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#ご本人様には関係ありません
お粥。
13,441
こと
635
みのあ🍀
571
「…っ、本当に…申し訳ありません!!!」
開発者達が肩を震わせ頭を床に擦り付けていて、ソレを横目に集めた情報とこれからの動きを頭の中で整理する。
「謝罪は解決してからと言いましたよね?とりあえず、1秒でも早くぼんさんを起こせるよう…しっかり考えてください」
フラフラと立ち上がり席に座り直すその人達を見て、おんりーは何かを決意したような迷いのない顔で俺へと告げる。
「ドズルさん……もう一度…俺をゲームの中に入れてくれませんか…」
「…どうして?」
「こっちで出来る事が限られて、いるからです…もし、ぼんさんがまだ中にいるなら…中からログアウトボタンを押させれば…可能性はあると思います」
「ぼんさんがいるって保証もない、ましてや、おんりーも戻って来れなくなるかもしれないのに…」
「ぼんさんの録画メモリー取り出しましょう…」
おんりーは、そう言うとスヤスヤと眠るぼんさんの脇に立つ。開発者とこちら側のスタッフへ目配せし良いか尋ねている。
「…抜いても支障はないですか?」
「ないです、録画メモリーなのでゲーム自体には影響ありません」
「一応、こちらの空メモリーと差し替えましょう、数秒間だけ録画出来ないですけど…抜きっぱなしよりマシでしょう」
スタッフ達がテキパキと行動し、ぼんさんのメモリーを再生機へと入れ込む。
「ドズルさん、もし、この映像でぼんさんがまだ中にいたら…俺を行かせてください」
誰よりも怖いことが嫌いなのに、ぼんさんの為にそれすらも乗り越え…強く燃える瞳で俺を見てきて、自然と頬がつり上がってしまう。
「あぁ、わかったよ…でもおんりー」
「はい」
「その場合…行くのは皆で…だよ……ね?いいよね?」
おらふくん、MEN…と2人を見たら、当たり前ですよ、と頷いていた。
誰よりも先にログインしたぼんさん、
その瞳が初めに写したのは草花が揺れる地面…それから空、そして…
「…黒い…人影…」
丘の上へと目線が動き、ビタリと止まる。
ぼんさんが言っていた人影…はそこにいた。
少し離れた場所、小さな丘、その上でニヤリと頬を歪ませこちらを見ている。
真っ黒のフードを被り、ぼんさん程の背丈で、只々ぼんさんを見つめて笑っている。
数秒後にゾロゾロとメンバーがログインして、視線がズレ、ハッとまた戻した時にはそこには誰もいなかった。
「記録します」
「お願いします」
ネコおじは時間と現象をホワイトボードへと記録する。
バグを見つけては記録し、再生し、とうとうその場面になる。
MENの絶望に見開かれた瞳から大粒の涙が溢れて、画面いっぱいに降り注ぐ、ぼんさんはそれを見つめながら…ごめんとつぶやき、
プツリと世界が暗転した。
録画は続いていた。
真っ暗で、秒数のみが伸びていく、なにか手がかりがないか、暗闇の画面を見つめながら耳を澄ます。
早く、早くぼんさんを助けに行きたい…
『………ケホッ』
「っーーー!!!」
真っ黒だった視界が薄く色付き、【リスポーンorゲームメニュー】のボタンが現れる。ぼんさんは数回咳込みリスポーンを押した。
『ッ…だぁ!いっっっつた!!え!痛!?やばっ、これ、ヤバっ!痛すぎんだろ!』
最後に寝かせたあのベッドの上、そこでぼんさんは自身の胸をぺたぺたと触りながら、貫かれた痛みを思い出しボヤきまくっている。
その光景が、いつものぼんさん過ぎて緊張していた空気がふわっと和らいだ。
「…ぼ、んさんや……、まだ、まだいるんやね!そこに居るんや!」
おらふくんが寝たままのその人の手を、強く握りしめて泣きながら笑っている。
「おんりー…」
ドズルさんが俺の肩に手を乗せて、静かに頷く。
画面の中のぼんさんはベッドから立ち上がり、外へと出て集合場所へと歩いている。『おーい、みんなー?どこだー?助けに来たぞ〜』とお決まりの言葉を発しながら辺りを見渡していて……
「…ぼんさんを叩き起しに行こう…あの人、本当にログアウトのやり方忘れてるのかも」
「ははっ、有り得る」
ドズルさんが、ホッとした表情で冗談交じりに告げて、ベッドへと身体を倒す
それに続いてMEN、俺、最後におらふくんがゆっくりと横になった。
「お願いします…」
ドズルさんの掛け声と共に、再び装着される機械。
この時、皆思っていたんだ。
