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先生は本を小脇に抱えて歩き出し、私達もそれに続いた。向かったのは、闇の魔術に対する防衛術の教室。教壇には、担当の鶴見先生が見えた。

鶴見「これはこれは…意外な客だな」

菊田「鶴見先生、これがその本です。」

鶴見「うん、ご苦労!それで…皆もこの本に興味があるというのだな?教えてくれ、どこに興味を惹かれた?」

鶴見先生は試すような口調で我々に問うた。

アニがゆっくりとその本を手に取り、該当のページを開いて見せた。

鶴見「ふむ…魔力強化魔術の教え、か!実に興味深いが、これは法で禁じられた黒魔術だ。禁書の棚にあったのだから、聡い君たちなら分かるだろう」

イ「知りたいんです!」

突然の私の声に、一同は目を丸くした。菊田先生は、はぁ、と小さくため息をついた。

鶴見「Msハイゼンベルク。言ってみなさい。」

イ「失踪事件のこと。みんな不安に思っています。いつまでも知らないままでは…いられません」

鶴見「ふふ…なるほど、なるほどなぁ……」

ミステリアスな笑みを浮かべた先生。場の緊張感から、自然と拳に力が入り、変な汗をかいていることに気付いた。

鶴見「古き賢きレイブンクロー…意欲あるものは機知と学びの友人を得る。誠の友を得るスリザリン…どんな手段を行使してでも目的を遂げんとする狡猾さを持っている……いい。実にいい!」

その場に居合わせたもの達は、菊田先生も含め、鶴見先生の言っている意味が分からないという様子だった。

鶴見「君たちにこの事件の解明の力になってもらおう!」

菊田「えっ」

鶴見「こんな不安な時こそ結託が必要なのだ。勇気ある諸君に任せても構わないだろう」

菊田「正気ですか!?教員にすら難解の事件ですよ!?」

鶴見「生徒に任せた方がいい場合もある。特に彼らの柔軟な思考には目を見張るものがある。更に、私たちとは別の視点で見ればなにか見えてくるかもしれないだろう?」

菊田「しかし……」

鶴見「よし!そうとなれば話は早い!この本は君たちに託そう。情報の共有も必要だから、放課後またここへ来なさい。信頼ある有志者がいるならば連れてくるといい。校長には直接私が掛け合っておこう!」

そう言ってそそくさと部屋を出ていった。残された生徒と先生。まさかこんな展開になるとは、誰が予想できただろうか。

鶴見先生の奔放ぶりにやや疲弊した菊田先生は、生徒たちに向き合ってこういった。

菊田「今更あの人の考えを変えることは難しいから言っておく。お前たちは危険なことに足を踏み込もうとしていることを忘れるなよ?そして、少しでも身の危険を感じたらすぐに引くこと。わかったか?」

生徒は皆一様に首を縦に振った。

菊田「分かってくれたならいいが、無理は禁物だ。」

そう言って先生も部屋を後にした。残された生徒は互いに顔を見合う。

アニ「まったく…あんたのその無鉄砲さには驚かされるよ」

イ「で、でも…これで少しは動きやすくなるよ?」

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