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こ う
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関係冷めきってるfwlr♀に子供ができる話
本編伏字なし
誤字脱字注意
拙い文です
lr先天性女体化
作者妊娠出産知識が皆無
雨が降っていた。
窓を叩く雨音だけが、静まり返った部屋に響いている。
ローレンはテーブルの上に置かれた検査結果を見つめていた。
そこに書かれている文字は、何度見ても変わらない。
――妊娠。
本来なら、喜ぶべきことなのかもしれない。
けれど彼女の胸を満たしたのは、不安と恐怖だった。
最近の不破との関係は決して良好とは言えなかった。
喧嘩をするわけではない。
ただ、お互いに忙しく、すれ違い続けていた。
同じ部屋にいても会話は少なく、気付けば背中を向けて眠る日々が増えていた。
そんな状態で、この事実を伝えたらどうなるのだろう。
ローレンには想像できなかった。
「……」
静かにお腹へ手を添える。
まだ何も変わっていないはずなのに、不思議とそこに命がいる気がした。
そして同時に思う。
きっと迷惑になる。
不破は優しい。
だから責任を取ろうとするだろう。
本当は望んでいなくても。
それがローレンには耐えられなかった。
だから――。
逃げよう。
その結論に辿り着くまで、そう時間はかからなかった。
-–
翌朝。
不破が仕事へ向かったのを確認してから、ローレンは荷物をまとめ始めた。
大した荷物はない。
着替えと財布。
最低限のものだけ。
マネージャーさんには妊娠のことは言わず、感謝と謝罪を込めたメッセージを送り、スマホの電源を落とす。
そして最後に、一枚の手紙を机の上へ置いた。
『ごめん』
それだけだった。
長々と言い訳を書けば、きっと戻りたくなってしまう。
ローレンは玄関の扉を開く。
振り返らない。
振り返ったら終わりだ。
そう思いながら部屋を後にした。
-–
数日後。
不破は帰宅してすぐ異変に気付いた。
静かすぎる。
いつもならどこかから聞こえる生活音がない。
「……ローレン?」
返事はない。
部屋を探しても姿はなく、机の上には一枚の紙だけ。
fw「……は?」
短い謝罪。
それだけを残して消えていた。
最初は何かの冗談だと思った。
けれど電話は繋がらない。
メッセージも既読にならない。
数日が過ぎる頃には、不安が焦りへ変わっていた。
fw「何してんだよ……」
怒りよりも先に心配が勝つ。
事故に遭ったのか。
事件に巻き込まれたのか。
考えれば考えるほど嫌な想像ばかりが浮かんだ。
-–
一方その頃。
ローレンは遠く離れた地方の小さな町にいた。
誰も自分を知らない場所。
古びたアパート。
狭い部屋。
それでも十分だった。
lr「これでいい……」
自分に言い聞かせる。
不破は自由になれる。
重荷を背負わずに済む。
だからこれで正しい。
そう思わなければやっていられなかった。
だが夜になると必ず思い出す。
仕事から帰ってきた不破の声。
何気ない会話。
一緒に食べた食事。
全部。
lr「……会いたいな」
思わず漏れた本音に、自分で苦笑した。
会いたいなら逃げなければよかった。
でも会えば、きっと全部壊れてしまう気がした。
-–
それから数週間後。
体調の変化は少しずつ大きくなっていった。
一人で病院へ向かい、一人で帰る。
心細さは日に日に増していく。
帰り道。
夕焼けに染まる空を見上げながら、ローレンはぽつりと呟いた。
lr「……ごめんな」
誰に向けた言葉なのか、自分でも分からなかった。
不破なのか。
お腹の子なのか。
それとも自分自身なのか。
ただ確かなのは――。
遠く離れた今でも、不破のことを忘れられないということだった。
そして不破もまた、何も知らないままローレンを探し続けていた。
二人の距離は離れたまま。
ローレンが姿を消してから、一か月が経っていた。
不破はまともに眠れていなかった。
仕事はしている。
配信もしている。
笑っている。
けれどそれは全部上辺だけだった。
帰宅しても誰もいない部屋。
食卓に並ばない二人分の食事。
ソファの隅に置かれたままのクッション。
何を見てもローレンを思い出した。
fw「……なんでや」
返事はない。
当然だ。
