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最終物語② 最後のメッセージ
「……『物語は、まだ終わっていない』?」
ころんはスマホを握りしめた。
「どうしたの?」
莉犬が隣から覗き込む。
「これ……」
画面を見せる。
全員が集まってくる。
「え、怖……」とちぐさが呟く。
「まさか、まだ学校に閉じ込められてるんじゃ……」
けちゃが教室の扉を見る。
――カチャ。
普通に開いた。
外には生徒たち。
聞き慣れたチャイム。
窓の外には、いつもの校庭。
何もおかしくない。
「……じゃあ、あのメッセージだけ?」
ころんがもう一度画面を見る。
すると、新しいメッセージが届いた。
『屋上に来て』
その下に、写真が一枚。
ころんの心臓が跳ねる。
「この写真……」
そこには――
ななもりとジェル。
二人が笑っている。
その後ろには、あの古い学校。
そして写真の端に、小さな文字。
『ありがとう』
「……!」
ころんは急いで教室を飛び出した。
「ころちゃん!」
莉犬たちも追いかける。
階段を駆け上がり、屋上の扉を開ける。
――そこには誰もいなかった。
ただ、ベンチの上に二つのものが置いてある。
ななもりのイヤホン。
ジェルのブレスレット。
そして、その横には一枚の手紙。
ころんが震える手で開く。
『ころんへ。
君なら、きっと最後までみんなを守ってくれると思ってた。
でも、一つだけお願いがある。
自分だけを犠牲にしないで。
君が誰かを大切にするように、君も誰かに大切にされてる。
忘れないで。
僕たちは、ずっと君たちの味方だよ。
――ななもり。
――ジェル』
「……ずるいよ」
ころんの目から涙が落ちる。
「最後まで、泣かせるじゃん……」
莉犬が隣に立つ。
「ころちゃん」
「……うん」
「僕、これからも一緒にいるよ」
「……本当に?」
「もちろん」
莉犬は笑った。
「だから、もう一人で泣かないで」
ころんも笑う。
「……うん」
その瞬間――
屋上に風が吹いた。
二人の手紙が、空へ舞い上がる。
一枚の紙が、ころんの足元に落ちた。
「……?」
拾い上げる。
そこには――
31人の名前。
そして、その一番下に新しく書かれた文字。
『全員、生存』
「……!」
ころんは目を見開いた。
「みんな……」
のあが笑う。
「これで、本当に終わりですね」
ゆたくんも頷く。
「うん」
心音が空を見上げる。
「……二人も、きっと喜んでるよ」
たっつんが笑う。
「ほんなら、帰ろうや」
みんなが歩き出す。
ころんもその後ろを歩く。
そして最後に、一度だけ振り返った。
誰もいない屋上。
でも――
ベンチの上に置いたはずの二つの品が、消えていた。
「……またね」
ころんが呟く。
すると、遠くから声が聞こえた気がした。
『またな』
『元気でね』
ころんは笑った。
そして莉犬と並んで、みんなの元へ走っていった。
――もう、怖くない。
――もう、一人じゃない。
たくさんの秘密も。
悲しい過去も。
失った人も。
全部抱えて――
これからを生きていく。
そして、誰も知らない空の上で。
ななもりとジェルは、笑っていた。
「……やっと終わったな」
「うん」
「でもな」
ジェルが空を見る。
「俺らの物語も――」
ななもりが笑う。
「いつか、また始まるかもね」
――END.
コメント
3件
コメント失礼します! できれば参加型の設定を早めに書いていただきたいです…!!
読了しました。第18話、とても温かい気持ちになりました。 ななもりとジェルからの手紙、「自分だけを犠牲にしないで」という言葉が胸に響きました。ころんが一人で抱え込まないでほしいという想いと、最後の「全員生存」の文字に、ちゃんとみんな救われたんだなと安心しました。二人が空の上で笑っているラストも、切なくて優しくて、じんわりと涙が出ました。 素敵な物語をありがとうございます。登場人物たちの描く絆が、本当に丁寧で好きです🌷
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