小さなイレギュラーで、一時的にぼんさんが戻って来れないだけだと
皆で起こしに行けば、またいつもの日常が来ると…
でも、これは、そんな簡単な話ではなかった。
秘めた互いの気持ちがぶつかり、爆発し、
ドズル社結成後……初の大喧嘩
いつもの日常は戻ってこない。
そこにあるのはーーーー・・・
「……」
ゲーム時刻は夕方
丘の見える初期地
頭を掻きながら、例の黒い人影を探すように丘を見た…が何も居ない。
他のメンバーも同じように辺りを見渡し、緑の鶏や黒い人影、赤いスケルトン…挙げられた異常を探している。
「…何もないね」
ドズルさんがフーッと1つため息を付いて、廃村方向へ歩き始めた。
おらふくんは無言でその背中を追い、おんりーは少し離れた所から全体を見るように進む。
「…………」
俺は…正直、ビビってる。
あんなに楽しくて、好きだったゲームが怖くて仕方なかった。
目の前で命が消える瞬間、光を失いピクリとも動かなくなる身体、少しずつ温もりが薄れていく感触…
リアル過ぎて、愛しい人の最後を強く考えさせられた
この人が幸せならそれでいい、笑顔で楽しいと…はしゃぐ姿が好きで、それを近くから見守れるこの距離感でいい、それ以上は求めない…求めちゃいけない……そう思っていたのに、叩きつけられたあの光景は俺の中に閉じ込めた気持ちを激しく燃え上がらせた。
このまま何もせずに失っていいのか?
このまま気持ちを隠して…後悔しないか?
知らない誰かに掻っ攫われて…知らない所で消えるかもしれないのに?
本当にいいのか?
大好きな笑顔で振り返り「めん!」と俺の名前を呼ぶぼんさん、その人から笑顔も温もりも…ある日突然、失うかもしれないのに…明日もしかしたら事故にあって二度と会えないかもしれない、それが今日の帰りかもしれない、今こうして笑い合えている環境は奇跡なんだ
と、血が騒ぐ
それはきっと俺だけじゃないはずだ…
先頭を歩くドズルさんのその足は少しずつ早くなっているし、いつもなら、はしゃいで明るく話を振るおらふくんだって無言で前だけを見ている。おんりーは二度と失うものかと強い瞳で忙しなく辺りを見渡していて、…その状況にさせているのが全て一人の男なのだから、これはきっと俺の思い違いではない
「….皆は、ぼんさんの事」
俺がそこまで言うと、先頭を歩いていたドズルさんはいつの間にかこちらを振り返っていた。
夕焼けで顔に影を落としたその表情は、よく見えないがギラりと光る瞳だけは確かに俺を射抜いている
「めん…今はやめよう、その話は皆が無事に現実に戻ってからにしよう」
「…了解」
おんりーとおらふくんは終始無言で前だけを見ている
(……皆、大分拗らせてんな)
太陽は沈み、地平線に微かにその残火を見せている頃、やっとの思いで到着した例の廃村
あの時と全く同じで、噴水近くには使い方を知る為に設置されたかまどもある
「まずは、チェストに保存している武器を皆装備しよう、夜がくる…」
ドズルさんは空を見てメンバーに指示を出し、おんりーとおらふくんは松明を出来るだけ作り、手際よく中央から一定間隔に設置し始めた。
さて、俺は……
少し離れた場所にある、あのベンチ
あんなに零れ落ちていた赤はひとつも残っていない
「……」
ぼんさん…と誰にも聞こえない、小さな声で呟く
手に持った少し重い斧の柄が、ギシギシと軋む音がしてハッとそこを緩める
無意識に力を入れていた
「………めん」
「ッ……ドズルさん…」
ジッと地面を見ていると背後から声がした
ドズルさんはベンチ近くに松明を数本立ててそこへ腰を下ろすと「辛い思いをさせたね」と、言ってる本人が1番辛そうな顔をする
「グロいのには、それなりに、…耐性はあると思ってたんスけどね…」
「無理でしょ、どんなに耐性があるって言っても…」
カランとドズルさんの手から斧が離れる、ベンチの足に立てかけ空いた両手を組む
その表情は読めない…
「僕もね…医大に行ってたからさ、そこそこね、耐性はあるのよ……でもダメだね」
「……」
「ぼんさんは、ダメでしょ」
「……」
ダメだと言ったあと、何かを感じ取ったのか斧を再度手に取りゆっくりと立ち上がった。
「…ぼんさんだけは、絶対無理だ…ダメなんだよ」
「………」
「めんも、そうでしょ?」
「…っ」
「ぼんさんが血を流すのも…悲しむのも…涙を流すのも…」
読めない表情、淡々とした言葉の奥の…熱い想い
振り上がったドズルさんの斧が、暗闇から突如現れた白いスケルトンへとめり込んだ
ガシャン!
