「行け!」 『行け!!!!』
ここに1人のウマ娘がいた。彼女は歴史を残し続け、人々に衝撃を与えた。
日本のみならず、世界中に衝撃を与えた1人のウマ娘が
ターフに歴史を刻む
数週間前
とうとう迫ってきた有馬記念
「はぁーーーーーー!!!!」
タイムは悪くない…
色々あったローマとの二人三脚。あっという間だ。
「トレーナー、練習終わったよ!」
「じゃあ終わりに…」
「スクーデリアローマ!」
後ろで聞いたことがある声が…
「周?!」
「久しぶりだなローマ!」
なんと周尹宣だった
去年の有馬記念で初めて負けた相手だ
「有馬記念か、悔いの無いレースにしろよ!」
「絶対勝つから!!」
「応援してるぞ、ローマ!」
「ていうか、なんで日本に来たの?」
「…この2人に連絡先交換してさ!」
周の後ろから顔を出したのは、ライスとウララだった。
「ライス、ウララ?!なんで?!」
「実は、去年来た時に浅草寺観光してたら2人に出会って、そこから仲良くなったかな!」
「最初初めて会った時大声出しそうになったんだ!口を塞がれたけどね」
「ライス最初怖くて、でも話してたら優しい人だって」
「まぁ、中国最強ウマ娘だからな。大声で行ったらさすがにバレるよね」
「そうだったんだ!」
「ローマ!」
「ユリノ先輩!」
「…その子は?」
「周尹宣(じょういんせい)、私が唯一負けたウマ娘なの」
「唯一…負けた?」
「まぁ私も最後のレースだったからな、仕方ないよ」
「…模擬…レース、したいです…」
「いいよ!ローマの先輩と走ってみたかったし!」
「じゃあ俺、体操服持ってくるよ!」
「ライスもいいかな?模擬レースに」
「ウララも出ちゃおっかな!」
「いいよ2人とも!!」
そして、ライスとウララ、周、ユリノと模擬レースが始まった。
「ここだ!!」
スパァァァァン!!!!
「そう来たか!なら!!」
スパァァァァン!!!!
周とローマがスパートをかけた。それに続いてライスシャワーも仕掛けた。
「中々やるなローマ!だが…はっ?!」
周の後ろからユリノテイオーが来ていた。
「なんだ君?!この体格で…!!!!」
「ユリノ先輩舐めたらいけないよ!!!」
当然ローマはユリノの強さを知っている。知らない周は焦っていた。
そして5人はゴールインをした。
「ふぅーー!!どうだ学園のトラックは?」
「日本の設備充実してるね!」
「本当?」
「はぁ、はぁ…周さん速い!ライス驚いちゃった!」
「ウララも周さんの走り凄かった!」
「ありがとう2人とも!引退しても足はまだまだ現役さ!」
周尹宣は引退した後もトレーニングを行っていたため、走りは衰えていなかった。
「はぁ…はぁ…」
「…君も凄かったよ!あの体格でローマと私に追いつけるなんてね!」
「あ…ありがとう…ございます」
「自慢の先輩だよ!!」
「…ローマ!恥ずかしいからやめてよ!」
「みんなお疲れ様!」
「トレーナー!」
「三井さん!ローマ進化してますね!」
「まぁあの時の悔しさがあって、そこから学んで来たんだから!!」
「ところで、周はこの後どうするの?」
「今のところ特に何もないけど…」
「なら、学園に体験入学するのはどう?」
「「「「「え?」」」」」
ウララの言ったことに少し驚いたみんな。学園の体験入学?この頃?
