テラーノベル
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岩本が小さな箱を手にした瞬間。
スタジオの空気が変わった。
さっきまで笑っていたメンバーも。
スタッフも。
自然と静かになる。
深澤は。
もう何も言えなかった。
涙を堪えようとしても。
無理だった。
「ふっか。」
岩本が目の前に立つ。
「……うん。」
「ずっと一緒にいるつもりではいたけど。」
深澤は黙って聞く。
「ちゃんと言葉にしたことなかったから。」
岩本は一度。
少しだけ息を吐いた。
「俺はこれからも。」
「仕事でも。」
「家でも。」
「何年経っても。」
「ずっとふっかの隣にいたい。」
深澤の頬を。
また涙が流れる。
「……うん。」
「楽しい時も。」
「しんどい時も。」
「面倒くさい時も。」
「おい。」
深澤が泣きながら笑う。
岩本も笑った。
「そういうの全部含めて。」
「これからも一緒にいたい。」
そして。
岩本が。
ゆっくり片膝をついた。
「……。」
メンバーから。
小さく息を呑む音が聞こえる。
深澤は。
両手で口元を押さえた。
まさか。
本当に。
自分がされる側になるなんて。
思っていなかった。
岩本が箱を開く。
中には。
指輪。
「ふっか。」
「俺と。」
「これから先もずっと一緒にいてください。」
少しだけ照れたように。
でも。
真っ直ぐ。
「俺と結婚してください。」
「……。」
深澤は。
完全に泣いた。
言葉が出ない。
何度も頷く。
「……はい。」
やっと。
掠れた声が出た。
「はい。」
もう一度。
今度ははっきり。
「お願いします。」
その瞬間。
スタジオ中から。
大きな拍手と歓声が上がった。
「うわあああ!」
佐久間が真っ先に叫ぶ。
「おめでとう!」
康二も拍手しながら泣いている。
阿部は目元を押さえ。
目黒も嬉しそうに笑っていた。
渡辺は。
「良かったな。」
と言いながら。
明らかに目が潤んでいる。
宮舘はその隣で静かに拍手を続け。
ラウールは。
「すごい! 本当に結婚式みたい!」
と興奮していた。
___________
岩本が立ち上がる。
そして。
深澤の左手を取った。
「つけていい?」
「うん。」
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りゅず
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指輪が。
薬指にはめられる。
ぴったりだった。
「……何でサイズ知ってんの?」
深澤が泣きながら聞く。
「秘密。」
「絶対誰か協力しただろ。」
「それはあとで。」
「ずる。」
深澤は指輪を見る。
嬉しくて。
また泣きそうになる。
その時。
岩本が言った。
「で。」
「何?」
「ふっかのも。」
「……あ。」
深澤は自分が持っていた箱を思い出す。
「そうだった。」
今度は。
自分の番。
涙を拭いて。
岩本を見る。
「照。」
「うん。」
「俺も。」
小さな箱を開ける。
「本当は俺から言うつもりだった。」
「知ってる。」
「言うな。」
メンバーから笑いが起きる。
深澤も笑った。
「俺さ。」
「照に断られたら一生立ち直れないと思って。」
「うん。」
「だから。」
「ウエディングドレスまで着て。」
「スタッフさんまで巻き込んで。」
「断れない状況作ろうとしてた。」
岩本が笑う。
「知ってる。」
「だから言うなって!」
また笑いが起きる。
でも。
深澤の表情はすぐに真剣になった。
「それくらい。」
「怖かったんだよ。」
「……うん。」
「でも。」
「本当は。」
深澤は岩本の目を見る。
「断られないようにするんじゃなくて。」
「ちゃんと聞きたかった。」
「照が。」
「俺とこれからも一緒にいたいって思ってくれてるのか。」
岩本はすぐに答えた。
「思ってる。」
「ずっと。」
深澤は。
また泣きそうになる。
「じゃあ。」
「俺も言う。」
箱から指輪を取り出す。
「照。」
岩本の左手を取る。
「俺も。」
「これから先。」
「ずっと一緒にいてください。」
「お願いします。」
岩本が笑う。
「はい。」
深澤は指輪を。
岩本の薬指にはめた。
二人の左手に。
それぞれ指輪が光る。
___________
「ねえ。」
阿部が笑いながら言う。
「これ結局。」
「どっちがプロポーズしたことになるの?」
一瞬。
全員が黙る。
深澤と岩本が顔を見合わせた。
「……照?」
「ふっか?」
渡辺が呆れる。
「両方でいいだろ。」
宮舘も頷く。
「同時プロポーズみたいなものだね。」
「それが一番平和。」
ラウールが笑う。
すると。
スタッフから声が飛んだ。
「では。」
「せっかくなので。」
「記念撮影しましょう!」
「撮る!」
佐久間が即答する。
深澤は笑った。
「番組なの忘れてた。」
「ずっとカメラ回ってますよ。」
「マジ?」
「全部撮れてます。」
「俺めちゃくちゃ泣いてるんだけど!」
「それも込みです。」
スタジオがまた笑いに包まれる。
