shk side
shk「ん”っ…ん〜…」
ベッドの上で目を覚ます
窓を見ると
既に朝日が登っていた
昨日はいつの間にか
眠ってしまっていたようだ
体も心も
共に
酷く疲れていたから
無理もない
でも、それは俺だけではない
きっと
あの現場に居合わせた全員が
感じている
─────ブーッ ブーッ
枕元に置いたスマホから
バイブレーションの音
手に取って確認すると
knからの電話だった
kn「おはよう」
スマホ越しに声が聞こえる
shk「おはよう」
kn「shkの先生、起きたよ」
「本当は夜中に起きたんだけどね」
「流石に病院には入れないだろうからw」
knの声は
なんだか嬉しそう
shk「行っていい?」
kn「当たり前だろw」
今すぐにでも向かいたい
生きていると この目で見たい
shk「3人誘ってみるね」
kn「入口についたら教えて、迎えに行くから」
shk「はーいw」
電話を切ると早速部屋を飛び出した
nkとsmはリビングにいて
誘うと快く了解してくれた
br 部屋前
─────コンコンッ
shk「起きてる?」
反応はなく
nk「shk、そこどいて」
言われるがまま 俺はどいた
─────ガチャ
nkは迷いもなく
brの部屋のドアを開けた
部屋の中にあったbrは
怯えていて
目を合わせてはくれなかった
nk「brも行くよ!」
「先生のおかげで助かったんだから」
br「……くは…」
掠れた声
「僕は助かりたくなんてなかった ッ…!」
「なんで僕のせいで怪我人がてるの?」
「なんで僕は迷惑ばっか……」
「全部……ぜんぶおかしいじゃんっ…!」
「助けたいって言うなら…」
「なにもしないでよ」
「しなせてよ…w」
sm「……うるせぇ」
「迷惑かけたって思ってるなら」
「謝りに行くぞ」
br「………………」
brは黙り込んで俯いてしまう
怒るsmからはかすかに涙が見えた
smが部屋から出て言った直後
brは立ち上がってへらっと笑った
br「僕たちも行こっか」
誰が見ても分かる
作り笑いだった
─────ガラガラ
kr「お、いらっしゃ〜い」
病室に入るとベッドの上から手をふられた
br「あの……怪我…」
不安そうに声を震わせるbr
kr「全然大丈夫ですよw」
br「僕のせいで…すみません」
kr「別に、俺が勝手に落ちただけですよ」
nk「……あの…さっきから気になってたんだけどさ」
nk「knなんか気味悪いよ?」
kn「えぇっ!?」
それは俺も思っていた
先程からニヤニヤしながらソワソワしている姿がチラついていた
どういう心情なのか理解できない
sm「どうした?」
kn「い、いやぁ……w」
目線をkr先生に移すkn
nk「なになに!?」
「イケナイ関係!?」
kr , kn「…………ん?」
shk「なにそれ?」
sm「気にしなくていい …w」
周りが笑っていたものだから気になった
kn「そういうのじゃなくて…w」
「え……っと」
kr「わかったわかったw」
二人の間でなにかが通じているようだ
kr先生は俺らを見渡して真剣な顔をする
kr「大事な話だから聞いてほしい」
先程までの楽しげな空気が一変して
緊張感が漂う
kr「俺さ………」
「みんなの長男なんだよね」
一瞬の間で混乱が生じる
krが俺らの長男
つまり自殺した
→幽霊
nk「幽霊?」
kr「違う!俺は生きてる!」
br「偽物でしょ、人をからかわないでください」
brが先生を睨む
偽物と考えるなら、怒ってしまうのも仕方ない
でも本当に偽物なのか
kn「br…本物だよ……」
「俺は身分証明書だって見た」
「昔の記憶もある」
br「……で…もさ」
「しんだんだよ?」
「親戚も…両親もそう言ってるんだよ?」
kn「じゃあ…飛び降りた後、krのこと見た?」
「しんだことなんて…確認してないでしょ?」
brが大きく目を見開く
br「騙されてたってこと?」
「krはっ…僕たちを……」
「騙してた?…w」
「後悔する僕たちを嘲笑ってたの?」
「なんでっ……!」
kr「落ち着け…!」
kr先生の言葉でbrは冷静になった
kr「騙すつもりはなかった…」
「でも、俺の精神状態が酷くて」
「会える状況じゃなかったんだ」
「両親に”死んだことにして”」
「って懇願したんだ」
「ごめん……情けなくて…w」
素直に話す先生は
いつもより弱々しくて
彼にも俺らと同じように
悩みがあるのだと感じた
kr「まさか俺のせいで…責任感じさせてたなんてな…」
「みんなの気持ち……考えられてなくて」
「自分のことで精一杯で」
「だめな兄だよなぁ…w」
静かに涙を流す先生
どれだけ辛い思いをしていたのか
そのつらさは計り知れない
br「だめな兄なんかじゃない…」
「優しくて頼れる兄だった」
「だからこそ無理をさせて」
「最終的に自殺まで追い込んだ」
「悪いのは気づけなかった僕」
「全部……僕のせいだから」
2人の話に割り込んで俺なりの意見を言う
shk「どっちが悪いとかじゃなくね?」
「気づけなかったのも」
「自分のことを気にかけるのも」
「仕方ないよ」
「誰も迷惑だなんて思ってない」
「迷惑と思ってるのは自分だけだよ」
「2人とも自分のせいにするってことはそういうことでしょ?」
brと先生は互いに顔を見合わせる
br「shkの言う通り…なのかな?」
kr「多分な……」
kr「末っ子にこんなに言われるなんて…w」
「やっぱすごいよ、shkは」
「相談室に来た時から」
「ずっと」
「その優しさがあれば」
「きっとたくさんの人を救えるよ」
温かい言葉がに
笑みがこぼれる
shk「だったら嬉しいなw」
br「優しいshk、僕に焼肉奢って〜!」
shk「それは違うだろw」
kn「末っ子に奢らせようとするな!w」
kr「俺が奢ってやるよw」
br「おおぉおぉ!!」
nk「もうお腹すいてきたわw」
sm「昨日の夕飯も今日の朝飯も食ってないからねw」
kr「育ち盛りなんだからちゃんと食えよ!」
br「んじゃ、一旦家に帰りますか〜!」
kr「また来いよ〜」
先生が退院してからは
6人で暮らすようになった
前よりも賑やかで
悩みも晴れた
楽しい日常
きっといつかは絶たれてしまうのだろうけど
今を幸せに生きているのだから
十分だ
6人の時間を失った分は
これから取り戻していく
時間を超えるほどの幸せを
俺たちは積み重ねていく
─────コンコンッ
誰かがドアをノックする
shk「どうぞ〜」
─────ガラガラ
「先生、今日はよろしくお願いします」
shk「うん、話してみて」
コメント
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いや""ぁぁ"ぁあ""あ"ッッやっぱり病みパロ最高ですね...ჱ̒˶ー̀֊ー́ ) 幸せそうで何よりです()