お久しぶりです。
皆さん元気ですか?
気づいたらもう寒い時期になってました笑
風邪引かないようにしてください
「飴売りの少年と雨男」
黄視点
僕が開いているお店は少し古いお店で、一粒の飴玉を売っていた。開いているのに理由なんてないが、ただ僕のひぃおじいちゃんが昔ここで飴玉をよく売っていたと言っていた。
飴玉は一粒100円。種類は黄色、赤、オレンジ水色、紫、ピンク、緑。好きなのを一つ選ぶことができる。
今日も飴の商売は上出来だった。
「お兄ちゃん!」
「ん?」
小さい男の子がお店の前にぽつんっと立っていた。
「飴ちゃん一つください!」
「はーい。じゃあ好きなの選んでね」
「んぅ、ねぇお兄ちゃん」
「どうしたの?」
「僕ね、ママが元気なくて来たの!ママを、元気にしてくれる飴ちゃんくーださい」
「ふふ、笑。しっかり言えて偉いね。んー..ちょっと待っててね」
「はい!じゃあこれはどう?」
「ん?これぇ、何味?」
「ソーダの味だよ。美味しいの」
「君の分もあげるね」
「僕、100円しかないよぉ?」
「今日は特別ね」
小さな男の子の手の平に乗っていた100円と交換で水色の飴玉をあげた。嬉しそうに笑い走って帰る男の子を見て不意にも微笑ましくなった
ザーッ…ザー
「わ、雨だ、」
突然の雨に僕は少し心が歪む。なんだか落ち着かない。僕が手に取ったのは赤色の飴。いちごの味で口の中が甘くてとても幸せな気持ちになる。美味しいぃ、
ニャー
「ん、?猫?」
雨の中、一匹の猫がお店の前で雨宿りをしていた。体が震えていて寒そうだった。僕は傘を取り出し店の前まで来る。猫は人に慣れているのか僕に擦りつくように寄ってきた。可愛いなぁと思っていると突然猫は雨の中へ走っていった。
「わぁ⁉︎ちょッ!」
猫は僕を誘うように走った。
「はぁ、はぁ、」
たどりついたのは小さな公園。猫はどこに行ったのか分からない。どこ行っちゃったの…
その時ベンチに誰かが座っていた。水色の傘を差しながら座っている見たことのない人だった
よく見ると傘を差した見知らぬ人の隣に先程の猫がいた。彼も慣れたような手つきで猫の背中を撫でていた。それにしても綺麗な人だなぁ、
まだ雨は止みそうになかった。
「あの、ここだと風邪引きますよ?」
「え、?あ、ご心配なく、」
「僕は大丈夫なので、それより君の方が風邪引きそうだけど?」
「うっ、」
「ふ、wあそこ行きましょ」
「雨止みませんね」
「そうですね、」
「ん?あの、大丈夫ですか?」
「へ、いや、その」
「この雨は僕のせいなんです、」
「え?」
「僕雨男で、僕が外に出るだけで雨が降るんです、で、ここ最近それが怖くて家に籠ってて今日は久しぶりにと思って出たら、この様です」
「くふ、笑。雨男だなんて、聞いたことないです。貴方は綺麗な雨男ですね」
「え」
「あの、よければこれ」
「ん?飴玉?」
「はい!僕は飴売りをしていて、」
「これ良かったら食べてください」
「ふ、w面白い店やってんだね」
パクッと彼が黄色い飴玉を舐めた時
「え、?」
どんより曇っていた空はたちまち綺麗な夕日を見せた。雨は止み綺麗なオレンジ色の夕日が公園のブランコを照らしていた。
「は、晴れた、」
「この飴玉、凄いんですね、」
「は、じめて知りました、笑」
彼は飴の袋を握り僕を見つめた
「美味しい飴ありがとうございました」
「家はどこですか?お礼に送ります」
お言葉に甘えて僕の店まで送ってもらった。
「あの、今日はありがとうございました」
「いえ、そんなこと」
夕日に照らされるまだ名も知らない彼は美しくて僕は息を呑んだ。
「あの、お名前、」
「あ、黄と申します。貴方は?」
「青です。黄くん、あの」
「今日出会って貴方に一目惚れしました!」
「お付き合いしていただけないでしょうか」
突然手を差し出されビクリとする僕。
答えは、、
「あの、ごめんなさい」
「え、」
彼の心が乱れたからだろうか?
先程まで綺麗だった空からはまたもや雨
だけど空の輝きは変わっていなかった。
天気雨だ
「あ、狐の嫁入りだ」
綺麗に光る夕日を飾るように綺麗に美しく降る雨。天気雨ってこんな素敵なんだ。
「黄くん、やっぱ初対面じゃ嫌だよね、?」
「….はい」
「え?飴、」
「これはレモン味とソーダ味です」
「くれるの?」
「これ、持っていってください」
「あと、僕は」
「青さんのこと嫌いじゃないですよ」
そういい、まだ正解なのか分からないけど彼の頬にいたずらでチュッとキスをした。
「またお店来てください」
「分かった、それと、」
そういうと彼は僕の頬に触れ優しくキスを落とした。それはレモンの甘酸っぱい味がした。
「あ、青さん傘忘れてる」
水色の傘は水滴がいっぱいついていて触れると冷たくて寒そうだった。持ち主はどこかへ居なくなって寂しいけどまた来るからね。
気づいたら空から雨は降っていなくてまた綺麗な夕焼けが広がっていた。
飴売り店…今日も誰かの幸せを祈ります。
さて皆さん
美味しい飴はいかがですか?
彼みたいに雨を降らせないよう気をつけて
飴が降る夢を見れば幸せになれますよ
end
コメント
2件
お話の内容も言葉選びもすべて好きすぎます🥺🥺🥺🥺🥺