「でも…会長の許可下りる可能性はないと思うけど?」
「下りないの〜?」
「仕方ないよ…」
後ろで聞き覚えのある声が聞こえた。ローマやユリノ、ライスにウララはすぐに分かった。
「ルドルフ会長?!」
「楽しそうな声が聞こえてきたから、何を話していたのか気になってな」
「まさか…さっき体験入学の事も聞いてました?」
「その事だが…特別にその許可を認めよう」
「え?いいんですか?」
「やったぁ!!」
「私も気になってな、スクーデリアローマを初めて黒星をつかせた周尹宣、気になってな」
「私のことも見てくれてたんですね!ありがとうございます!!」
「よかったね周!」
「最低でも12月いっぱいは体験入学だ。楽しんでくれ日本のトレセン学園を!」
帰りはローマと周と2人で美浦寮に向かって行った。
「ローマは、寮なんていう名前なの?」
「美浦寮【みほりょう】っていう名前だよ!」
「美浦寮か、どんなウマ娘が住んでるだろうな!」
「寮長は凄腕の料理ができるウマ娘なんだ!ついたら教えてあげるよ!」
歩くこと18分…
「ここが美浦寮だよ!」
「大きい寮だね!何人ぐらいなんだろうね!」
「後で教えるね!」
「ただいま戻りました!」
「おうローマ!お帰り!」
「おぉ!元気のあるウマ娘だね!」
「やぁ周尹宣!美浦寮の寮長ヒシアマゾンだ!ヒシアマ姐さんと読んでもいいんだよ!」
「1ヶ月くらいですがよろしくお願いします!ヒシアマ姐さん!」
「ねぇ!あの子ローマさんを倒した…!」
「周尹宣さんだよ!まさか体験入学するなんて…!」
皆が周尹宣のことに広がって行った。
「ローマさん!」
「ロブロイ!あの時の周だよ!」
「君は確か…?」
「去年の有馬記念で走ったゼンノロブロイです…!」
「あぁ、ローマの同期ね!」
周もロブロイのことも知っていた。覚えてくれてたんだ!
「1ヶ月ここに住むことになるからよろしくね!」
「よ…よろしくお願いしましゅ!はぅ…!」
「ロブロイたまに甘噛みするけど…そこが可愛いんだよ!」
「ははは、よろしくねロブロイ!」
いつの間にかロブロイと仲良くなった周尹宣。その後も、美浦寮の生徒達が周の周りを囲むほど人気になった。
翌日
教室
「ねぇ、今日体験入学してくる子がここに来るってさ!」
「誰なんでしょうかね?」
テイオーとマックイーンは体験入学してくる周尹宣のことを知らない。知ってるのは美浦寮の生徒とローマだけ
「何話しているの2人とも?」
「ローマ、ここに体験入学してくる子誰なのか分からなくってさ」
「後でわかるよ!」
ローマは笑顔で答えた。
「なんで笑顔なの?気になるじゃ〜ん!」
「知ってる方なのかしら?」
「そのうちわかるよ!ほら、先生来たよ!」
先生が来た同時に皆が席に座った。
「今日は噂が伝わっておりますが、今日このクラスに体験入学する子を紹介しますね。どうぞ入って」
「初めまして、1ヶ月お世話になります!周尹宣です!」
テイオーとマックイーンは驚きを隠せなかった。
「ローマさん、これは一体…?」
「え?あの周尹宣?」
「嘘だ…最強ウマ娘がトレセン学園に?」
クラス内がざわめいた。ローマに勝ち越した周尹宣が来るとは思ってもいなかった。
「実はね、周とは1回戦ったことがあって…それ以降仲良くなったんだ!」
カフェテリア
「いや〜こんなに人気になるなんて思わなかったよ!」
「周、初日から人気だね!」
周尹宣の注目は昼になっても絶えなかった。
「にしても、この人参ハンバーグ美味しい!」
「この学園の名物なんだよ!」
周はカフェテリアで人気の人参ハンバーグを食べていた。
「あれ?ローマちゃん!」
「スペ先輩!」
「あぁ!確か周尹宣さんですよね!」
「初めまして、周尹宣です!」
「スペシャルウィークって言います!1ヶ月よろしくね!」
「こちらこそ!学園楽しんで…みたいです…」
「どうした周?」
「昼食の量が…」
周はスペシャルウィークのご飯の量に驚いていた。
「ハハハ…スペ先輩結構な大食いなんだ」
「えへへ…食べ過ぎて太ってしまったことがあるんです…」
「この量食べてこの体格はすごいですね!その分トレーニングやってるって証拠ですね!」
「日本一を目指しているので!」
「日本一なら…あの先輩も日本一だよ」
ローマが向けた視線の先には、スペシャルウィーク以上のご飯の量があった。
「えぇ!あの子も?!」
「オグリ先輩だよ。地方から来たウマ娘なんだ」
「地方!!!殴り込みみたいですね!」
「本当にすごいよオグリ先輩は」
放課後
ローマと周は、テイオーと一緒にいた。
「周尹宣はさ、はちみーって飲んだことある?」
「はちみー?」
「はちみつドリンクって言うんだ、テイオーは超濃いめの頼むからさ」
「周尹宣も飲んでみようよ!甘いよ!」
「ちょっと気になるね!それどこに売ってるの?」
「公園のところだから、ボクについてきな!」
そう言ったテイオーは周の手を繋いで、公園に向かった。
(すっかり仲良くなってるねテイオー!)
