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5 - ドッキリなんてするもんじゃない【💛💚】 ※リクエスト作品

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2024年03月21日

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ニキ(💛)×まちこりーた(💚)


お付き合いしてない、両片思いニキまち。

※全年齢


リクエストお題『彼氏できたドッキリ』

ありがとうございました🙇✨


──────────────────


ドッキリなんてするもんじゃない【💛💚】


──────────────────


◆表記

💛→ニキ

💙→しろせんせー

🩷️→りぃちょ

💚→まちこりーた

❤️→キャメロン

💜‪→18号


※💛は💚の想いになんとなく気付いてて、💚も勘づいてはいるけど確信が持てない設定。他メンはだいたい気付いてます。

※『』は通話音声、「」は対面やdiscordでの対話。♡:〜 はLINEとかチャット系のやりとりを表しています。

※💛💚ですが、終始💜‪視点で話が進みます。


──────────────────




〜💜‪side〜



💚『──ねーねーはっち〜、今ちょっと良い?』


💜‪『なになに〜? どしたの突然。珍しいね、まちこがこっち個人通話掛けてくるなんてさ』


現在時刻は18:00。週1で行われる女研企画会議開始まで、あと3時間──

諸々の準備が早々に終わってしまって、皆とやりたいゲームをリストアップしていたところに掛かってきた、一本の電話。


💚『いやね、ちょっと姉さんに相談したいことがあって……』


そう告げる親友の声色は、少し不安げに揺れていた。




◆ ◆ ◆




💜‪『……なーるほどぉ? つまり、ニキニキの気持ちを確かめたい、と』


💚『…はい、そうなりますね、ハイ』


要約するとこうだ。

まちこは彼に想いを寄せていて、相手からもその気は感じられるが確証が持てない。

だから彼との距離を縮めるためにも、まずはきちんとニキニキの気持ちを確認したいということだった。


💜‪(…そんなの、必要ないと思うんだけどなあ)


結論から言えば、ニキニキだってまちこのことを好きなのは一目瞭然だ。

二人には悪いが、正直どちらもバレバレ。

ニキニキなんか特に分かりやすくて、最近じゃ他メンバーがまちこと話しているだけで不機嫌になる。


──まぁ そんなことを言ったところで、今の彼女には通じるまい。

すぐにそう悟った私は、大事な親友のために一案練ることにした。


💚『なんかないかなぁ……ごめんね、会議前なのに』


💜‪『ううん、全然大丈夫! もう準備とか終わってるから!』


──会議前、確認、わかりやすい不機嫌………


私の脳内の電球が、ぴこーんと点灯する。


💜‪『…まちこ、ドッキリ…とか、仕掛けてみたくない?』


そう提案した私は、確かに彼のことを舐めていたんだと思う。

概要を説明するべく、口角を上げて口を開いた。




◆ ◆ ◆




時刻は19:00──会議まで、あと2時間。


💜‪(──く、れ、な、い?……と)


ぴこん。


💜‪:今日の会議のときにまちこがニキニキにドッキリ仕掛けるから、協力してくれない?


めろんちゃん宛のLINEに諸々の連絡を打ち込んで、送信。

送ったところで返信の期待できないりぃちょとせんせーにも、一応まちこが同じような文面を送っているはず。

思っていた通り、それから5分も経たないうちにめろんちゃんからの返信が来た。


❤️:ドッキリ? 大丈夫だけど、どんなの?


💜‪:まちこがニキニキの気持ち確かめたいんだって。それで、めろちゃんに協力してほしくて


そう。私の提案はこれだ。

まちこに彼氏ができたと嘘を告げて、ニキニキの反応を見る作戦。

すぐに既読がついて、数秒後に返信が来る。


❤️:なるほど。でも、なんで俺? まちこさんと仲良い人とかなら、せんせーが適任じゃない?


それについては、先程の電話でまちこと話し合って決めたことだ。


💜‪:だって、せんせーもりぃちょも遅刻する可能性大だから。なんならそもそもLINE見てなさそうだし、そういう意味でもめろちゃんが適任かなって


💜‪:いざというときの保証人?的なノリで良いからさ!