いるはずの相手がいないのだから。
最初は怒っていた。
何も言わずに消えたことに。
けれど時間が経つにつれ、その感情は不安へ変わった。
そして不安は執着へ変わっていった。
fw「どこ行ったん……」
スマホには何百回と送ったメッセージ。
既読は付かない。
電話も繋がらない。
それでも送り続けた。
『無事なん?』
『一回だけでええから連絡して』
『怒らへんから』
『頼む』
『帰ってきて』
-–
そんなある日。
不破はようやく手掛かりを見つけた。
共通の知人から聞いた、わずかな情報。
地方の小さな町。
確証はない。
それでも十分だった。
fw「……おった」
その一言だけで車を走らせた。
何時間も。
休憩もほとんど取らずに。
会いたい。
理由なんてそれだけだった。
-–
夕方。
古いアパートの前。
不破は立ち尽くしていた。
本当にここなのか。
違ったらどうしよう。
そんなことを考える暇もなく、階段の向こうから人影が現れた。
スーパーの袋を持ったローレン。
そして。
少しだけ丸みを帯びた腹部。
fw「……ローレン」
ローレンの足が止まる。
袋が揺れる。
時間が止まったようだった。
lr「……ふわっち」
声が震えていた。
逃げなければ。
そう思った。
けれど身体が動かない。
不破はゆっくり近付いてくる。
fw「なんで」
たった二文字だった。
けれどローレンは目を逸らした。
lr「……ごめん」
fw「なんで消えたん」
lr「ごめん」
fw「なんで一人でおるん」
lr「……」
fw「なんで俺に何も言わへんかったん」
気付けば不破の目は赤くなっていた。
怒っているわけではない。
泣きそうなのだ。
fw「俺、ずっと探してたんやぞ」
ローレンの胸が締め付けられる。
lr「迷惑だと思ったから」
fw「は?」
lr「子供できて……」
fw「……」
lr「今の関係で言ったら困らせると思った」
fw「だから逃げたん?」
lr「……うん」
fw「アホちゃうか」
ローレンが顔を上げる。
fw「なんで一人で決めるん」
fw「なんで俺の気持ち聞いてへんねん」
fw「なんで勝手に迷惑って決めるんや」
不破の声は震えていた。
fw「俺がお前のこと邪魔やと思ったこと、一回でもあったか?」
ローレンは言葉を失う。
なかった。
一度も。
fw「俺は」
不破は大きく息を吸った。
fw「お前がおらん方が無理や」
その瞬間。
ローレンの目から涙が溢れた。
lr「……ごめん」
fw「もう聞き飽きた」
lr「だって……」
fw「謝らんでええ」
不破はそっとローレンを抱き寄せた。
壊れ物を扱うみたいに。
fw「生きとってよかった」
その言葉でローレンは堪えきれなくなった。
lr「怖かった」
fw「うん」
lr「迷惑かけると思った」
fw「うん」
lr「嫌われると思った」
fw「それは絶対ない」
即答だった。
一秒も迷わなかった。
fw「何があってもや」
-–
それからは少しずつだった。
すぐに元通りにはならない。
積み重なった不安もある。
すれ違いもあった。
それでも二人は話し合った。
逃げないように。
一人で抱え込まないように。
そして数か月後。
新しい命の産声が部屋に響いた。
小さな手。
小さな足。
ローレンは涙を流しながらその子を抱く。
不破は隣で泣いていた。
lr「ふわっちも泣いてんじゃん」
fw「泣くやろこんなん……」
lr「ふは」
fw「俺らの子やぞ……」
その顔があまりにもぐしゃぐしゃで。
ローレンは思わず笑ってしまった。
fw「何笑っとんねん」
lr「いや、ひどい顔してるから」
fw「そっちもや」
二人で笑う。
あの日の冷え切った関係が嘘みたいに。
もう逃げる必要はない。
もう一人で抱え込む必要もない。
不器用な二人だったけれど。
これからは三人で歩いていくのだから。
コメント
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第1話、一気に読んじゃいました……! 不破の「なんで一人で決めるん」っていう台詞が、もう本当に胸に刺さりました。ローレンの「迷惑かけると思った」は、すれ違いゆえの切なさが溢れてて。 ラストの「生きとってよかった」で、不破の本心が全部伝わってきました。最後の笑い合う二人に、こちらもほっこり。逃げずに向き合うことの大事さを、優しく教えてもらえた気がします🌷