kr「え、、蘇生魔法、、、?」
噂でしか聞いたことがなかったけど、まさか本当に使える人が居るなんて、、、
nk「本当に蘇生できるの?」
sha「うん、、、」
バツが悪そうに返事をする彼
sha「でも、使用に条件があって、、」
kr「条件、?」
sha「そう、膨大な魔力も必要なんだけど
他にももう一つあって、、、それが」
kn「それが?」
sha「蘇生の対象となる人を自分の手で殺すこと」
kr「、、、え?」
nk「蘇生するために自分で殺すってこと?」
sha「そういうこと」
br「え、ちょっと待って、
話についていけないんだけど」
sha「蘇生魔法っていうのは死者にしか使えないってのは知ってる?」
kn「蘇生って言ってるもんね」
sha「そう、それでスマイルの固有魔法である生きている死者の発動条件は蘇生対象を自分の手で殺めること」
kr「でも、それだと生かすために殺すってことでしょ?本末転倒じゃ、、、」
nk「、、、殺すの定義って何」
sha「そう、そこが重要で」
「スマイルの固有魔法はあくまで自分が相手を殺すことなんです」
「例えば重傷を受けて瀕死の仲間にトドメを指すことも結局は自分の手で殺めたことになる」
kn「あ、なるほど、、、」
nk「それでも、絶対に自分が殺さなきゃいけないってやばい魔法すぎじゃね?」
kn「それに加えて人質にもされてるんでしょ?」
「精神絶対おかしくなってるだろ」
sha「だから、早く助けに行きたいんだよ」
kr「どこで人質にされてるの?」
sha「教会にある、大きな鳥籠の中」
br「え?ごめんなんて?」
sha「俺らの国には祈りを捧げる教会があって、、、」
「その天井にシャンデリア的な感じでデカい鳥籠?みたいなのが吊るされてて、、」
kr「その中に閉じ込められてるってこと?」
sha「そう」
nk「なんのために?」
sha「この世界唯一の蘇生魔法を無くしたくないからだろ」
kr「というか、本当に蘇生できるの?」
sha「できる」
kn「証拠は?」
sha「俺」
br「え?」
sha「俺は一回死んでる」
「それが、スマイルとの出会いでもある」
数年前
mb「あ〜!またあいつ抜け出してる!」
mb「祈り捧げなかったら加護もらえないのに、ばかだなぁ!」
sha「、、、」
いい、もうどうでもいい、、、
神に祈りなんて捧げたくない
神を信じるなんて馬鹿みたいだ
どうせ助けてくれないのに
失ったものはもう戻らない
俺のせいで、、、
あんなにも楽しかった日々は壊れてしまった
俺がもっと固有魔法を上手く使いこなせていたら
家族は死ななかったのかな、、、
忘れもしないあの日
真夜中に家へやって来たやつらは紛れもない吸血鬼だった
当時まだ幼かった俺は両親に絶対に出るなと釘を刺されてクローゼットに入れられた
あの時、もし俺がクローゼットを飛び出して
固有魔法を使っていたら
少しは幸せな未来になっていたのか
そんなの考えたって今更遅いのに、、、
物音がしなくなって
部屋の外へ出ると俺の両親のは見せつけかのように胸に十字架が刺さって死んでいた
殺されてしまったのだ
俺の心も
体も
全部、、あいつ、吸血鬼のせいで
俺の固有魔法制裁を告げる刃は周囲に無数のナイフを飛ばすことができる
そしてそのナイフで負わせた傷口からは徐々に魔力を吸い取る種が植え付けられる
sha「呪いの魔法、、、」
他国と比べ回復やバフ魔法に長けている神国でこんなにも殺傷能力の高い固有魔法を所持している、それだけで生きづらい
sha「別に俺が死んだって誰も困らないし、、、」
「今行くよ、父さん、母さん、、、」
俺は固有魔法を使い
無数のナイフを出す
その矛先は俺
sha「、、、ッ笑」
力なく草むらに倒れ込む
やっと、、
sha「やっと、救われる、、、ッ」
傷口からは次々に花が咲き誇る
俺の魔力もすぐに底を尽きるだろう
いたい、いたい、、、いたい
ザ、ザ、、ッ
と、遠くから足音が聞こえる
この時間帯は聖堂で祈りの時間のなのに
俺と同じで逃げて来た人か?
まぁ、俺には関係ないことだけど
⁇「え、ちょ、、、大丈夫、?」
俺の前にやってきてそう一言
そりゃそう思うよな、、、
⁇「いや、大丈夫ではないよな、」
「ナイフ、、?しかも膨大な魔力が込められてる、、、」
放っておいてよ
もう、死ぬんだから
ギュッ
なんで、ナイフ握って、、、?
⁇「、、、ッ‼︎」
スッ
え、?なんで
ザシュッ!!
目を覚ますと、知らない天井だった
⁇「あ、起きた、、、?」
声の方向に目をやると1人の男が立っていた
俺、死んだはずじゃ、、、
⁇「死にそうだったから、助けた 」
sha「、、、は?」
俺の見間違いでなければ
彼は俺にナイフを突き立て振り下ろした
なのに、助けた、、、?
