「 カフェラテ 」
・桃赤
・赤視点
。.ꕤ………………………………………..ꕤ.。
)ねぇ゛まっ て……゛!!!ポロポロ
”まって”
その言葉とは裏腹に、どんどん先へと進んで行ってしまう君。
)おぃてか ない゛で……ポロポロッ
足、動いてよ。
なんで震えるの?
なんで立てないの?
なんで涙が零れるの?
なんで、置いていくの……?
手に握りしめていた置き手紙をくしゃくしゃにする。
書かれていた言葉は、
“ またいつか。 “
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
赤 「 っ あ……、 」
まるでトラウマとも言えるような 十数年前の出来事が 夢として蘇る。
赤 「 …っ ポロッ 」
ずっと仲の良かった近所の親友が、
いや、
好きな人が
ある日置き手紙を残して消えていった。
何回泣き叫んでも、何回名前を呼んでも、彼は帰ってこなくて。
” またいつか “ の日からもうだいぶ時間が経ってしまった。
彼が今 何処で 何をしているか など知る由もない。
赤 「 ないくんのばか…… 、 」
誰もいない部屋で呟くも、その声は虚しく消えてしまう。
会いたい。
ただ、それだけが 俺の願いだった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
モ 「 でさ〜笑 」
午後の講義を終え、友達と2人でカフェに向かう。
赤 「 ぇ、なにそれ おもしろww 」
モ 「 だよな!ww 」
モ 「 いや〜、マジで腹捩れるかと思ったww 」
レトロな雰囲気のカフェでカフェラテを飲む。
BGMが心地よい。
モ 「 あ、俺おかわりするけど。 りうらは? 」
赤 「 んー?りうらはいいや。 」
モ 「 おっけー 」
友達が店員さんを呼び、少ししてから 厨房から 少々お待ちください、と返事がある。
)かちゃん ッ !!
赤 「 ……、? 」
現実に引き戻されたのは、この音がしてからだった。
つい先程まで向き合っていたスマホから、音のした方へと目を向ける。
視線の先には、誰かが落としたと思われる
散乱した 箸、スプーン、フォーク。
そしてそれらを落とした人が
赤 「 ない、くん…………、 」
桃 「 っあ、すみません、大きな音をたててしまって… )汗 」
店の客全員に向けてそれだけを言い放ち、
落としたものを片付けてから厨房へと向かう。
その後10秒もしないうちに彼は戻ってきた。
桃 「 すみません、遅れてしまい……… 」
桃 「 注文をお伺いします。 」
あぁそうか、友達が店員を呼んだのか。
モ 「 あ、はい、えーっと……… 」
頭の中で 今まで考えていたことの全てが渦巻く。
言葉が数珠繋ぎに浮かび上がるも、文にならず 焦りだけが残る。
モ 「 以上で。 」
桃 「 かしこまりまs… 」
赤 「 ないくん……っ!! 」
桃 「 …………… 」
赤 「 ねぇどうしていなくなっちゃったの、どうしてりうらを置いてったの、どうして…… 」
桃「 りうら。 」
赤 「 ………! 」
目に溜めていた涙が、ポロポロと零れ落ちる。
少し大人になって、前よりも低くなった 彼の優しい声。
桃 「 あとでゆっくり話そ? 」
にこっ 、とふんわり微笑み 優しい手で俺の頭を包み込む。
赤 「 ポロポロポロポロッ……… 」
桃 「 待たせてごめんね…? 」
桃 「 会えてよかった。 」
現実では有り得ないのかもしれないけれど、
ずっと待ち焦がれていた彼は
持ってきたお盆でりうらたちの顔を隠して、
俺の唇にキスをおとした 。
ほんの少し、
甘くて苦いカフェラテの匂いがした。
コメント
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すべてがオシャレ… と思うと同時に服が散乱している部屋を見てさらに悲しくなりました😇😇
うわ ~ 、 めっちゃすき 🥲💓 またいつか っていうのが いいね ... 😖✨️