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落ちる。
落ちる落ちる落ちる。
深い闇の底へ。
浮き上がる力は無く。
そのまま息ができずに死ぬ。
…そう簡単に死ねたらいいな。
それはそれで幸せだろう。
深い闇の底でも勝手に死ぬわけではなかった。
ただただ何も見えない場所を歩く。
同じ境遇の人なんて全然見つからない。
歩いて歩いて歩き疲れて。
何故か使えるスマホでSNSを見る。
見つかる。
似たような境遇。
その人たちに向けて共感の♡を送った。
自分だけじゃないんだって何処か安心する。
やることなんてなんにもやりたくなかった。
こうやって暇つぶしにSNSを見てる時が一番楽…なのかもしれない。
そう思ってしまうほどだった。
ただ…人は飽きる生き物。
楽しいとも思えなければすぐに飽きる。
案の定、楽としか思ってなかった暇つぶしは飽きてしまった。
だからって黒く濁った現実など見たくもない。
…何が欲しい?
どうしてこんなに生きたくない?
きっと足りないものがある。
…探したい。
何かわからない。
つまらない毎日を繰り返しながら探し続ける。
推し?たしかに一つの支えだったのかもしれない。
ゲーム?暇つぶしにしか過ぎないが熱中はしてた。
他にも動画投稿者になる、だとか、旅行に行く、だとか色々と考えた。
ただ…全部正しく埋まらない。
ピースが合わない。
それじゃあいずれ外れてしまうだけ。
だったら何で埋まっていた?
この複雑な形をした大きな穴は。
考えた。
沢山考えた。
だけど見つからない。
そうしているうちに時は過ぎる。
そこで…なんでもないことに目を向けられた。
噓をつかれたくない。
素の相手が怖い。
気遣いの出来る友達に出会えた。
ただ、気遣いは相手に対しては良い印象を与えるが、偶に、自分を苦しめることになる。
案の定、その友達は僕のせいで苦しい道を歩いていた。
そんな時、僕は隠さなくていいから、素の貴方で話して欲しいと言った。
…他人を苦しめるのが嫌だ。
気付いた。
ずっとよくわからなかったものが。
僕がすっと求めていたものは相手を傷付けてしまう前の幸せな日々。
もうはるか遠く、届かないもの。
絶望した。
これじゃあ埋まらない。
いつまで経っても埋まらないまま。
…他で埋めよう。
どうしてだかそう思った。
今までやっていたことは、やった後、ある程度気持ちが楽になっていた。
だから推しをつくった。
ゲームをまた始めた。
動画投稿者にもなった。
完璧には埋まらない。
空いた隙間から悲しみを感じて。
やめたくなる。
それでも生き続けたのは友達がいたからだろうと思う。
そうしてなんとか生きてるうちに目標を作った方がいいかなと思い始めた。
目標があるならこれまでよりももっと、生きようと思えるようになるんじゃないかって。
…いい目標はなかった。
自分の将来なんて考えたくない。
他人を傷つけた自分にそんなことを考えていいのか。
こんな苦しい現実で良い未来なんてあるのか。
そう考えたらそんなことは目標に出来なかった。
そこで一つ。
自分は幸せになれないかもしれないけどいい目標が思いついた。
誰かの支えになる。
僕が苦しい時、なんとか支えてくれたのは友達だった。
多分…嬉しかったんだ。
冷たくて暗い、闇の底に居る自分を、あたたかいもので包んでくれる。
その感覚を知った。
だから誰かが暗闇にいる時、今度は自分があたたかくする。
もう…苦しい思いをしてほしくないから。
僕みたいになってほしくないから。
それが…もしかしたら僕にとっても幸せになるんじゃないかって。
だから誰も認めてくれなくても。
自分だけは味方で居る。
そんな人になりたい。
推しが言ってた言葉。
誰かを救えるような曲を作る。
その言葉がとても素敵で。
自分もそうなってみたいなって思ってしまった。
曲じゃなくていい。
だから自分も誰かを救えるようなものを作りたい。
苦しくていい。
自分はそうなる運命だって受け入れることができた。
死ぬことに恐怖はないままで。
すごく生きたいとも思わない。
ただもし、生きるんだとしたら。
そんな人を目指したらいいんじゃないかって。
僕は思った。
未だ、暗い闇の底の中。
ただ、冷たくはない。
次、この場所に来る人を。
少しでも楽にさせる。
そして浮き上がれるように支える。
それだけの仕事。
ただの自己満足かもしれない。
でもいいんじゃないかな。
これはこれで良い生き方。
最後に一つ、願いがある。
…これを読んだあなたにも良い生き方を見つけて欲しいな。
自分のためでも、他人のためでもいい。
ただ、後悔のない生き方を。