⁇「大丈夫か、?もしかして記憶とか、、」
sha「いや、違う、、、」
「助けてくれて、、、あ、りがと」
⁇「、、、 」
「自殺か?」
sha「、、、ッ‼︎」
⁇「図星、、?」
「なんで死のうとしてたの?」
sha「お前には関係ない、、、」
⁇「お前、、神国で自ら命を断つことがどのくらい重罪か分かってるのかよ」
「お前がもし死んでたら家族が罪に問われるぞ⁉︎」
sha「死んだ」
⁇「は?」
sha「みんな、死んだよ、、、」
⁇「、、、」
「ごめん、」
sha「いいよ別に」
⁇「ねぇ、ちょっとついて来て」
彼はそう言って立ち上がり階段を登って行った
sha「、、、」
ガチャ
彼が扉を開くと
空一面に星々が輝いていた
sha「、、、きれい」
⁇「だろ?」
「俺の一番好きな場所」
sha「なんで、?」
⁇「ん、?」
sha「なんで、ここに俺を連れて来たの?」
⁇「星って数えきれないほどあるじゃん」
「一つ一つに名前があって、輝いてて」
「でも、全部の星の名前を覚えてる人なんているか?」
話の趣旨が見えない
何を言ってるんだこいつ
⁇「、、、俺が言いたいのは、お前の抱えてる悩みなんてちっぽけってことだ」
、、、失礼すぎだろ
まぁ、確かに、、、
いつまでも過去に囚われて成長しない俺には深く刺さった気がする
⁇「とりあえず、笑えよ」
sha「え、?」
⁇「人間笑顔になれば悩みなんてなくなる」
sha「なんだそれ、滅茶苦茶すぎる、、笑」
⁇「あ、笑った、、、」
「星空に似合ってる」
sha「、、、?」
⁇「今見てる星って何十、何百万年前の光なんだって」
sha「そうなんだ、、」
全く話が繋がってないけど
なぜかこいつの話をもっと聞きたいと思う自分がいる
⁇「スマイル」
sha「え?」
sm「俺の名前、、、」
sha「え、ぁ、、、シャークん」
sm「シャークんか、、いい名前だな」
sha「ありが、」
ヘクションッッ‼︎
sha「さむ、、ッ」
sm「部屋戻るか、ホットミルク飲む?」
sha「、、、飲む」
sha「え、?ってことはお前の固有能力は自分で殺した人しか生き返らせられないの?」
sm「そう、」
sha「だったら、言ってくれればよかったのに」
sm「瀕死の状況でわざわざ言えるかよ」
「そのまま出血多量で死んでたら蘇生できなかったんだから」
sha「確かに、、、」
「そういえばさ、なんで祈りの時間に外にいたの?」
sm「、、、それは」
目が泳ぎ瞬きの回数が増える
聞かれちゃまずいのだろうか
sm「この国から逃げる方法を探してた、、」
sha「は、、?」
sm「俺の固有能力は唯一無二の蘇生魔法だ、もしそれが国にバレたらどうなるか、、」
sha「でも、他国へ逃げても殺されるだけだぞ?」
sm「そう、死ぬんだよ」
sha「は、、⁉︎」
sm「一生国の生命線として利用されるくらいなら死んだほうがマシ」
sha「意味わかんない、」
sm「いや、分かるはずだ」
「この国で重罪の自殺までしようとしたお前なら」
sha「、、、ッ!」
sm「俺らは望まれない能力を持った出来損ないだ」
「平和を目指す神国で、最恐の攻撃魔法と
最凶の蘇生魔法を持った者」
sm「俺と一緒に亡命しよう、シャークん」
「俺らを必要としてくれる人はきっといる」
ピンポーン
sm「出てくる、、」
sha「ん、ありがと、、」
ガチャ
信徒「、、、お前がスマイルだな」
sm「は、?」
信徒「国からお前の保護要請が出た」
sm「ちょ、おい、、、ッ⁉︎なにして、ッ!」
sha「スマイル、、、⁉︎」
sm「やめろって、、ッ!!離せ、、ッ! 」
sha「スマイル、、ッ!!」
どうしよう、助けなきゃ、、、
でも、相手はこの国の者
神国では同国者同士の戦闘が禁止されている
もし、行った場合は死ぬまで戦争で戦わさせられる
でも、、、そんなルール守ってる場合じゃ、
sha「スマイルを返せ、、ッ‼︎制裁を告げる刃」
sha「結界、、、ッ⁉︎」
信徒「、、、お前今攻撃したか?」
sm「シャークんなんで、ッ⁉︎」
信徒「拘束」
sha「ッ、、、くそっ!」
信徒 「深眠」
sha「ぁ、、っ?」
ゴーンゴーン
鐘の音、、、
暖かい、心地よい
sha「、、、ッ!」
信徒「目覚めたか」
目の前には大きな十字架を背にスマイルを攫った男が立っていた
教会、、か
sha「スマイルを返せ、、ッ!」
信徒「彼は今後の国の発展に協力してもらう」
sha「、、、」
「どこに居るんだよ」
信徒「上だ」
上、、、?
上を向くと大きな鳥籠のようなモノの中に
人影が見えた
足は鎖に繋がれていて
ピクリとも動かない
sha「スマイル、、、?」
信徒「今はまだ眠っている、あまり騒ぎを起こさないでくれよ」
「そして、君の処罰についてだが、、、」
「戦争へ出てもらう、永久に」
、、、なんだ
やっぱり、神様なんて居ないじゃないか
コメント
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設定が面白くて一気読みでした!それぞれのペアで若干依存気味てるのも最高です✨️ 続き楽しみです!!!
うわぁぁぁ!!か、神...✨ 前回めっちゃ気になるところで終わってたから続きが見れて嬉しいです...! 鳥籠の中にいるってなんか素敵!そんなこと言ってる場合じゃないけど...(笑) 続きが楽しみです!応援してます!!