「ハッックシュン」
ぁーーー、くしゃみ出たわ。誰かが噂でもしてるのか?
「にしても、黄金ガニうめーー」
今、私はどこにいるかって?正解はー…望杼旅館でしたー!すごく高い。あの階段のところにいる。
なぜここにいるかと言うと、家を出たはいいものの、行く当ては当然あるわけもなく、取り敢えずトコトコ歩いているとWAOびっくり⭐︎スライムとバッタリ♡
一応戦えるように装備は持ってきたけど、なにせ私はテイワット初心者。当然脱兎の如く逃げ出し、ここに辿り着いたってわけ。
(今のうちにルートを確認しておこう)
えーと…
先生が言っていた七星迎仙儀式…きっとモンドの任務が終わって来ているはず…となると、当たり前だが、スメール・フォンテーヌ・ナタはまだ危機に陥ってはない…いや、スメール・フォンテーヌはもう瀕死か()
家出先は、スメール・モンドは近すぎる。駄目だ。稲妻も鎖国が厳しいから駄目。フォンテーヌ…は法律が厳しい(笑)けど、位置的には丁度いいが、保留。ナタ……はアビスとか会いたくないけど、一番自由…うん、フォンテーヌにしよう。時は金なり、早めに行動しよう
ところで見間違いじゃなければあの後ろ姿はどこぞの仙人様じゃないよね?
あ、目が合った。Love so sweet流すか。
え、なんで近づいてくるの?え、ちょ
「おい」
「あ、え、はい、え?」
「何故ここにいる。また落ちかけに来たのか?」
「えっとぉ…」
え、なに落ちかけたって?記憶にございません!!
「それに…」
某仙人様は少し目線を下にして何か考えた様子で腕をくんだ。
「いいや、なんでもない。忘れてくれ」
え、気になるーーー!!!なにーーー何があったのぉーー!!
数秒の間があったかと思えば、なんでもないと突っぱねられ、少し違和感を覚えた。
「あ、そういえば今さっき私落ちかけに来たってどう言うことですか?」
「は?覚えてないのか?」
「えっと…少し前に土砂崩れに巻き込まれまして、その衝撃で記憶が曖昧で…」
「……はぁ」
(呆れられた?!)
「まぁいい。」
「あの、なんで隣に…」
「……助けてやった時に、なにかお礼をと言っていただ ろう。ここで少し休ませろ」
「えぇ…」
「……なんだ」
「いえ何も」
ハァッハァッ脳内大暴れになりそう。
いやもうなってる(自己完結)
「……ちょっと待っててくださいね」
「……」
タンタンッっとリズム良くオーナーがいるフロントへ行き、その下の調理場へ行く。
「すみません。」
「…なんだ」
「杏仁豆腐を一つ…いや二つください」
「あいよ」
待つこと数十分…
「あいよ、杏仁豆腐二つ」
「ありがとうございます!」
また、タンタンッと階段を上がり、仙人様がまつ階段に向かう。
「……遅い」
「すみませんね。はい、杏仁豆腐です。」
「…何故我に?」
「え、食べないんですか?じゃあ私が…」
「ッ待て食べないとは言っていないだろう!」
「はい。出来立てですよ。」
「……いただこう」
「はい」
「うん…やっぱり美味しいですね」
「……。」
(え、無視??)
「お前は」
「ん?」
「お前は…岩王帝君についてどう思う。」
「ん゛ッ?!ゲッホゲッホ」
「おい」
「え、と、突然ですね?!」
「は?何か問題があるのか?」
「いや、別に…突然聞かれたので」
「……はぁ…」
「幸せ逃げますよ」
「…余計な世話だ」
「へへ」
「それで、どう思う。」
「…私は」
「…ん、」
「ん?どうしました?」
先程の質問の答えを言おうとした時、彼の肩がぴくりと動いた。
「用ができた。」
「え?」
突然、そう言い出すと、彼はいつもの緑色の綺麗な槍をもち、風のごとく去っていった。
「ま、まじかぁ…」
答えようと思っていた矢先だったので、私は若干戸惑った。
もう、なんか疲れたぁ…心が折れそう…
家出の第一歩を大きく踏み外した気になって、私はその場にしゃがみ込んだ。すると、足音が聞こえて来た。
「おい、蹲ってどうしたんだ!体調でも悪いのか?」
「え」
「え、なんだ?なにかオイラの顔についてるのか?」
「え、えっと、」
「大丈夫?」
ふわふわと浮いている、見覚えしかないその生物を眺めていると、聞き覚えのある声が頭上から聞こえて来た。
「た、旅人…?」
「?私のこと知ってるの?」
「もしかしてオイラ達…有名人?!」
「そんなことはないと思うよパイモン」
「改めて自己紹介させてもらうね。私は蛍。旅人だよ。こっちは…非常食のパイモン」
「オイラは非常食じゃなーーーい!!」
あのくだりがまさか生で見れるとは…!!