公園
「甘い!美味しい!!」
「よかった!甘くて美味しいよね!」
「久しぶりにはちみー飲んだけど、やっぱり甘いね!」
「日本ってこんなにすごいところだって初めて知ったよ!」
「周の中国のトレセン学園は私達のトレセン学園と違うの?」
「所々似てるところがあるけど、武術っていう特殊な授業があるんだ!」
「武術?」
「弓を使ったり、剣を使ったりなど色々あるよ!私は洪家拳(こうかけん)の武術を学んでいるよ!」
「こうかけん?」
「中国南派を代表とする拳法なんだ、腰を落としたり鋭い拳法を繰り出すんだ!」
「へぇ〜、実際にやってみてよ!」
「え?」
「私も気になる!」
「ここでやるの?!まぁいいか!」
すると
「ねぇ!トウカイテイオーとスクーデリアローマじゃない?!」
「今話している子って誰なのかな?」
「テイオーさんとローマさん!このお姉ちゃん何するの?」
「このお姉ちゃんある技をやるの!見ててよ!」
人だかりが多くなり、周りにはファンの方も多くいた。
「じゃあ行くよ!」
集中力を高める周。さっきまでの雰囲気とは全く違った。
「「「「おぉぉぉ〜!!」」」」
周は鋭い動きで腕を動かし、腰を落としながら技をしていった。
洪家拳を終えた周。周りから拍手が起きていた。
「すごいね周!」
「かっこいい!!」
「ありがとうございます!!」
「ボクもやる!やぁ!はっ!やぁ!わぁっと…!」
「っと…無理に動かしても怪我するよ」
「そうだよテイオー、また走れなくなっちゃうよ?」
「む〜!」
周とローマは笑いながら言った。
翌日
有馬記念前日の土曜
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、」
ローマはトレーニング中。あの時負けた有馬記念のリベンジを誓っていた。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「いい感じだローマ!この調子なら有馬記念行けるぞ!」
「そう?よぉ〜し!もう一本行ってくるぅ!」
そう言ってローマはまた走った。
「有馬記念、絶対に勝つ!」
「ちょっと待ちなさいよ!有馬記念、このスイーピーも出るんだから!」
後ろからスイープトウショウがいた。
「え?スイープも出るの?!」
「もちろん!ローマの走りを感じたいわ!1着は譲りませんけど!」
「いいよ!いくらでもかかってきな!」
「はぁ…はぁ…はぁ…あれ?スイープ?」
「私も有馬記念出走するから!覚悟しなさいよ!」
「挑戦するとはいい度胸だね!私は無敗の三冠取ってるからねっ!!」
「絶対1着渡さないから!」
スイープトウショウの挑戦状にローマはあっさり受けた。無茶はするなよ!
「スクーデリアローマさん、会長がお呼びです!」
「会長?」
呼ばれたローマは生徒会室に向かった。
生徒会室
「失礼します!」
「来てくれたね、スクーデリアローマ」
「あの、呼ばれた理由はなんですか?」
「大したことじゃないが、ちょっと話したくてな。ここに座ってくれ」
「君のトレーナー君、レーサーなるって聞いて」
「え…まさかダメですか?」
「いやいや、そういうことじゃないんだ。トレーナーはウマ娘の影から支える存在だが、君のトレーナー君は影でも表でも活躍するのが楽しみで」
「トレーナーは本当に凄いです。再びレーサーやるの私も嬉しいですよ」
「トレーナー君…三井優希の戦う姿、是非とも見てみたいな。来年の4月デビュー戦が楽しみだ」
ルドルフは三井のことも注目されるかもしれない。
「そして、明日だな有馬記念」
「はい、去年のリベンジを果たしたいです!」
「スクーデリアローマは有馬記念のテイオーやオグリを見たことある?」
「オグリ先輩は、地方からやってきて強豪のウマ娘達と戦って今も人気を衰えない先輩です。テイオーは何度も骨折に悩んで、それでも走って1着…その時私も泣いてしまって」
「実はあの時、私も泣いたさ」
「…実の娘みたいな存在ですか?」
「ハハハ、そうかもな」
「ライバルだった周尹宣も有馬記念制しているが、まさか仲良くなるとはな」
「周は本当に優しくて、初めて会った時は少し怖かったですけどね」
