屋上に着いても誰も居なかった。
引き止めてくれるかな…という淡い願いは一瞬で打ち砕かれた。
……どうする?まだ引き返せるけど…
なんて自問自答してるうちに誰か来そうだったから急いで飛び降りることにした。
靴を脱ぎ、スマホも置いた。
日記も持ってきてあるから、日記も傍において分かりやすくした。
…よし、後は飛ぶだけだ
覚悟を決め、下を除く。
高くて少し怯えるけど、そんなんじゃダメだ。
と自分に言い聞かせながらフェンスを乗り越え、縁に立とうとした時 ーーー
グイッと引き上げられた。
『……へ、?』
上を見上げるとそこには腐れ縁のアイツが居た。
暖かいものが頬をつたり、少し苛立ちも覚え始めた。
類が安全な所までボクを引き上げ、
ゆっくりと口を開いた。
「…瑞希、何してたんだい?」
『何って…分かってるくせに』
『飛び降りようと思ってたの』
「…、どうしてだい?」
『……疲れたから?』
「…そうだね、この日記も原因だろう?」
『ッ、!?』
日記を分かりやすい位置に置いていたのを思い出し本格的に焦り始めた。
「…自分が「死ななきゃダメだ」と追い込んでいたんじゃないかい?」
『そんな、訳……、』
「…瑞希、辛いなら僕じゃなくても良いんだ、だから…誰かに話して欲しいな」
類の優しい言葉が今のボクには毒だった。
また暖かいものが頬をつたり、つたり…
ポロポロと涙が、溢れてぐしゃぐしゃになる。
そんなボクを類は優しく抱きしめる。
暫くしたら少し落ち着いてきて、状況が判断できるようになってきた。
確かに今自殺は少しアレかもしれない。
勿体ない、というか……なんというか…。
「瑞希、…今度会わないかい?」
『いい…よ?』
その後なんやかんやあり今週の土曜日に会うことになった。
土曜日になる前にボクが自殺するかもしれないのに、類は信じてくれるんだ…と思うとまた涙が出そうになったのでグッと堪える。
『……じゃあね、また…ね、類』
「……嗚呼、また土曜日」
手を振り返すと類とボクはどこかホッとしたような顔になり、お互いの帰路に着いた。
何か、死にたくない。
53日目
今日、色々あって死ねなかった。
ごめんね……類に、引き止められちゃって
それでなんやかんやあって今週の土曜日に類と会うことになったよ!
学校の外で会うのは久しぶりだな~…、
それと、ボク、何か…ね?
類に言葉を掛けてもらったら、
死にた…豁サ縺ォ縺溘¥縺ェ縺
……死にたい、
瑞希
「あのこと」がなければ僕は瑞希を引き止められなかっただろう。
そう思いながら帰路に着く。
……きっと瑞希は日記で自らを苦しめているんだね。
” 自殺する ” と日記で決めたから絶対に死ななくてはならない、と自分の中で思ってしまっているんだね。
まぁ、一種の……呪い、みたいなものかな。
コメント
15件
文字化けの意味がわからない誰か教えて
類〜!尊敬尊敬!
あっ … ちょ、文字化け初めてわかった… めっちゃ鳥肌たったぁぁぁぁ