノベル
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りの
80
なな🍆
78
意味もなく恐る恐る足音を無くして下る階段はいつもより増して空気が薄い。
みんなに会いませんように……
そう必死に願って降りていたが濡れていたのか軽く転んでしまった。
もちろんここは廊下。響かないわけがなく手に握っていたはずの箱が叫びながら転げ落ちていく。俺はそれを見ることしか出来なかった。
予想外に人は来ず、恐怖心を握りながら教室へ行くともう授業が始まっていたようだ。
『もう授業始まってるぞ!早く席に着け!』
「はい、すみません……」
従うことしか出来なかった俺はそのまま席に着き、机に手を入れるとなにか尖ったものが刺さってしまった。
正体の分からない棘に少し気味悪く思いながら引き出しを出すとそこには見覚えのない少し懐かしさまである画鋲が少し入っていた。
誰がやったのか分からないまま手と画鋲を見比べしていると
『ぼんじゅうる!』
急に教室中に響く声で俺が呼ばれた。
怒ってんのか、答えを聞いてんのか、それ以外なのか?
周りの音など全く耳に入ってなかった俺はわかるはずがない。
ただでさえ混乱しているのにさらに混乱させないでくれよ…
口から出るはずのない回答は意味の無い言葉そのものだ。
とりあえず周りを笑わせてこの雰囲気を消すことを考えた結果、
「ほ、方程式!!」
明らかに英語だがこういうミスは笑ってくれるだろうとわざと間違えてみた。
だが周りからは声などせず誰かの下手な愛想笑いが響いた。
結局怒られて見放されて終わりとかいう長い時間になった。
やっと地獄みたいな空気から逃れられる時間になった。
いいや、まさに地獄の空気だった。
そんなことは置いておいて今日は放課後呼び出されている。
5人で帰らなくていいのは気が楽だが…
何されるのかわかるわけが無い屋上へ行くのはかなり勇気がいる。
今日一日で物事が悪い方向へ行き過ぎて殴られんじゃないかとかいう余計な考えしか出てこない。
ここで帰っても明日が待っているし……
今日限定のことであって欲しいが悪い事だとは限らないし、と屋上への階段を少し慎重に上がった。階段は昼より1段1段が大きく感じたのはきっと気のせいだろう。
☃️side
なんだかんだ早く終わった時間。
昼にドズルさんが言っていたあの騒ぎを確認するべく飛び出すように出た教室。もちろん行く先は3年の教室。
「ぼんさーん!」
そう軽く叫び呼んだがどこを見渡しても姿ひとつない。
不思議に思い、下駄箱にいるのかと階段を降りようと教室から離れると目の先にいたのはまさかのぼんさん!
「ぼんさん!帰ろー!」
そう声をかけたはずだがそのスラッとした体は一向に止まる気配がなかった。
何度も声を上げても聞こえていないようでついに姿を消してしまった。
もしかしたら呼ばれていて用事があるのかも、と無理に行動はせず下駄箱へ向かった。
「あ、みんなー!」
下駄箱にいた3人に事情を軽く話すとみんな少し悲しそうに納得して先に帰ることにした。
もちろん待つことも考えたけど、告白とかだったら気まずいかなって!
一行その頃ぼんじゅうるは…?
NEXT…♡38
コメント
1件
悠莉さん、第9話読みました。 階段で転んじゃったところ、すごくハラハラしました…。教室で「ぼんじゅうる!」って呼ばれたときの、頭が真っ白になる感じ、すごく伝わってきました。方程式って返すのも、焦ってるのがにじみ出てて切なかったです。 ☃️くんの視点に切り替わって、ぼんさんが無視してたように見えたのがすごく気になります…! 続き、ドキドキしながら待ってますね🌙