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カジノで散々遊んだ。お金は友達がチップに変えて二人で行う。
まずはルーレット。
自分のかけた数字が出れば五倍になって返ってくるというルールに設定されているが、なかなか数字が当たらない。イカサマでもしているのか疑いたくなるほどだが、悔やんでも仕方ない。
最後にブラックジャック。
このゲームは22を超えると相手に点数が入ってしまう。トランプの2から10までは数字の通りだが、J・Q・Kは全て11に換算。Aは1か11の両方使うことができる。
このゲームもイカサマをしているのか疑いたくなるほど、負けに負けてしまった。
これをやってチップが全てなくなってしまい、遊べるものがなくなってしまった。これ以上友達のお金は使いたくないので、二人は娯楽をやめて部屋に向かう。
部屋は十人で共同の大きな部屋。部屋数が少ないので、こうなるのは仕方のないことだ。個室が良かったのだが、残念ながら存在しない。
「他の人はいないわね」
「みんな遊んでるかくつろいでるのよ」
そう話していたら、何人か入ってきた。くだらない話をしながら、ワイワイしている。
そんな時に目線が合ってしまい大柄の男が私に話しかける。
「同じ部屋か。俺はルークだ。よろしく」
「よ、よろしくお願いします……」
「隣にいるのは俺の妻だ」
「初めまして。よろしくお願いします」
金髪の女の人がスカートをたくしあげながらお辞儀する。とても規律正しくて、素敵な奥さんだ。
「どうやら目的地まで四日かかるらしいんだ。それまでトランプでもしないか?持っているんだ」
トランプのケースを見せられた。戸惑いを感じたが、アンナの頬はほてって目を輝かせている。遊ぶ気満々だ。何かあったら困るので、一緒にトランプをする。
ババ抜き、大富豪、七並べなど大勢でできるゲームをたくさんした。そして遊び疲れてベッドに入ろうとした途端、緊急アラームが鳴った。
けたたましい音が響き渡り、ここにいたほとんどの人はパニック状態に陥る。
「緊急事態。詳細が分かるまでしばらくお待ちください」
切迫した声でそう言われて、寝るどころではなくなった。皆何があったのか分からず、戸惑いの表情を浮かべた。
しかもけたたましい警告音が何回も立て続けに流れた。内容はあやふやで、波に飲まれてしまうかもという煽りを甲高い声で早口に言われた。
それのせいで人々は正気を保つことができず、パニックになって皆外へ出てしまう。甲高い声を上げている。
そんな状況でも私は冷静にいられた。確かに警告音は何回も流れているが、何かの不具合だろう。
その事をアンナに伝えると、安心した表情を浮かべた。
「多分今部屋から出たら人がたくさんいて、窮屈になるわ。もう少し待ちましょう」
「ええ、そうね!」
そう冷静に判断したのだが、その後もトラブルが起きてしまった。パニック状態になっている人たちにお酒が配られたのだ。どうやら飲み物はお酒しか用意していないようだ。