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5週目
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「どういうこと?」
アスカの出した案に、ナギが理解出来なかったのか、頭に「?」を浮かべている。
「魔力が強いから、像が倒れちゃうわけでしょ?それなら刀に鬼封印しちゃって魔力少なくしてからならできるんじゃないかなって」
説明をするアスカに、ウミが冷静につっこむ。
「そもそも、刀に封印するために鬼の魔力を少なくさせる為、像を元に戻そうとしてるんだよ?」
「あっ」
ウミの説明に、アスカが忘れていたとでも言うように口を抑える。どうやら、本来の目的を忘れていたらしい。
「でも…」
そんな時、マミサが言った。
「その案使えるかもな」
「「「「え」」」」
その場にいる全員の視線が、マミサに集中する。まさか、使えると言うとは思わなかったのだろう。トウヤも訝しげにマミサを見ている。
そんな視線に少し居心地悪そうにしながらも、マ ミサは続けた。
「レイナ君が俺に魔力を注ぐ事だよ。俺は封印の技術はあるけど、魔力が足りない。レイナ君は、魔力はあるけど技術がない…だから、刀を封印する時にいいんじゃないかと」
「魔力の相性がありますよ?」
レイナがそう言うと、マミサが全く問題ないというように言う。
「間にナギ君を挟めばいいじゃないか」
「あぁ〜…って、ナギとレイナの魔力が似てても、ナギとマミサさんの魔力が似てなかったらやばいじゃないですか 」
アスカが一瞬納得したような素振りを見せたが、すぐに問題点に気づき、指摘したとき、エドが困惑したように手を上げる。
「ちょっと待って…魔力の相性ってなに?」
どうやら、エドはその場にいる全員が当たり前のように話していた「魔力」が分からないらしい。
「あ〜…誰か紙持ってる?紙」
アスカが言う。
「はい」
レイナは即座に紙とペンを魔法で作り出し、アスカに渡した。
「ありがと…って、レイナは今魔法使っちゃダメ!魔力不足で立てないんだから…」
「ナギ〜レイナが早く回復するよう、補給してあげたら〜?」
アスカが怒ったように言ったあと、ウミが顔をニヤつかせ、揶揄うように言う。
レイナの隣にいたナギは、特に気にする風でもなく、そっとレイナの手をとった。
「ナギ、疲れるんじゃない?」
その手から少量の魔力が伝わってくるのを感じ、心配になり尋ねる。
「これくらいなら大丈夫だよ」
そんな会話をしているうちに、アスカが何やら描いていた紙を出す。
「こんな感じ!」
「魔力ABを持っている人は、AD、BCの人に魔力を分けれるけど、ADはBCに魔力をあげられない、みたいな感じ」
紙だけを見せるアスカに、レイナが念の為補足説明を付け足す。
「なるほど」
「因みに、間にABを通せば、ADからBCに魔力を渡せるよ。ABの負担が重いけど…」
ナギも補足説明をすると、エドは仕組みを分かったのか、大きく頷いた。
「今回、レイナからマミサさんに魔力を渡す時に、間にナギを挟みたいけど、ナギとマミサさんの魔力の相性が分からないってことだね?」
ウミが確認するように言う。
「うん。そういうこと」
頷くアスカに、レイナはふと思ったことを訊く。
「そういえば、アスカってそのヒトの能力がわかるんだよね?魔力の相性とかはわかんないの?」
「僕がわかるのは能力と属性だけだよ。流石に魔力の相性までは分からない」
「そういえば、ナギさんとレイナさんは、何処で魔力の相性が良いって分かったんですか?」
トウヤが不思議そうに言うと、ナギが少し目を逸らしながら言う。
「今回、賭けでレイナに魔力を注いでみたら、奇跡的に合ってて…」
「え、そんな危ない事してたの?」
アスカが驚いたように言う。レイナもかなり驚いた。まさかナギがそのようなリスクのある行動をするとは思えなかったからだ。
「うっ、ごめん…」
自分でもリスクのあることだとわかっていたのか、ナギは縮こまりながら謝る。
「まぁ、別にいいよ。相性は良かったわけだし」
「結果論だけどね〜」
特に気にせず許すレイナの後に、ウミがとても楽しそうに言う。それでさらに縮こまるナギを見え楽しんでいるのだろう。
「えっと…かなり話が脱線しちゃってるけど、戻していい…?」
その様子を見て、マミサが少し気まずそうに話した。
「あ、すみません。滅茶苦茶脱線させちゃって…」
エドが申し訳なさそうに謝り、マミサが特段気にしていないように大丈夫だと言い、話を戻した。
「それで、ナギ君がレイナ君と俺の間に入って魔力供給をする話だけど…」
「待って下さい。ナギとマミサさんの相性はどうなのかって話してましたよ」
アスカがそこまで言うので、レイナは最初にマミサがこの方法を説明した時の口調を思い出す。それは、最初からレイナとマミサの魔力は、相性が良くないと分かっているかのような口調だった。「もしかして、マミサさんって魔力の相性とか分かるんですか?」
レイナがそう言うと、マミサは驚いたけど、説明が省けたと、どこか嬉しそうに言った。
「そうだよ。俺は魔力の相性がわかるんだ」
「それは能力?それとも修行とやらの成果?」
ウミが興味津々と言ったように聞く。
「修行かな?元々素質はあったっぽいんだけど、それを無理やり引き出したらしい。これが出来るようになったのと同時にあの黒い霧が見えるようになったし、なにか関係でもあったりして」
「へ〜…そう言うのがきっかけで見える事もあるんだ」
「お前、こういうことに興味持つのは珍しいんじゃないか?」
面白そうにして居てるウミに、エドが怪訝そうな顔をして聞く。
「失礼だな。ボクでもたまにはこういうこともあるよ。はい、話の続き」
ウミが少し気に触ったように言ってから、あからさまに話を逸らす。
「そうだね。それで、刀を封印するのと同時にあの像を戻そうかなって」
「失敗したらどうするんですか?」
その作戦に、トウヤが不安そうにする。
「まぁ待てって、詳しく説明するから。それに、失敗してもどうせ戻るしな。あっ、その前に…そういえば確認したいことがあったんだ」
マミサはそう言うと、先程までの態度では考えられないほど真剣な表情をすると、レイナ達に質問をした。
「君たちは、あの鬼に攻撃出来る?」
「「「「「……」」」」」
全員で目を合わせる。そういえば、今まで逃げる事と隠れることしか考えておらず、攻撃をするのはまだ試していなかったのだ。
「多分、俺は出来ます」
沈黙が流れる中、エドが不安そうに、だけどどこかしっかりとした根拠があるかのように言った。
「僕達も、次きた時試そう!」
アスカが少しわくわくしたように言う。今までずっと逃げて隠れてばかりでもどかしかったのだろう。その目は何故か輝いている。
レイナ達はと言うと…
「えっ…もし勝てちゃった時どうするの?周りにヤバいやつだって思われるし、もしヒトの存在を知っている人がいたらヤバイよ?」
「うん。絶対に混乱が起こるだろうし、それに、周りの建造物とか壊すかも。動画撮られて世界に拡散されて、あの人達に知られるなんてこと嫌なんだけど 」
勝ったあとの事を心配していた。
「ヤバ…」
そんな中、思わずトウヤから盛れた独り言は誰にも聞こえていなかった。
どうも。まさかのマミサの名前をマサミって間違っていたことに気がついた主です( ᐕ)
これでキャラの名前間違えるの2回目だよマジで…(1回目はハズキ➝カズラ)
それでは〜ᡣ( ᐛ )𐭩