バラバラに砕けたソレは、暫くすると土へと還る…
その流れを終始無表情で遂行したドズルさんは、ゆっくりと俺へ視線を合わせにこりと微笑んだ
「”俺”は耐えられない」
ね?めんも同じだろ?
ドズルさんは、ゆっくりとそして静かに心を病んでいた。
昔、ぼんさんに出会う前の自身をメンヘラだと言っていたのを思い出す。そういえば、メンバーも昔と今では心の安定が段違いだ、
ますます、ぼんじゅうるという男が無意識に周りに与えている影響力の恐ろしさを知る
「俺も同じッスよ…必ず連れ戻します、あんな姿のあの人はもう見たくない」
「………」
「だから、全力出しましょーや…お互い」
斧を握り直し、クルクルと数回大きく円を描くとドズルさんの背後から現れたゾンビ目掛けて腕を振り上げ土へと還した
「ここからは、”お仕事”じゃ…無いんスよね?」
「あぁ…だから、素で行こう…お遊びは無しだからな?」
「了解」
コホンとひとつ咳をし、足で土を数回踏むと、ドズルさんとふたりで例のリスポーン地点へと歩みを進めた
ドズルさんとMENがあのベンチで何かを話している。
離れているのに2人から痛いほど伝わってくる研ぎ澄まされた空気が、僕の身体にもひしひしと伝わってきて、逃げるように隣でチェスト内を整理しているおんりーを見た。
「おらふくん、俺達はとりあえず行動範囲内の湧き潰しをしよう。ここら辺を自由に動けないとキツイ」
「そうやね…うん、なら、もっと木材いるよね…取ってくる!」
「多目に松明渡しとく…設置しながら採取お願い」
「うん!行ってくる!」
「気をつけてね」
「おんりーも!」
ご武運を、と言い合い背中を向けて走り出す。
少しでも早く、皆の為に……ぼんさんに「さすがおらふくん!」と褒めてもらう為に…
「ふふ、ぼんさんもおっちょこちょいやな〜、ログアウトの仕方を忘れてるなんて!」
くふくふ笑いながら、1番近くの家屋に入り散らばった木材を掴みあげた、そういえばチェスト移動が楽だったよね、と思い出して一応持ってきていたチェストへ手当り次第木材と石材を詰めた。
「不思議…アイテム自体は重いのに…チェストに入れたら空箱みたい」
どうやら、このバグは継続しているようで…正直助かる
じゃなきゃ、何往復しなければ行けないのかと…
そこまで考えて、次々〜とチェストを抱えあげ直し2軒目へと足を進めた……その時、
「おらふくん!!おらふくん!!」
おんりーが凄い音を立てながら、何かから逃げるようにこちらへと走ってきた。
「え、ええ?おんりー?!どないしたん!?」
「おらふくん!!ぼんさん!ぼんさんを守って!!」
「え!?」
ガキンッ!ガッ!と鋭い刃物同士の激しい音と、バタバタとかけて来る音
おんりーは片手で必死に斧を振り、もう片手でぼんさんの手を強く引いて自分の背後へと隠そうとしている。
「ぼんさん!?」
「っ!おらふくん!ごめん!俺だけ何か狙われてるみたいで…っ!」
感動の再会…になる予定だったそれは、流石ぼんさん…と言った所か…、
カラコロと音を立てるスケルトン達からゼーハーと逃げてくる2人
おんりーには見向きもしないで、不気味に骨を鳴らし、笑いながら背後のぼんさんのみへ手を伸ばす異様な光景
何やってんですかぼんさん!と叫びたかったが、出来なかった
「赤い…スケルトン!!!」
腹の底から怒りが湧いた
瞬間湯沸かし器みたいに、カッと…
大好きなぼんさんを酷く貫き、死へと誘った例のスケルトンが、4体身の丈程ある刀身を振り回しながら迫っていた
おんりーは、息も絶え絶え大きな衝撃の一振を斧1つで弾き返し、ぼんさんをあっちへやりこっちへやり、と必死に守っている。
「おんりー!ぼんさん!」
チェストを投げ捨て、両手に斧を装備し、怒りをバフに…
「2人から離れろーッ!!」
