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何十分走り続けたのかわからない。
それでも無我夢中に走り続けた。
そこは僕の”秘密基地”だった。
もし、みんなが言う通りだったら僕は高校一年の夏に君と会うのが初めてではない。
小さい頃良くここで親と喧嘩した時逃げれるように作ってあった部屋に
一人女の子がそこで泣いてたんだ。
ただ、女の子は酷く肌が紫色だったのを覚えてる。
もし、その子が美奈だとしたら、、
もし、三奈があの場所で泣いていたら?
信じたくなかった。美奈が一人で抱え込むところを。
見たくなかった、細い腕に紫色の大きな痣が出来るとこを
目を逸らしていた、世の中の現実から。
感じていた、もうこの世には居ないのかもって
愛されて”た”んだよな、三奈。
お前は偽りの無い愛を感じたことがなかったんだろ。
つらくて苦しくて逃げ出したいのは
お互い様だよな
嗚呼わかった気がした。僕と君は似たもの同士だよ。
歩きながらテントの前まできた
僕の靴が見えても何も言わなかった。
【、、、、】
『三奈、帰ろう。』
目の前に来てしゃがんだ。
体は冷たく冷え切っていて、
息はしていなかった。
愛されることを知らない君と
愛されたい僕は似ているね。
僕は髪を撫でて言った。
『三奈、愛してる。』
人生の中で人と出会う事は宿命である。
だが、別れもまた運命である。
誰かに依存をする覚悟があるならば僕は君と一緒に死ぬさ、
君の体には赤い模様が付いていた。