岩本が。
深澤の腰にそっと腕を回す。
「ふっか。」
「何?」
「ドレス。」
「うん。」
「すごく似合ってる。」
「……今言う?」
「今ちゃんと言いたかった。」
深澤は照れながら。
少しだけ岩本へ寄りかかった。
「照も。」
「白似合ってるよ。」
「ありがとう。」
二人は。
左手の指輪を並べる。
その周りに。
いつものメンバーが集まる。
「もっと詰めて!」
「佐久間近い!」
「いいじゃん!」
「康二そこ邪魔!」
「なんでや!」
「ラウールでかい!」
「それ俺のせいじゃない!」
いつものように。
わちゃわちゃしながら。
最後。
スタッフが声を上げる。
「はい!」
「皆さん笑って!」
シャッター音。
深澤は。
隣にいる岩本を見る。
そして。
幸せそうに笑った。
自分が考えていた。
絶対に断れないプロポーズ。
結果的に。
そんなものは必要なかった。
照は。
最初から。
同じ未来を考えてくれていたから。
そしてこの日。
二人は。
お互いにお互いを選んだ。
世界で一番騒がしくて。
一番予想外の。
同時プロポーズになった。
___________
収録がすべて終わったあと。
深澤は楽屋のソファに座りながら、ぼんやり自分の左手を眺めていた。
「……すご。」
左手の薬指には。
指輪が二つ。
一つは、岩本がプロポーズのために用意してくれたペアリング。
そしてもう一つは。
深澤自身が、岩本への逆プロポーズのために選んだ指輪。
結局。
どちらも大切で。
どちらかを外すなんて選択肢はなく。
二つ仲良く、左薬指に並んでいた。
隣に座る岩本の左薬指にも。
同じように二つ。
「……照。」
「ん?」
「普通、婚約指輪って一個じゃない?」
「普通はね。」
「俺ら二個あるんだけど。」
「お互いプロポーズしたから仕方ないじゃん。」
「そうだけどさ。」
深澤は二つの指輪を眺める。
「ちょっと重い。」
「外す?」
「絶対やだ。」
即答だった。
岩本が笑う。
そこへ着替えを終えた渡辺たちが戻ってきた。
「まだ指輪見てんの?」
「だって見てよ。」
深澤が嬉しそうに左手を見せる。
「二個だよ?」
「さっきから何回見せんだよ。」
「いいじゃん。今日くらい。」
阿部も自分の左手を見ながら笑った。
「でもいいなぁ。二人ともお揃いが二つあるんだ。」
「でしょ?」
途端に深澤が得意げになる。
目黒が岩本の手を見る。
「岩本くんも二つつけてるんだね。」
「ふっかが俺のために選んでくれたから。」
「……照。」
深澤が嬉しそうに岩本を見る。
「そういうの急に言うのやめて。」
「なんで?」
「また泣く。」
「今日何回目だよ。」
渡辺が呆れる。
するとラウールが二人の左手を見比べた。
「でもさ。」
「何?」
「これから雑誌とかテレビで左手映ったら、絶対話題になるよね。」
「……。」
深澤が固まった。
岩本も自分の左手を見る。
二人とも。
左薬指に二つずつ。
どう見ても。
意味深だった。
「……どうする?」
深澤が岩本を見る。
「外す?」
「嫌。」
今度は岩本が即答した。
「……俺も嫌。」
二人で顔を見合わせる。
その様子を見ていた渡辺がため息をついた。
「じゃあ聞くなよ。」
___________
後日。
番組の放送日。
プロポーズ企画は大反響。
そしてSNSでは。
感動的なプロポーズと共に、あるものが話題になっていた。
『いわふか、左薬指に指輪二個ずつあるんだけど』
『お互いプロポーズした結果、婚約指輪が渋滞してる』
『幸せの圧が強い』
それを家で見つけた深澤は。
隣にいる岩本へスマホを見せた。
「照。」
「ん?」
「婚約指輪が渋滞してるって。」
岩本は自分たちの左手を見て。
笑った。
「いいんじゃない?」
「何が?」
岩本は深澤の左手を取る。
二人の薬指には。
今日も当然のように。
二つの指輪。
「二人とも、同じくらい結婚したかったってことで。」
「……。」
深澤は数秒黙ったあと。
照れ隠しのように岩本の肩を叩いた。
「そういうこと言うから!」
「何?」
「三個目欲しくなるじゃん!」
「それはもうやめて。」
「なんでだよ!」
「薬指に入らない。」
「確かに。」
結局。
一生に一度のはずだったプロポーズは二回分。
指輪も二倍。
幸せも――たぶん。
普通より、ちょっとだけ多めだった。
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💛💜バージョン一気読みしました、まずはプロポーズ成功おめでとうございます㊗️ プロポーズの言葉って女性にとっては重要、我が家はダメだし2回3度目で及第点のプロポーズだった、パンツ洗ってと目覚まし時計になってと言われてOKする女どれだけ居る💢 それでも結婚34年だけどね😁

投稿全然です。 どんどん出して下さい♪🥰 一気に読みました。最初は笑い😆🤭 最後はニヤニヤ😁とウルウル🥹 💛💜良かったね おめでとう🎉㊗️ 次は❤️💙だね。

胸がいっぱいになり泣けました(˶' ᵕ ' ˶) 💛💜おめでとうございます💒👰💍