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音響 / nksr

1 - 音響 / nksr

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2024年08月05日

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onkn / nksr

後で後でって思ってたらこんな時間。

やりたいことはその場でやりましょう…

バース系やりたいんだけど何にしようか迷い中

注意 病み

ハピエンです。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


五月蝿い。

車が走る音。人の話し声。サイレン…

全部が嫌で、全部憎い。

全部、全部全部全部全部全部全部全部。


「…はあ…、」

深いため息をついた。

世の中の当たり前を受け止めれない自分に嫌気が指す。


きっと、俺は生きるのには向いてない。

この世の中で、普通として生きるのは。




昔は何一つ気にならなかった。

自分が音に紛れることが出来ていたから。

今は恐怖から縛られて立ち向かえない。


大人になると、強くなるとか。

泣けば泣くほど強くなるとか。

全部嘘だった。嘘じゃないのかもしれないけど、例外がある。


俺はその例外に当たったんだ。多分。

デカくなればなるほど辛いとか苦しいとかの感情を覚えて。

泣けば泣くほど泣くことしか出来ない自分が嫌になるだけで。


なんだか酷く騙されてきた気分になった。



外に行けば全部が俺を悪く言ってるように聞こえる。

実際全員が全員言ってる訳じゃないのは分かってる。現実的に無いと分かってる。


分かってるけど。


本当に同じ脳みそか疑ってしまう。

確かに物を考えるのには場所が違うと言えど、 考えが真逆過ぎる。


人間は脆いと再確認した。



俺にとって音は敵だった。




「あ!!ボビー!!」

「うお、っ…ニキか…」

大きな音は嫌いだ。特に人の声なんて論外だ。


でも。


何故かこいつの声だけは。どんなにでかくても、なんだか受け入れられた。

急に話しかけられたからびっくりはしたけど。


「買い物ー?」

「あ、おう、まあ…」

僕も買い物に来た、とにっこり笑った。

眩しい。


「ねえ今度家行っていい?」

「え?あー、まあええよ、いつ?」

「ほんと!?じゃあ来週の金曜日は?」

「空いてる、じゃあその日な」

「よっしゃ!!ありがと!」

「はいはい…」


元気だな。凄く。

お酒買っとくね、と手を振って、その場は解散した。



金曜日。彼が遊びに来る日。

後からLINEで泊まりたいとお願いされたので仕方なく泊めてやることにした。

仕方なくとは言えど、まあ嬉しい。

黙々と部屋の片付けをして、彼が来るのを待った。



ぼーっとしているとチャイムの音が響いた。それに身体が強ばる。


「う”っ…、はい…」

恐る恐るドアを開ける。

彼の顔があって少し安心した。


「お邪魔しまーす!」

「邪魔すんなら帰れー」


ドアを開け、二人で笑いながら玄関を通った。




「そこら辺座って」

「ん、ありがと。お酒買ってきたよ」

「おお、さんきゅー…」



「っ…、」

酒の缶を開ける音。まあこれはまだ耐えられる。


二人して酔いが回って、ダラダラと会話をした。


そんな中、音が響いた。

向かいの工事の音。

通り過ぎる大型トラック。

近所の祭りで騒ぐ人間の歓声。


五月蝿い。痛い。苦しい。


全部聞きたくない。

全部。



恐怖に身体が支配され、自分の服を固く強く握った。

その場か ら動けなくなって、像のように固まった。

「…?、ボビー…、?」

急に固まって、様子がおかしい俺を見て彼が不安そうな顔でこちらを見てくる



怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。

下がりもしない音量に吐き気がする。

俺はその場で固まったまま泣いた。


声もあげずに。



「ボビー!?…え、ど、…」

彼は慌てて口を開いたり閉じたり。

俺は少し慣れてきたのか、僅かに身体が動いたのを逃さず、彼に抱きついた。


「っ、え?…え、えーと、…」

彼は困惑しているのか声が途切れ途切れになっていた。


「っ、ニキ…、たす、助け…て、」

「え、どう…、え、?」

「音、音…聞きたく、聞きたくな、…」

枯れた声で何とか説明しようにも無理がある。

それを理解しつつも彼に縋った。


もう頼れるのはこいつしかいない。


「も、無理…、お願い、助け…、て… 」

プライドなんてどっかに捨てた。

恐怖ってプライドもへし折るのか。


そんな呑気なこと考えてたら。



「う”ぅ”…っ、あ”…」

耳鳴りが酷く鳴った。


痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。

抱きつく力が強くなった。



「…、っ、あ…、?」

外から聞こえる音が少し和らいだ。

前を見ると彼が耳を塞いでくれていた。

それでも音が聞こえてしまうのは彼でもわかったのだろう、まだ不安そうな顔をして俺の事を見ていた。



「ん”ん”…!?」


沈黙が流れたと思えば、思いっきりキスをされた。

舌を入れられ、強く絡んで。

耳が塞がれているから、聞こえるのは舌が動く度に響く水音のみ。


そのまま何秒かたって、ようやく離されたと思えばまた入れられて。

それの繰り返しでもう数分たった。


「はあ…、っ、んあ…、」

息切れが凄い。

互いに息が乱れている。


「どう?少しは楽になった?」

はっと我に戻る。身体は楽で、音も気にならなかった。

「…、うん、ありがと…、」


顔は赤いが。


抱き合ってる為、自分の心音が聞こえる。うるさいけど心地よい。


「っ、うお、っ…!?」

視野がおかしくなったと思えば、天井方向にニキの顔があった。

押し倒されている。


「…全部聞こえなくしてあげる。」




目が覚めると腰に若干痛みがあった。

窓を見るとカーテンから光が流れていた。


あのまま自分の体液でどろどろになるまで愛撫され、聞こえたのは全部自分から出る音だった。


その後ゆっくりと中まで挿れられて、優しく奥を何度も突かれて。

一戦終わり後には身体から脳まで溶けてしまいそうだった。


フラフラで立てない俺に軽くシャワーを浴びさせてくれて。

そのまま軽い寝床を用意してもらって、二人抱き合いながら眠りについた。



まだ朝早いのかあまり音が聞こえなくて辺りは静かだった。

音の恐怖は薄れたかどうか分からないけど、こいつ以外の音を聞きたくなくて。




まだ寝ている彼の胸に飛びついた。







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