走り出したそのまま、おんりーと鍔迫り合いをしているスケルトンを勢いよく砕き落とした。
ガラガラと砕けたソレは少ししてボッと青い炎に包まれ消し炭になる…あの時と同じ…
「ぼんさん!こっち!」
おんりーからぼんさんの手を受け取り、引き寄せるとスケルトン達はギョロリとこちらへとターゲットを移す
アホ、おんりーから視線を外すなんて…ソレは殺してくれと言ってるものなのに
瞬時に僕の読みを理解したおんりーは、背後から次々とスケルトンを砕いて行った
残り1体…になった時、またそいつは『くはっ』と笑った。
僕の背後で息を切らしているぼんさんをニタニタと見ている。
口をカタカタと鳴らし『くはくは』と笑って…、
『…ア………ッ……ル?』
「……は?」
刀身を振りながら、笑いながら、ソレは確かに何かを呟いた。
背後から攻撃を仕掛けたおんりーは、ピタリと止まり戸惑っていて…
『…キ……ア…?』
「な、んで、喋ってん?!」
「ッ…なに、怖い…怖い怖い、ちょっ、なに!?」
ぼんさんは僕の後ろで怖いと何度も叫び早くどうにかしてと震えている
僕とおんりーは喋り出したスケルトンを困惑した表情で見つめ、斧を構え直す
そいつは次第にカタカタと体全体を揺らしながら、天を仰ぎ……
『ア……テル!アイ…シテル!アイ…アイッ!』
耳を劈く音で鳴き出した。
「なっ…!?なに!?え!?」
『スキ?スキ?スキ?』
同じ言葉を何度も繰り返し、ケタケタと骨を鳴らし刀身を振りかざす
ソレは僕の背後で震えて蹲るぼんさんへと一直線に落ちてーー…
『スキ、アイシテル、スキ、スキ、アイシテーーー』
「どらぁあぁあ!!」
どこからか飛んできた斧がスケルトンの頭部を粉々に砕き僕とおんりーはハッと視線を寄越した。
少し離れた場所から息を切らしたMENとドズルさんがこちらを見ている。
MENの手は斧を投げたままで止まっていて…ギラつく瞳で僕達を睨んでいた。
「2人が…2人がいて…何やってんだ!!」
MENは、ゆっくりと体勢を整え眉間を抑えると、深くひとつ息を吐き「いや、すまん」と謝ってきた。
謝らなくていい…だって、あのスケルトンのせいで目の前でぼんさんを失ったMENは…誰よりもこの人の死を重く考えてて、尚且つその敵に殺意を抱いてるはずだから。それなのに僕とおんりーが居たにも関わらず、またぼんさんを失うところだった…、
「ドズルさん…めん…」
おんりーはクシャと表情を歪めて「こっちこそ、ごめん」と謝ってて、僕も続けて言葉を落とした。
「終わった?ねえ、スケルトン居なくなった?」
「……はぁ、ぼんさん、終わりましたよ」
蹲って居たぼんさんは、ドズルさんの一言で顔を上げると、皆を見て「怖かったぁあ!」といつもの情けない声を上げた。
「おんりー!おらふくん!ありがとうううう!」とえぐえぐと泣き真似をしながら抱きついて来るものだから、誰のお陰でこんな空気になってるんだ?…と一瞬静かになった。
はぁーーと大きなため息を着いたのはドズルさんで、それに続いてMENが…そしておんりー、最後に僕が「何やってるんですかぼんさん」と笑い出して……やっといつものみんなに戻った
そんな気がした。
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コメント
4件
更新ありがとうございます!続き気になります
更新ありがたやぁ…えっ、えっ、えっ!?!?一体何でしょうか…あいしてる?好き?私が少しだけ思いついたものを言いますと、メンバーの愛(負の部分)の具現化だったり…?わかりません!!次回が楽しみです!!

🍆さんにしか見せない表情をするメンバーですね♪メンバー皆んな🍆さんの事が大好きだからメンバーは🍆さんの事になると全力ですね🫶🍆さんはメンバー皆んなに愛されていますね👍とても最高ですね♪