テラーノベル
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イラスト:ChatGTP産
「なぁ…やり直さねぇ?」
トシは、顔を合わせるたびに言う。
そして私の口から零れ落ちる答えは、いつだって、ただの一言。
「NO」
友達のままでいる方が気が楽だから。
お金のない男は御免被りたいから。
恋人を作るくらいなら、自分の趣味に時間を費やしたいから。
断る理由は、探せばいくらでも並べ立てることができる。
でも、本当の理由は、トシのことが好きだから…
そして彼が夢を追うカメラマンだからだ。
『被写体として魅力的な女』と、
『一人の女性として愛する女』は、
違う…
そんなのわかってる。
わかってるけど、嫌なの。
恋人になったら苦しいの。
恋人の私を差し置いて、モデルの女と出かけるのは嫌なの。
その助手席は私の席なのに…その女を座らせないで
ただの被写体なら機材の荷物と一緒に後部座席にでも放り込んでおけばいいじゃない――。
そんな、醜くドス黒い独占欲がいつか私の中から溢れ出して、きっと大好きなトシを傷つけてしまう。彼の命とも言える大切な作品を、この手でズタズタに引き裂いてしまうに違いない。
だから私たちはいいの……。
このままで。
ーー
「やぁね。もう、子供じゃないのよ。他を当たってよ。」
手元にあるグラスを軽く揺らし、ハイボールの氷を鳴らしながら、私はふふっと悪戯っぽく笑ってみせた。
そう、もう私たちは子供じゃない。
だからわかる。
この胸の焦燥も、嫉妬も、決して消えはしないのだと。
だったら、お互いに傷つかない安全な距離を保ち続けること。
それだけが、私たちにとっての最善の選択でしょう?
ねぇ……そうでしょ?
だからせめて、好きな男の夢くらい、綺麗に応援させてよ。
私の醜い嫉妬で、大好きなあなたを、あなたの才能を、私の嫉妬で刺し殺してしまわないように。
コメント
1件
うわ、これめっちゃグッときた……。「好きだからこそ、離れてる方がいい」っていう主人公の自己防衛が、重くなる前にサラッと描かれてて、逆に胸に刺さるわ。最後の「私の嫉妬で刺し♡♡♡てしまわないように」、その一文で全部持ってかれた。続き読みたい🔥