それに、歳も一番近いしね。

事情を説明するとめろんちゃんは快く引き受けてくれ、さらに数分後にはまちこ本人からのLINE。


💚:せんせーもりぃちょも返信どころか既読もナシだけど、多分あの二人ならイイ反応してくれるよ。キャメさん、どうだって?


💜‪:大丈夫だって、快諾してくれたよー! ニキニキの気持ち、ちゃんと分かるといいね👍


こちらもきちんと現状報告。

がんばろー!と旗を振っているカエルのスタンプを添えて、文字を打ち込む。

かくしてまちこの『彼氏できたドッキリ』は、本日の企画会議にて決行されることとなった。




◆ ◆ ◆




──時刻は21:00。企画会議、開始時間。

discordのサーバーに入ると、既にまちことめろんちゃんが待機していた。


❤️「…あっ、18号さん」


💚「やっほーじゅうはちぃー!!」


💜‪「やっほー! …あれ、まだニキニキたち来てないの?」


💚「っ…」



💜‪(ガッチガチに緊張してるなあ……w)


彼の名前を出しただけで、ついさっきまでリラックス状態だった彼女の声が震え上がったのが見て取れる。

そんなまちこに助け船を出すように、めろんちゃんが口を開いた。


❤️「…そういえばさ! りぃちょくんとせんせーは? また今日も遅刻かな…」


そんなこんなで三人で談笑していると、ぴこん、と音が鳴ってニキニキがサーバーに入ってきた。


💛「ごめ、ちょっと遅れた! …あれ、ボビーとりぃちょは?」


💚「…おっ、ニキニキじゃん! せんせー達は今日も寝坊じゃない?w」


先程までの動揺が嘘だったかのように、さも平然と振る舞うまちこ。

さすが、シルエット声優を名乗るだけのことはある。演技力は上々だ。



もうしばらく待っているとせんせーとりぃちょもサーバーに入ってきて、ようやく全員が揃ったのは22:00を少し過ぎた頃。

ちなみにまちことはこっそりLINEで連絡を取っていたのだが、未だ既読は付かないらしい。


💜‪(十中八九、寝てたんだろうなあ……)


開始予定時刻より1時間以上も遅れて、ようやく女研企画会議が始まった。




◆ ◆ ◆




現在時刻、23:30──


💛「じゃ、来週のラジオは俺の枠でー、Minecraftやるってことで、よろしく!」


撮影予定日と配信の内容を確認し、会議が終了する。


🩷️「キャメさーん、今からエペしない?」


❤️「ごめん、明日用事あるから無理かな」


💛「…ほーん? あのキャメロンさんが“用事”ねぇ…」


💙「この流れは確実に女ですよねえ」


🩷️「僕らのキャメロンさんについに春が…!」


❤️「いや違いますよ?」


各々雑談に入り始めた頃、遂に作戦決行だ。

すうっと息を吸う音が聞こえたかと思うと、まちこが意を決したかのように口を開く。


💚「…あ、そうだ。私情なんですけれども、えーっと彼氏が出来ましたー!」


💜‪「えー、おめでとー!!」


一瞬の沈黙。ニキニキ達はともかく、めろんちゃんは何か反応しても良いんじゃ……


💙「…えっ、マジで!? 俺というものがありながら!?」


🩷️「え待ってまちこり、詳しく詳しく! 俺らそいつのこと知ってる?」


結局最初に反応したのは、ニキニキと同じく何も知らされていない(というか連絡を見ていない)男性陣2名。

聞き捨てならないしろせんせーの発言にツッコミながら、まちこが続ける。


💚「せんせーは別に関係ないでしょw …それにみんなは知らない。学生時代の先輩だから」


❤️「うわーめでたい。赤飯準備しなきゃね」


💜‪「めろちゃん……w」


まちこはちゃんと彼氏の設定まで組み立てているようだが、問題はめろんちゃん。彼の悪いところが出ている。一応協力を頼んでるんだからちゃんとしてくれないと困るぞ、と心の中で念じた。


🩷️「え、どんな人どんな人?」


りぃちょが心を踊らせたように訊き返す。

二人の反応はまちこの予想通り上々だ。

──でも。


💙「…つーかニキ、お前さっきからなんも喋っとらんなあw」


そう。本命のターゲットこと、ニキニキの反応がない。


💜‪(もー、終始無言じゃ鈍感なまちこには何にも伝わんないでしょ!!)