あの時言ってた。絶対勝ってやるって言われ、本当に勝ってしまう有言実行が凄かった。
「有馬記念勝ったらどうするつもり?」
「…それはまだ決まってませんね。後で考えますよ!」
「頑張って!私も応援してる!」
「ありがとうございます!期待に応えられるように頑張ります!」
ローマ ルージュ部屋
「ルージュ、電気消すよ」
「いいよ」
就寝時間となった。
「ローマ、明日頑張ってね!」
「ありがとう、頑張るよ!!」
「……ここは?」
「久しぶりだねローマ」
「ジューン・シューマッハさん?」
これは夢なのか?ジューン・シューマッハが現れた。
「あの時苦しめてすまなかった。この通りだ」
深く頭を下げたジューン。思い出したら苦しくなる現象を起こしてしまったことに
「…大丈夫ですよ、私を名付けてくれてありがとうございます!」
「え?」
「ジューン・シューマッハさんは私の名付け親なんですから!」
「…有馬記念、頑張ってね!」
「?」
起き上がったローマ。時計は7時半を回っていた。
「夢…なの?」
「ローマおはよう」
「ルージュ?」
「ローマ嬉しそうな夢見てた?」
「え?」
「寝てる時嬉しそうだったもん、疲れだいぶ吹き飛んだみたいな嬉しい顔だったよ」
「ふふふ、なんの夢見てたと思う?」
「…分からないよ〜」
朝のほのぼのする会話だった。
有馬記念当日
「クラシック、シニアクラスが混合する有馬記念、年末の大1番!!無敗の三冠ウマ娘スクーデリアローマが去年のリベンジをここで払拭するか?!」
いよいよ有馬記念が来た!
控え室
「ローマ、今日も勝負服似合ってるよ!」
「それはいつものことでしょ。けど、緊張お愚してくれてありがとう」
控え室にはローマとテイオーとマックイーンがいた。ローマの応援をしに来たらしい。
「よし、行ってくる!」
「ローマさん、ちょっとだけいいですか?」
「何?」
マックイーンはローマの手をマックイーンの額に当てた。あの時の夏合宿の時の2人だけの夜みたいに。
「おまじないかけたの?」
「ええ、皆に勇気と希望を届けて欲しいという願いをかけましたのよ」
「…ありがとう…頑張ってくる!」
「ローマ!」
「スペ先輩、皆?!」
スピカのメンバーらが応援に来ていた。
「ローマちゃん!有馬記念頑張ってね!」
「ありがとうございます!」
「ローマ!ゴールしたら腕立て70回な!」
「それは嬉しくありません!応援じゃないんですか?!」
「んだよ、ゴルシちゃんはローマのこと応援してやってるのに!!」
「分かりましたよ…」
「ローマちゃん、ゴール後の景色綺麗だから頑張って!」
「スズカ先輩、頑張ります!」
「俺たちも応援してるから!」
「1番目指してきてください!」
「ウオッカ、スカーレット、頑張るよ!」
「ローマ、ライバルは私がいるから!」
「スイープ?」
「天才魔法少女だから、私と勝負よ!」
「負けないよスイープ!」
「二人とも頑張ってください…!!」
「ロブロイ、行ってくるよ!」
そしてローマとスイープは会場に向かった。
「各ウマ娘がゲートインしております!スクーデリアローマは入念な準備をしております!」
(トレーナー、絶対勝つから!)
「やだやだやだやだやだ!!」
「スイープトウショウ、やはりゲートインが出来ない、係員を押しのけています!」
(全く、スイープがゲートインする途端にこういうことが起きるんだから)
「早くゲートインしろよ!」
「レースが始まんないぞ!」
「ふんだ!」
「スイープ、ゲートインしないと私走れないよ!」
「係員が強引過ぎるのよ!」
「じゃあ…走るのが楽しくなる魔法かけてあげるよ!」
「え?」
架空の魔法をかけたローマ。意味は…
「これはね、楽しく走れる魔法だよ!ゲートインすれば必ずなるよ!」
「…何それ!素敵な魔法じゃない!ゲートインするわ!」
そしてスイープはすんなりゲートインした。
「スクーデリアローマがスイープトウショウと話した後、スイープトウショウがすんなりゲートインしました!」
「え?何したのローマ?」
「…おそらく、魔法をかけたのでしょう!」
「魔法?」
「ふふふ、ローマさんいい魔法を考えましたね!」
見ていたロブロイは微笑んだ。
「さて、行きますか!」
(スターライト・アメイジング!)