少し興奮を抑えながら、二人の方に一つ、聞きたいことがあった。
「いえ、少し考え事をしていただけなので、大丈夫です。」
「そうなのか!何もなくてよかったぜ!」
「ところで旅人さん。一つ意見を聞きたいのですが、人は体の何処部分で個人を判断すると思いますか?」
「「え?」」
「な、何する気なんだぞ…」
「パイモンのいう通りだよ。何する気?」
「いや、そんな警戒しなくても…」
「突然そんな質問するのは怪しすぎるぞ!それきいてどうするんだ?!」
「いえ、あくまで一つ意見が聞きたいだけなのですが。」
「う、うーん…」
「服とか…あとはその人が印象に残ってるところかな」
「髪…うん、うん!それだ!」
髪!確かに何処かの記憶で先生が髪を解かしてたところがあった気がする!うん。切るか。そう思い立ち、私は鞄から小刀を出した。すこし、勿体無い気もするけどね。
ジャキッ
「ふぅ…」
「うわわわ、突然髪を切るなんてどうしたんだ!!」
「さっぱりしたね」
「絶対突っ込むとこそこじゃないぞ!!」
束ねるのもめんどくさかったし、楽になった!!バッサリ切ったけどまだ髪を束ねれる範疇だ。私はまた持っていた髪留めで髪をとめた。
「すみません。驚かせてしまいましたね」
「なんで突然髪なんか切ったの?」
「まぁ、色々あってね……っとそろそろ行きますね。」
「え、もういくのか?」
「そうだよ。じゃあね、旅人さんたち!」
そう言って私は足早にその場をさった。
うーん…この体の身体能力も見ておきたいし、これで誤魔化せるか試したいなぁ。
ちょっかいかけに行くか!先生たちに!
「よいしょ」
私は神の目を握りしめて目を瞑った。
神の目を持っている人は元素視覚を使えたはず。今の私にもできるはずだ。私はもう一度璃月港に足を運んだ。
ついたぞ。璃月港。昨日ぶり、璃月港。
先生はどっこかな。あのタルタリヤだしなんか水元素の跡すごそうだな。取り敢えず使ってみるか。
「………わぁ」
むむむむ…と念じて、目を開けると本当に視界が灰色になった。
「こんな感じになるのか。」
覚えておこう。さて、水元素の付着跡…
暫く元素視覚を利用しながらあたりをうろついてみる。
探す事数刻。
(ま、まっっっっったく無い!!)
そらそうだよな!!先生だもん!そんなもの残すわけないよね!知ってた!
……北国銀行にでも行ってみよう。
「はぁ…」
「ねぇ、君。さっきからずっと璃月港をぐるぐるしてるけど何か探し物でもあるのかな?」
「いえ、別にそういうわけじゃないんです……よ…」
後ろから声がして、声に応えながら振り返る。後ろを向いた時には、喉からひくりと音が鳴った。
後ろにいたのは、オレンジの髪がよく目立つ執行官であった。
「ねぇ、真縁ちゃん?」
聞き慣れた声が、今の私の名前を呼んだ。
「な、なん…え…なんで?」
「なんでってそりゃ……顔見たの昨日だよ?分かるよ。」
た、確かに…!
「確かに見たいな顔してるけど当たり前だからね??」
「くっ…さすがタルタリヤ…!」
「なにが???まぁいいや先生が心配してるから家に帰りなよ。」
タルタリヤの手が伸びて来て、手を掴む寸前に咄嗟に言葉が出た。
「ふっ…だが断る!あばよ公子!!!」
一度は行ってみたかったセリフ!!そう言い終わるか否かのタイミングで私は地面を勢いよく蹴って駆け出した。
「ちょ、なんでその名前知って…早……」
あっっぶない。家に連れ戻されるところだった。
まぁ、取り敢えず元素視覚は使えそうだ。
ただひたすらに
走る
走る
走る
この体は結構体力があるようだ。
暫く走って気づいた。
私、タルタリヤの執行官ネーム言っちゃったくない?
(ぁぁああぁ!やらかした!)
絶対怪しまれた!まぁ、戦闘能力皆無な女児をいじめる趣味はハム子にもないはず。あ、いや、でも尋問されそうだ!!!泣
うーん……取り敢えず早めにフォンテーヌに出発した方が良さそうだ。
でも、ここは望杼旅館まで距離がある。あぁ…野宿するか…泣
次の日の目覚めは最悪で、慣れない地面での睡眠で体がバキバキになって少し泣いた。
ーーーーーーーーー
はい、久しぶりの主です。
溜め込んでた小説がそろそろネタ切れで泣いてる今日この頃です!!
次回はフォンテーヌに行かせようとは思っているけども、魔神任務書くのが絶妙に難しい気がする。泣
まぁ、いつか投稿しますよ。またね!
(諸事情で名前は変更させていただきます。)
真縁(仮)
・この度フォンテーヌに旅立つ決心をした。ところどころボロを出すアホの子。温室育ちのもと日本人には野宿はきつかった。
鍾離
・真縁の父。娘がいないけど、仕事はしてる。また怪我しないか心配。
タルタリヤ
・真縁が何故自分の執行官ネームを知っているのか、見失ってから気づいた。でも、支障はないからほっといてる。見つけたら捕まえるつもり。
コメント
2件
あばよ公子!! 私も言ってみたい