実際、手に握るスマホはまちこから立て続けに来るLINEの着信で震え続けていて。


💚:どうしよ


💚:はんのうないよ


💚:やっぱわたひなんてどうてまいいんだ)


動揺からか不安からか、平仮名で綴られた誤字だらけのメッセージ。流石に彼女が不憫になって、画面越しに声を掛ける。


💜‪「ニキニキー? なんか言わなきゃ何もわかんないよー?」


──まちこがとんでもない鈍感なことくらい、ニキニキだって知ってるでしょ

見えないその無駄に端正な顔を、じとりと睨む。

しばらくの沈黙ののち、ようやくニキニキが口を開いた。


💛「……まちこり、好きな人、いたんやね。…ちょっと、期待、しとったんやけど、w」


💚「…っあ、」


いつもの軽口とは違う、震えた低いトーン。彼らしくないな、なんてどこか他人事のように考える。


💜‪「えーっと、ニキニキ?」


💛「…ごめん。ちょっと今日はもう、抜けるわ」


💚「っ…!」


──やらかした。

私とまちこが声を出せないことをすぐに察して、めろんちゃんが声を出す。


❤️「ちょっ、待ってニキくん! これドッキリ! ドッキリだから!!」


💛「………は?」


💙「えっ」


🩷️「え、そなの?」


事情を知らない男性陣三人の、間抜けな声がそれぞれのアイコンを揺らした。




💚「──というわけでして、彼氏はまだおりません!」


💜「騙しちゃってごめんねー」


ドッキリを仕掛けることになった動機を除いて軽く説明すると、何も知らなかったりぃちょが口を開いた。


🩷️「え、じゃあなんでキャメさんは知ってたの?」


💚「いや、りぃちょがLINE見てないだけでしょ?w りぃちょにもせんせーにも、ちゃんと送ったから」


💙「え、あ、ほんとだ」


パソコン越しの自然な振る舞いとは裏腹に、まちこからのLINEは止まることを知らない。


💚:え


💚:なにあれどゆこと


💚:ニキニキ


💚:あんな声初めて聞いたんだけど


💜‪:ww


💜‪:それはさ〜、


スマホのキーボードに指を滑らせて、「二人で会って直接聞いてみたら?」なんて打ち込もうとしたとき。

りぃちょが、とんでもない爆弾を投下した。


🩷️「いやー、ビックリしたわw まちこりが好きなのって、ニキニキかせいぜいせんせーだと思ってたもん」


💚「◎△$♪×¥●&%#?!」


──こうなるから、事前に情報を共有しておきたかったのに!

せんせーが「せいぜいってなんやねん」などとツッこんでいたが、そんなことを気にしている場合ではない。


💜‪(…やばい、まちこが壊れた……)


💚:いやは(たやたとまたのやたは?(まよ


まちこからのLINEは文章というよりも怪文書になっていて、もはや原型を留めていない。何を書こうとしたのやら、マヨネーズまで登場しているではないか。


💜‪:ちょっとまちこ、落ち着きなよ!w


💜‪:深い意味はないと思うからさ、ね?


そんな返信も虚しく、彼女は「ごめ、明日用事あるから!!」なんて言って爆速でサーバーを抜けた。


───だから、彼女は知らない。

彼女の退出後。

これでもかというくらい大きなため息を吐いて、


💛「……よかった…、ガチで焦った………」


なんて、呟いている王子がいたことを。


─────────────────


◆『檸檬のイラスト・雑談部屋』の方に、本作の裏話を投稿しております。是非、そちらも合わせてお楽しみ頂ければ幸いです🕊‎🍀

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終 始 気 持 ち 悪 い く ら い に や に や し て ま し た 😇 控 え め に 言 っ て 大 好 き で す

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