「スタートしました!12番が快調に先頭に経ちました!スイープトウショウが少し出遅れた感じがあります!」
(あれ、いつもより…)
「スクーデリアローマは後方から3番手!その後ろにスイープトウショウ!」
(ローマの後ろだ!素敵な魔法をかけたからいい感じ!!)
「さぁ最初の4コーナー!先頭は12番のニュースポーツクロス!その後ろにトップシャイニング!イーパワーキックスという順番です!正面スタンド前を通過していきます!」
(テイオーとマックイーンの声だ!今日は声援の声が一段と聞こえる!思いが繋がっている!)
「先頭ニュースポーツクロス、1000メートルのタイムは59秒5!少し速いペースで進んでいます!!」
(さてと、最終コーナーで仕掛ける!!スイープも同じ追込だから来る!)
「後ろのストレートに入り、逃げる逃げるニュースポーツクロス!先頭の差はご覧の通りです!」
「あれだけの差差し切れるのか?」
「いや、今日のスクーデリアローマは違う!今日は楽しそうなレースをしているかもな!」
「ユリノ、自慢の後輩が人気みたいね!」
「コール、ルネ…うん、今日のローマ楽しそう!」
ユリノも感じていた。今日のレースは楽しんでいそうと。
「先頭はニュースポーツクロス、その後方にトップシャイニングがいます!…そしてここにいましたスクーデリアローマは後方から3番手にいます!」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」
「…ここは?」
「また会えたね、スクーデリアローマ」
「ジューンさん?!ここは一体?」
「君の心の中だよ」
「私の…?」
「ローマ、レース中だけど気分はどうだ?」
「…楽しいです。今日は一段と楽しいレースです!」
「そうか…楽しいか…」
「ジューンさん?」
「…私もレースのために生きてきた人生だったさ、初めてF1に出た時は凄かったさ」
「…そうなんですか!」
「けど…忘れちゃいけないのが…偉大なるレーサーから思いを引き継いでな、そのドライバーはレース中のクラッシュで…亡くなったんだ」
「…え?」
「だから、勝って、勝ち続けたのさ。皆から批判を浴びようと、勝ち続けた」
「…一緒ですね、私と」
…マ!ローマ!
「?」
突然ローマのことを呼んだ声が聞こえた。
ローマ!! ローマさん!! ローマちゃん!! ローマ!! ローマさん!! ローマさん!! ローマさん!! スクーデリアローマ!! ローマ!! ……
ローマ、有馬記念頑張れよ!!
「その意気だ!」
そして、ジューン・シューマッハは光の魂となり、ローマの心の中に宿った。
「皆…」
「さぁ最終コーナーに入りました!」
「マックイーン…ローマの後ろから…」
「えぇ…見えます…ローマさんの後ろから…」
「ローマぁ……見えるよ…!」
ワァァァァァァァァァ!!!!
「ローマ…クズッ」
応援している観客が大きな涙を流していた。類を無い最高のレースを
「うぅぅぅ……」
スクーデリアローマは1着でゴールイン。ローマの顔は泣きそうになった。
「うぅぅぅ…皆…やったよ…勝ったよ…」
「ローマァァァ!私…最高のレースだったぁぁぁぁぁ!」
「スイープ…ありがとう…」
レース後…すぐにスイープがローマに駆け寄り、健闘を称えた。
「うぅぅぅ……」
「ローマ!!!」
「トレ…ナー…やったよ…!勝ったよ…」
「ローマちゃん…」
「皆…」
「おめでとう…ございます…」
「ローマ…おめでとう…」
「テイオー…マックイーン…ありがとう!!」
「うぉぉぉん!ゴルシちゃん感動しぢゃっだよぉぉ!!」
「本当に…感動…したんですね…クズッ」
「皆…ありがとう…本当にありがとう!!」
「スクーデリアローマさん、おめでとうございます!今のお気持ちを!!」
「最高です!」
「最終コーナーの大きな翼が私達見えました!本当に跳んでいましたね!」
「…最終コーナー辺りで、頭の中にジューンさんが宿ってね、原動力になりました!」
「有馬記念、リベンジ達成ですね!!」
「そうですね…私が初めて負けた有馬記念から本当に強くなりって思いまして、天皇賞・春だったり宝塚だったりね、色々と挑んできたので、その思いが強くだした有馬記念でしたね!」
