※ホープくん視点です。
…僕の恋人は、基本的に格好良い。
「ホバ、これ、お前に似合うと思って買ってきた」
…気遣い上手だし。
「ぅあー…疲れたー……」
「お疲れ。こっちおいで」
…凄く、すごーく甘やかしてくれるし。
「…もっと良い表現の仕方ないかな……」
「ん?…ここは、抽象的にするんじゃなくて物で例えてみたらどうだ?」
「なるほど……!」
頭も凄く良い。こんな格好良いほぼ完璧な恋人がいるなんて、これ以上の自慢はない。だけど……
パリーン!!
「…お前、何枚目?」
「え……じ、17枚目?」
「…ジンヒョンに見つかってブチ切れられる前に、ほうきとちりとり持ってこい」
「…はい……」
おっちょこちょいで。
「ぐぉぉー……ぐぅー……ぐぅー……」
「…んんうるさぁぁい!!ホソギヒョォン、恋人なんですから僕と部屋代わって良いですよ!夜だけ」
「嫌な事だけ押し付けるな」
グガに筆頭するレベルでいびきによる騒音問題があって。
「……つ、作ろうか?」
「いや、俺にも出来る…はずだ」
ぼふっ!
「…あのね?ホットケーキミックスは、力任せに開けたらいけないんだよ?」
「…そうみたいだな。よし、俺は卵を割る事に専念する」
「うーん、僕がやる……」
ぐしゃっ!
「…卵はね、一回固いところでヒビを入れてからじゃないと綺麗に割れないんだよ……」
「…混ぜるか?」
ガシャガシャ…ボトッ、ボトボト……
「…ジンヒョ〜ン、僕のホットケーキがピンポン玉サイズになっちゃうよ〜」
「ナムジュナ、後はヒョンがやるから。ホバも、ナムジュナとソファに座って待ってて」
「え?でも僕が食べたくて「これ以上キッチンを汚すな!」…後で、片付けを手伝いますね……」
手先?が不器用。もう不器用を通り越してる気がするけど。…でも、そんなところが凄く可愛くて好き。結局、ナムジュナなら何だって好き。…それが、物凄く強くなって、好きすぎて抑えきれなくて、苦しくなると、自分じゃどうしようもない黒い渦が胸を支配していくんだ。
「ナムジュナ、僕も行く」
「今日は午後から来るだろ?」
「でも、行くまでナムジュナとジミナの二人きりじゃん。メンバーでも二人きりで一緒にいる時間が多いのは駄目。嫌だ。ナムジュナは僕の恋人じゃん」
「…ホバ」
「何」
ちゅっ……
「………え?ジュナ……?」
「ホバ、好きだ」
「…僕も、好き……」
「愛してるぞ」
「…うん、僕も愛し「ホバ、愛してる」…う、うん?」
「愛してる。本当可愛いよな。ホバが恋人で俺は本当に幸せだ。ありがとう」
「ナ、ナムジュナ?照れるよ……」
「ホバ。俺はどんな場所にいたって、お前の事を一番に考えてるよ」
「!」
「…これでも不安か?」
…あんなに大きくなっていた黒い渦が、しゅわしゅわと溶けてなくなっていく感覚。それと同時に、暖かくて大きい何かが胸の中で膨らんでくる。…僕、こんなにナムジュナに想われてるんだ…幸せだ。
「ううん…頑張って。後で行くね」
「ん。行ってくるな」
ガチャッ…パタン……
「……………」
こんなに幸せなのに、きっとまた不安になってしまう。また、苦しくなってしまう。…でも、また不安になっても、ナムジュナがなくしてくれるのを僕は知ってる。…否、知る事が出来たんだ。
「……ふふっ!」
午後になったら、ナムジュナに会える!どんな服着ていこうかなー……
皆様、【だって好きだもん】これで完結でございます。ここまで読んで下さった皆様、ありがとうございました。
これで、三作目が無事終了しました。三つも書いてるのか…驚きです。
今後も、自分のペースになりますが、作品を書いていけたらと考えています。また、一作品につき、このくらいのお話量のままいきたいと思っています。
今後も、読んでいただけたら幸いです。ありがとうございました。