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第7話
私たちは駅から花火大会の会場へ向かって歩き始めた。夏の夕方、空が徐々にオレンジ色に染まっていく。道中、佐藤くんと並んで歩くと、なんだかいつもと違う雰囲気を感じた。
「学校ではこんなにゆっくり話す機会ないもんね。」私は少し照れながら話しかけた。
「そうだな。今日は特別な日だな。」佐藤くんは微笑んで答えた。
会場に近づくと、屋台の明かりや賑やかな音が聞こえてきた。焼きそばやたこ焼き、かき氷の香りが漂い、子どもたちの笑い声が響く。私はワクワクしてきた。
「何か食べたいものある?」佐藤くんが尋ねてくれた。
「うーん、かき氷が食べたいな。」私は目を輝かせながら答えた。
「じゃあ、買いに行こう。」佐藤くんは私の手を引いて、かき氷の屋台に向かった。二人で並んでかき氷を注文し、私はイチゴ味、佐藤くんはブルーハワイを選んだ。
「冷たい!でも、美味しい!」私は笑顔でかき氷を食べた。
「うん、美味しいね。」佐藤くんも満足そうだった。
花火大会の開始時間が近づくと、私たちは打ち上げ場所の見える良い位置を探して座った。周りにはカップルや家族連れが楽しそうにしている。夜空が暗くなると、いよいよ花火が打ち上げられた。
「わぁー、綺麗!」私は目を輝かせながら花火を見上げた。
「本当に綺麗だな。」佐藤くんも同じように空を見つめていた。
一瞬の静寂の後、大きな音とともに次々と花火が打ち上がり、夜空に色とりどりの花が咲いた。私はその光景に夢中になっていたが、ふと横を見ると、佐藤くんが私を見つめていた。
「佐藤くん?」私は驚いて彼の顔を見た。
「愛美、今日は一緒に来てくれてありがとう。」佐藤くんは真剣な表情で言った。
「ううん、こちらこそありがとう。すごく楽しいよ。」私は笑顔で答えた。
佐藤くんは少し躊躇した後、私の手をそっと握った。「これからも、ずっと一緒にいられたらいいな。」彼の言葉に、私の心臓はドキドキした。
「うん、私もそう思うよ。」私は彼の手を握り返した。
花火が最後の大きな一発を打ち上げたとき、私たちの心も一緒に高鳴った。花火大会は終わり、私たちは再び手をつないで駅に向かって歩き出した。帰り道もずっと楽しい話が続き、今日の思い出が一生忘れられないものになると感じた。