「ローマ!!おめでとう!!」
「周!ありがとう!!」
「周尹宣さん?!今回のスクーデリアローマさんの走りはどうでした?」
「最高で歴史に残るレースでしたね!最終コーナーでの翼が見えたので、非常に楽しいレースでしたね!」
「は!ユリノ先輩!」
ローマはユリノのところに駆け寄った。
「ユリノ先輩、今日有馬記念どうでした?」
「…ありがとう!!!!」
「最初ローマの名前を聞いた時にね、テイオーを大差で差し切った出来事信じられなくて、1戦1戦強くなって無敗の三冠取ったり、レコードを出したり…自慢の後輩で永遠のライバルだよ!」
「ユリノ先輩…っ!!」
「ふぇ!ローマ?!」
ユリノを抱いたローマ。ライバル…いや、仲間が応援してくれて嬉しかったのだろう。
♪♪♪♪♪♪♪
「君と夢をかけるよ♪何回だって突き進め勝利のその先へ〜♪」
ウイニングライブの曲はユメヲカケル。テイオーと同じ方式で行った。
後にスクーデリアローマのモチーフの紅は通称「ローマレッド」と呼ばれるようになった。
夜
「ローマ、有馬記念おめでとう!」
「ありがとうトレーナー!」
「突然なんだけど、この場所覚えてる?」
「この場所?」
「ここはね、俺がローマの走りを初めて見た場所なんだ!!」
「そうなの?!」
ローマをトレーナーにしたいと思った場所だった。
「その時ね、全然スカウトできなくて途方にくれてな、その時ローマは走ってたんだ!」
「それから私の専属にした瞬間だったの?」
「そうだよ!」
「…トレーナーはさ、正直凄いなって思ったよ」
「なんで?」
「わずか1年もかからないで私を三冠にしたり、凱旋門賞に挑んだり、隠された才能があるよ!」
「正直俺も驚いて、死ぬまでトレーナーをやりたいと思って」
「でも、私はトレーナーにずっと一緒にいたい!」
「ローマ…」
「…ありがとうローマ。嬉しいよ!」
「トレーナーも、開幕戦頑張ってね!!」
「頑張るよ!!」
ローマと2人きりの時間だった。
それから2年後…
「ゴールイン!チームスクーデリア所属のエウレカマイが1着!勝利回数歴代記録更新です!!」
ワァァァァァァァァァ!!!!
チームとなり、優勝回数を更新し続けた。
「すごいなローマのチーム!」
「勝利記録また更新ですね」
「うぉっし!ローマのチームに宣戦布告だぁ〜!!」
スピカのチームもローマの新規チームをライバルとしていた。
そして…4月
新たなウマ娘達が学園に入学してきた!
学園内はチームの加入の看板が置いてあった
「相変わらずスピカは怖い看板だよ…」
「仕方ないよ、ゴールドシップが考えたことだから」
「ところでトレーナー、今年も加入してくるかな?」
「してくるさ!気にするなよ!」
「そうだね!」
「ローマ!」
「ユリノ先輩!」
「チームの加入、来るといいね!」
「そうだね!今日もさ、併走いいかな?」
「…もちろん!!いつだって準備できてるから!」
「じゃあ私も準備してくる!!」
「怪我には気をつけろよ!」
「はーい!!」
プルルルルルルル
「もしもし佐々木?えっ、子供生まれたのか?!良かったな!あぁ〜その日なら行ける!」
看板には…
「チーム…どこに入ろう…か…」
1人のウマ娘がスピカの看板に目を止めた。
「スカーレット、ウオッカ、スペ、テイオー、やーっておしまい!!」
「ふっ!!」
「交わした?!しかも消えた?!」
「どこにいやがんだよ!!」
「ここだ…不審者は警察に連絡して…」
「待て待て待て待て待て待て!!」
「冗談だよ」
ゴールドシップらが1人のウマ娘と話していた。
「ねぇ〜よ、俺は…メジロフレイム!」
このウマ娘が、ローマの後継者になるとはまだ誰も知らない…
END
ウマ娘2周年おめでとう!!!!
コメント
3件
見るの遅れちゃいました(´;ω;`) この連載も最後かと思うとしんみりしちゃいます(´;ω;`) 周ちゃん達と走るところとか前回の有馬記念のこと思い出して懐かしいなーって思いながら見てました! ユリノちゃんの出番もいっぱいあって嬉しかったです( *ˊᵕˋ) 炎の勇者の続きも楽しみにしてます!! 連載完走おめでとうございます🎉
紅き跳ね馬の連載は終了です。100いいね押していただけると嬉しいです!